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【第一章】第一次セトラ村攻防戦
【第十二話】僕の身体能力
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夜通し、僕は走り続けた。
村はもう、目前だった。
休むことなく走り続けたにも関わらず、大して苦しくはなかった。
少しだけ息が弾んでいる程度だ。
やはり、僕の身体に何かが起こっている。
走りながらそう思ったが、何故なのかはやはり分からない。
村の所々から、土煙が上がっているのが見えた。
自警団と王国軍が、戦っているのか。
そのままの勢いで、村に入った。
何も考えず剣を抜き、自警団の顔を探した。
居た。
村の真ん中にある一番広い広場で、自警団がひと塊になって槍を突き出している。
そしてその周りを、かなりの数の騎馬が包囲していたのだ。
逃げ道を失って、逃げれないでいたのだ。
その状況だけを確認し、僕はまた駆け出した。
すぐ近くにいた騎馬に向かい、跳んだ。
跳びながら斬り込むつもりだったが、思ったよりも高く跳躍したので、そのまま馬上の兵に剣を振り下ろした。
「ぐわぁっ」
振り下ろした剣は兵の片腕を斬り落とした。
周りの兵士が、一斉に僕を向く。
「なんだ、隠れてやがったのか!」
「小賢しい、殺せ!」
あっという間に数騎に囲まれ、槍やら剣やらを突き出される。
まずい、殺される。
何も考えずに飛び出したのが、悪かったのか。
改めて考えてみれば、僕は剣で人と戦ったことなど無いのだ。
しかし、もう遅い。
このまま槍に突かれ、剣に斬られ、死ぬのだ。
「カイト!」
カシュカの声だ。
そう認識した途端、身体に活力のような力が蘇ってきた。
死ぬものか。
死んでたまるか。
突き出されてくる武器が、不思議と遅く感じた。
躱せる。
槍や剣を全て避けて、何とか体勢を立て直した。
跳ぶ。
やはり、自分が思うよりもはるか高くまで跳躍出来る。
馬上に居たはずの兵が、目線より下にいるのだ。
そのまま、届く範囲の兵に剣を振り下ろす。
それからは、無我夢中だった。
自警団のみんなも何とか反撃を開始し、騎馬隊は崩れていた。
僕も、ほとんど覚えていないが、何人かの兵を倒した気がする。
気付けば、近くに敵は居なくなっていた。
「おい、カイト」
カシュカが、僕の肩を揺らす。
「カシュカ」
息を弾ませながら、何とかそれだけは声に出した。
「なぜここに居る。山に避難したんじゃないのか」
カシュカは、腕に怪我を負っていた。
「分からないけど、不思議と身体が動くんだよ」
一晩走り続けても疲れない体力と言い、馬よりも高く跳躍出来る脚力、そして反射神経。
多分言っても、信じて貰えないだろう。
僕自身、まだ飲み込めていないのだ。
「おいカシュカ! 歩兵がすぐそこまで迫っているぞ。騎馬と合流している!」
櫓にいる自警団の人が、そう叫んだ。
「これ以上は持ち堪えられない、みんな退くぞ!」
村はもう、目前だった。
休むことなく走り続けたにも関わらず、大して苦しくはなかった。
少しだけ息が弾んでいる程度だ。
やはり、僕の身体に何かが起こっている。
走りながらそう思ったが、何故なのかはやはり分からない。
村の所々から、土煙が上がっているのが見えた。
自警団と王国軍が、戦っているのか。
そのままの勢いで、村に入った。
何も考えず剣を抜き、自警団の顔を探した。
居た。
村の真ん中にある一番広い広場で、自警団がひと塊になって槍を突き出している。
そしてその周りを、かなりの数の騎馬が包囲していたのだ。
逃げ道を失って、逃げれないでいたのだ。
その状況だけを確認し、僕はまた駆け出した。
すぐ近くにいた騎馬に向かい、跳んだ。
跳びながら斬り込むつもりだったが、思ったよりも高く跳躍したので、そのまま馬上の兵に剣を振り下ろした。
「ぐわぁっ」
振り下ろした剣は兵の片腕を斬り落とした。
周りの兵士が、一斉に僕を向く。
「なんだ、隠れてやがったのか!」
「小賢しい、殺せ!」
あっという間に数騎に囲まれ、槍やら剣やらを突き出される。
まずい、殺される。
何も考えずに飛び出したのが、悪かったのか。
改めて考えてみれば、僕は剣で人と戦ったことなど無いのだ。
しかし、もう遅い。
このまま槍に突かれ、剣に斬られ、死ぬのだ。
「カイト!」
カシュカの声だ。
そう認識した途端、身体に活力のような力が蘇ってきた。
死ぬものか。
死んでたまるか。
突き出されてくる武器が、不思議と遅く感じた。
躱せる。
槍や剣を全て避けて、何とか体勢を立て直した。
跳ぶ。
やはり、自分が思うよりもはるか高くまで跳躍出来る。
馬上に居たはずの兵が、目線より下にいるのだ。
そのまま、届く範囲の兵に剣を振り下ろす。
それからは、無我夢中だった。
自警団のみんなも何とか反撃を開始し、騎馬隊は崩れていた。
僕も、ほとんど覚えていないが、何人かの兵を倒した気がする。
気付けば、近くに敵は居なくなっていた。
「おい、カイト」
カシュカが、僕の肩を揺らす。
「カシュカ」
息を弾ませながら、何とかそれだけは声に出した。
「なぜここに居る。山に避難したんじゃないのか」
カシュカは、腕に怪我を負っていた。
「分からないけど、不思議と身体が動くんだよ」
一晩走り続けても疲れない体力と言い、馬よりも高く跳躍出来る脚力、そして反射神経。
多分言っても、信じて貰えないだろう。
僕自身、まだ飲み込めていないのだ。
「おいカシュカ! 歩兵がすぐそこまで迫っているぞ。騎馬と合流している!」
櫓にいる自警団の人が、そう叫んだ。
「これ以上は持ち堪えられない、みんな退くぞ!」
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