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【第一章】 新生活編
【第十五話】 冒険者登録完了
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契約書にサインをすると、受付嬢は笑顔で続けた。
「この契約書は複写になってますので、一枚はセキトさん自身で保管しておいて下さいね」
「は、はい・・・・・・」
契約が終わったので、今度は冒険者カードという物を作ることになった。
受付嬢はカウンターの裏手から石版を持ってきて、台の上に置く。
「この石版に利き手で触れると、冒険者カードが作成されます」
受付嬢が手を置くように促すので、僕は右手を石版に置いた。
見た目はただの石版で、触り心地もひんやりとしている。
すぐに石版から淡い光が溢れ、そしてすぐに光が消えた。
「はい、もう手を離して大丈夫ですよ」
言われた通り手を離すと、今度は受付嬢が手のひらサイズの金属製の薄い板を、石版に乗せた。
その板には、何も書かれてはいない。
「おっ・・・・・・」
石版に乗せてすぐに、板に文字が彫られていく。
僕のフルネームや年齢、そして冒険者ランク。
他にもスキル名や、【二つ名】などという項目があったが、そこは空白だった。
「お待たせしました、こちらがセキトさんの冒険者カードです。冒険者として自分の身分を証明する大切なものなので、無くさないように気を付けてください」
僕は冒険者カードを受け取り、そのまま胸ポケットにしまった。
「これで、必要な手続きは全て終了しました。もし何か分からない事があっても、この受付カウンターでいつでも承っておりますので、何なりとご相談ください」
あっさりと手続きが終わったなと思ったが、キャンペーン券のことを思い出して早速話しをしてみた。
「あ、あの、今朝の新聞に、これがあったのですけど・・・・・・」
なかなか緊張がほぐれなかったが、何とか噛まずに言いきれるようにはなってきた。
「あっ、アイテムポーチのキャンペーン券ですね。ご利用ありがとうございます」
受付嬢は明るく微笑むと、キャンペーン券を受け取って裏方に消えた。
受付カウンターは他にも並んでいて、それぞれに受付嬢が対応していた。
どれもクエスト受注の手続きばかりなようで、冒険者の回転は早い。
僕が居る受付カウンターには、時間が掛かっているためが、後ろには誰も並んではいなかった。
おかげで、順番待ちのプレッシャーを受けずに済む。
ほどなくして、受付嬢が戻ってきた。
「お待たせしました。こちらがキャンペーンで配布しております、アイテムポーチです」
差し出されたポーチは、ごく普通のポーチだった。
特に凝ったデザインなどではなかったが、表からは見えない所に、【冒険者ギルド】と刺繍がしてあった。
「こちらは冒険者のランクに応じて容量が増減する仕様が施されておりますので、是非ランク昇格に挑んでくださいね」
僕は早速受け取ったアイテムポーチを装着した。
軽い素材で、着け心地に問題は無い。
「早速、クエストボードからクエストを受注出来ますので、是非ご利用くださいね。以上、受付嬢のエリセアでした!」
最後に、一層明るい笑顔を向けてお辞儀をした。
僕もお礼を述べて、カウンターをあとにする。
緊張で、脇汗がぐっしょりだ。
クエストの度にこうやって受付嬢とやり取りしなければならないのかと思うと、少し億劫だった。
「この契約書は複写になってますので、一枚はセキトさん自身で保管しておいて下さいね」
「は、はい・・・・・・」
契約が終わったので、今度は冒険者カードという物を作ることになった。
受付嬢はカウンターの裏手から石版を持ってきて、台の上に置く。
「この石版に利き手で触れると、冒険者カードが作成されます」
受付嬢が手を置くように促すので、僕は右手を石版に置いた。
見た目はただの石版で、触り心地もひんやりとしている。
すぐに石版から淡い光が溢れ、そしてすぐに光が消えた。
「はい、もう手を離して大丈夫ですよ」
言われた通り手を離すと、今度は受付嬢が手のひらサイズの金属製の薄い板を、石版に乗せた。
その板には、何も書かれてはいない。
「おっ・・・・・・」
石版に乗せてすぐに、板に文字が彫られていく。
僕のフルネームや年齢、そして冒険者ランク。
他にもスキル名や、【二つ名】などという項目があったが、そこは空白だった。
「お待たせしました、こちらがセキトさんの冒険者カードです。冒険者として自分の身分を証明する大切なものなので、無くさないように気を付けてください」
僕は冒険者カードを受け取り、そのまま胸ポケットにしまった。
「これで、必要な手続きは全て終了しました。もし何か分からない事があっても、この受付カウンターでいつでも承っておりますので、何なりとご相談ください」
あっさりと手続きが終わったなと思ったが、キャンペーン券のことを思い出して早速話しをしてみた。
「あ、あの、今朝の新聞に、これがあったのですけど・・・・・・」
なかなか緊張がほぐれなかったが、何とか噛まずに言いきれるようにはなってきた。
「あっ、アイテムポーチのキャンペーン券ですね。ご利用ありがとうございます」
受付嬢は明るく微笑むと、キャンペーン券を受け取って裏方に消えた。
受付カウンターは他にも並んでいて、それぞれに受付嬢が対応していた。
どれもクエスト受注の手続きばかりなようで、冒険者の回転は早い。
僕が居る受付カウンターには、時間が掛かっているためが、後ろには誰も並んではいなかった。
おかげで、順番待ちのプレッシャーを受けずに済む。
ほどなくして、受付嬢が戻ってきた。
「お待たせしました。こちらがキャンペーンで配布しております、アイテムポーチです」
差し出されたポーチは、ごく普通のポーチだった。
特に凝ったデザインなどではなかったが、表からは見えない所に、【冒険者ギルド】と刺繍がしてあった。
「こちらは冒険者のランクに応じて容量が増減する仕様が施されておりますので、是非ランク昇格に挑んでくださいね」
僕は早速受け取ったアイテムポーチを装着した。
軽い素材で、着け心地に問題は無い。
「早速、クエストボードからクエストを受注出来ますので、是非ご利用くださいね。以上、受付嬢のエリセアでした!」
最後に、一層明るい笑顔を向けてお辞儀をした。
僕もお礼を述べて、カウンターをあとにする。
緊張で、脇汗がぐっしょりだ。
クエストの度にこうやって受付嬢とやり取りしなければならないのかと思うと、少し億劫だった。
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