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【第一章】 新生活編
【第十話】 宝石図鑑の使い方
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僕は疲労感を感じながらも、【宝石図鑑】の使い方を色々と試したみた。
宝石の名前を視界に表示させるような要領で、本に意識を集中させたり、指先で真っ白のページをなぞったりもした。
しかし、【宝石図鑑】には何の変化も現れなかった。
「う~ん、【宝石図鑑】って題名なんだから、宝石に関する事が起きると思うんだけどなぁ・・・・・・」
夜も更けてきたので、僕は【宝石図鑑】のページを広げたまま、諦めてベッドに横になった。
明日からは、仕事を探さなくてはならないのだ。
とは言っても、大体の目星は付けていた。
街の大通りを歩いている時に、【冒険者ギルド】を見付けたのだ。
様々なクエストを斡旋している【冒険者ギルド】ならば、僕でも出来る仕事が何かあるのかもしれない。
とりあえず、明日の朝一に話しを聞きに行くつもりだった。
仰向けになったまま、おもむろに【アパタイト】を手に取って頭上に掲げた。
やっぱり、ワトからもらった時よりも少し小さくなっている。
触れている宝石に意識を集中させると、その宝石の名前が分かる。
そして【アパタイト】の場合、意識すると冷気を発するようになる。
今のところ分かっているのは、これくらいだった。
どうやったら池の水の一部を凍結させるくらいの威力を出せるのか。
それはまだ分からなかった。
試しに軽く空中に投げたり、部屋の壁に向かって当てたりしてみたけど、何も起こらない。
コツン。
「あれ、どこいった?」
壁に当たって弾かれた【アパタイト】を、うっかり見失ってしまった。
少し面倒に思いながら、僕は体を起こして部屋を見渡した。
多分床に転がってったと思うけれど・・・・・・。
しばらく探したけれど、【アパタイト】は見付からない。
「おかしいな・・・・・・、あれ?」
改めて部屋を見渡した僕の視線が、広げたままの【宝石図鑑】に止まった。
さっきまで真っ白だったページに、何か書かれている。
「これは・・・・・・、【アパタイト】についての解説じゃないか」
すごい発見をしてしまった気分だった。
そのページには、【アパタイト】に関する様々な情報が記載されていた。
見開きの片方には【アパタイト】のイラストが、もう片方には文字で情報が書かれている。
名前はもちろん、レア度や入手方法、石言葉など、内容はかなり詳しかった。
しかし、どうして急に文字が書かれたのだろう。
不思議に思いながら、僕はページに手をかざす。
「えっ」
不思議な現象はまだまだ続く。
何のつもりも無く手をかざしたら、ページが輝き、光の中からさっき失くした【アパタイト】が出てきたのだ。
宝石の名前を視界に表示させるような要領で、本に意識を集中させたり、指先で真っ白のページをなぞったりもした。
しかし、【宝石図鑑】には何の変化も現れなかった。
「う~ん、【宝石図鑑】って題名なんだから、宝石に関する事が起きると思うんだけどなぁ・・・・・・」
夜も更けてきたので、僕は【宝石図鑑】のページを広げたまま、諦めてベッドに横になった。
明日からは、仕事を探さなくてはならないのだ。
とは言っても、大体の目星は付けていた。
街の大通りを歩いている時に、【冒険者ギルド】を見付けたのだ。
様々なクエストを斡旋している【冒険者ギルド】ならば、僕でも出来る仕事が何かあるのかもしれない。
とりあえず、明日の朝一に話しを聞きに行くつもりだった。
仰向けになったまま、おもむろに【アパタイト】を手に取って頭上に掲げた。
やっぱり、ワトからもらった時よりも少し小さくなっている。
触れている宝石に意識を集中させると、その宝石の名前が分かる。
そして【アパタイト】の場合、意識すると冷気を発するようになる。
今のところ分かっているのは、これくらいだった。
どうやったら池の水の一部を凍結させるくらいの威力を出せるのか。
それはまだ分からなかった。
試しに軽く空中に投げたり、部屋の壁に向かって当てたりしてみたけど、何も起こらない。
コツン。
「あれ、どこいった?」
壁に当たって弾かれた【アパタイト】を、うっかり見失ってしまった。
少し面倒に思いながら、僕は体を起こして部屋を見渡した。
多分床に転がってったと思うけれど・・・・・・。
しばらく探したけれど、【アパタイト】は見付からない。
「おかしいな・・・・・・、あれ?」
改めて部屋を見渡した僕の視線が、広げたままの【宝石図鑑】に止まった。
さっきまで真っ白だったページに、何か書かれている。
「これは・・・・・・、【アパタイト】についての解説じゃないか」
すごい発見をしてしまった気分だった。
そのページには、【アパタイト】に関する様々な情報が記載されていた。
見開きの片方には【アパタイト】のイラストが、もう片方には文字で情報が書かれている。
名前はもちろん、レア度や入手方法、石言葉など、内容はかなり詳しかった。
しかし、どうして急に文字が書かれたのだろう。
不思議に思いながら、僕はページに手をかざす。
「えっ」
不思議な現象はまだまだ続く。
何のつもりも無く手をかざしたら、ページが輝き、光の中からさっき失くした【アパタイト】が出てきたのだ。
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