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宗吾さんが体を起こして、それから僕の体を抱き起した。

キスをされる。
宗吾さんの口の中にはまだ、僕の吐き出したものが残っている。

宗吾さんの精液と違って、甘くもなく美味しいと思えるものでもない。
一旦唇を離した宗吾さんが「人間のものと違って淫魔の体液は生臭くないよね」と言われて驚く。

別に、人間の体液も生臭くはないだろうと不思議に思うと、宗吾さんは「人間と淫魔の感覚の違いかなあ」と言いながら再びキスをして、舌を僕の口内に差し入れた。

宗吾さんの唾液の味があまりしない舌が僕の舌に絡む。
性行為をしてるんだっていう感覚が強い口づけだ。

これはキスというよりも捕食だ。
捕食者と被食者が入れ替わっているみたいな気分になる。

宗吾さんからの愛を食べているのだから捕食者は多分僕だ。

だけど、今その立場が逆転しているみたいな、そんな感覚がする。

宗吾さんになら食べられたいなんて、少しだけ思う。

僕の体液を飲み込ませられながら、少しずつ宗吾さんの唾液も口内に塗り付けられる。
舌を差し出しながら、上あごのボコボコした部分を舐めあげられることに陶酔する。

じくじくと下肢が疼く様だ。

もう、早く。という感覚は空腹からではない。
ただ、目の前にいる好きな人と早く繋がりたくてたまらなかった。


入れて欲しいと強請ればいいのか。自分の体を貫いて欲しいと言葉にすればこの人は叶えてくれるのだろうか。

ただ、唇はこのまま離したくなくて、もっとと強請る様に舌を宗吾さんへとのばしてしまう。

もう、自分の白濁の味かどうかよくわからなくなってしまった口内からはぼたぼたと唾液が垂れる。

腰が、かくかくと浅く揺れてしまっていることに、多分宗吾も気が付いている。
それでも何も言わない上に、宗吾さんの腕は僕の背中を撫でるばかりで、そこに触れてすらくれない。

自分で言えと言う事だろうか。
どうしようか。と思う。

中を広げて欲しいと思う。奥をコツコツと突いて欲しい。
浅ましい欲望を口にしていいのだろうか。
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