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本編
愛の奇跡の様な何か
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大聖堂は太陽がステンドグラス越しに光を降り注いでいた、厳かでいて美しい。
ルイスと一歩一歩、大司教の元に並んで歩いていく。
列席者はまばらで、呪われた王子を隠すように王家が結婚を進めているのが分かる。
それでも参列者から「忌々しい」という囁き声が聞こえてうんざりとする。
ちらりとルイスを見る。
相変わらず婚礼衣装から見える首も顔にも呪いの文様が浮かんでいて表情は視覚情報からは読み取れない。
だけど、自分と一緒で少しだけわくわくしてしまっているだろうと短い時間しか生活を共にしていないけれどそう思う。
断罪、そう言われる行為になるのかもしれないし、人の人生を変えてしまうかもしれない。
それはわかっているのに気分が高揚してしまう。
勿論これで結婚をするということに対する高揚感もあるけれど、自分の性格があまりよろしくないということを改めて思った。
祭壇の前で待つ大司教の前まで進み出た。
大司教が祝詞を唱える。
それから、お互いに永久の愛を誓いますか?と聞かれ「はい」と答えた。
それから準備されていたリングピローに乗った指輪が運ばれてくる。
この日のために作った指輪だ。
ルイスのリクエストでお互いの指輪にはお互いの瞳の色の石が裏側に入っている。
今彼の瞳は呪いの影響で濁っている、という事になっているため外側に本当の瞳の色の石が使われているのはおかしいという事になってしまう。
彼の指にはめる指輪には俺の色の石が付いている。
自分で作ったのだから知っている。
ただ、彼が選んだ色は黒いオニキスではなくて、俺に贈ったクラバットピンと同じ、くすんだスカイブルーだった。
お互いに指輪をとって薬指に指輪をはめ合う。
あつらえた物なので俺のつまんだ指輪はするりとルイスの薬指にはまった。
同じように俺の指にもその指輪がはまる。
その瞬間、指輪の文様がキラキラと光り出す。
まばゆい光は星の粒の様にあふれ出して上にむかってあふれ出る。
同時に、ルイスの体にある文様が光の粒と同じ色に輝きだす。
奇跡が大切だとルイスは言った。
そして愛の奇跡だともっと力のあるものだと人は錯覚するらしい。
目の前で起きている光景がその愛の奇跡だと誤認されるようにここのところずっと準備をしてきた。
実際の解呪よりも幻想的な光景が大司祭と参列者の前に映し出されている。
ふわりふわり、ほどける様に王子の文様が光の粒になって消えていく。
参列者から息をのむ音が聞こえる。
今日ここで、愛の奇跡として第三王子の呪いはとける。
婚姻の誓いはしてしまったので、呪いが解けたからと言って別の婚約者との挿げ替えは難しいだろう。
そのための大司祭だ。
王子と目が合う。
瞳の色は王子の本来の色に変わる。
俺の指輪の裏側にある石と同じ色に。
呪いの色がなくなったルイスは一層、白い婚礼衣装が似合っている様に思えた。
ルイスと一歩一歩、大司教の元に並んで歩いていく。
列席者はまばらで、呪われた王子を隠すように王家が結婚を進めているのが分かる。
それでも参列者から「忌々しい」という囁き声が聞こえてうんざりとする。
ちらりとルイスを見る。
相変わらず婚礼衣装から見える首も顔にも呪いの文様が浮かんでいて表情は視覚情報からは読み取れない。
だけど、自分と一緒で少しだけわくわくしてしまっているだろうと短い時間しか生活を共にしていないけれどそう思う。
断罪、そう言われる行為になるのかもしれないし、人の人生を変えてしまうかもしれない。
それはわかっているのに気分が高揚してしまう。
勿論これで結婚をするということに対する高揚感もあるけれど、自分の性格があまりよろしくないということを改めて思った。
祭壇の前で待つ大司教の前まで進み出た。
大司教が祝詞を唱える。
それから、お互いに永久の愛を誓いますか?と聞かれ「はい」と答えた。
それから準備されていたリングピローに乗った指輪が運ばれてくる。
この日のために作った指輪だ。
ルイスのリクエストでお互いの指輪にはお互いの瞳の色の石が裏側に入っている。
今彼の瞳は呪いの影響で濁っている、という事になっているため外側に本当の瞳の色の石が使われているのはおかしいという事になってしまう。
彼の指にはめる指輪には俺の色の石が付いている。
自分で作ったのだから知っている。
ただ、彼が選んだ色は黒いオニキスではなくて、俺に贈ったクラバットピンと同じ、くすんだスカイブルーだった。
お互いに指輪をとって薬指に指輪をはめ合う。
あつらえた物なので俺のつまんだ指輪はするりとルイスの薬指にはまった。
同じように俺の指にもその指輪がはまる。
その瞬間、指輪の文様がキラキラと光り出す。
まばゆい光は星の粒の様にあふれ出して上にむかってあふれ出る。
同時に、ルイスの体にある文様が光の粒と同じ色に輝きだす。
奇跡が大切だとルイスは言った。
そして愛の奇跡だともっと力のあるものだと人は錯覚するらしい。
目の前で起きている光景がその愛の奇跡だと誤認されるようにここのところずっと準備をしてきた。
実際の解呪よりも幻想的な光景が大司祭と参列者の前に映し出されている。
ふわりふわり、ほどける様に王子の文様が光の粒になって消えていく。
参列者から息をのむ音が聞こえる。
今日ここで、愛の奇跡として第三王子の呪いはとける。
婚姻の誓いはしてしまったので、呪いが解けたからと言って別の婚約者との挿げ替えは難しいだろう。
そのための大司祭だ。
王子と目が合う。
瞳の色は王子の本来の色に変わる。
俺の指輪の裏側にある石と同じ色に。
呪いの色がなくなったルイスは一層、白い婚礼衣装が似合っている様に思えた。
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