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溝 ◆ルイ
しおりを挟む真木は照明を常夜灯にし、軽いキスをして「おやすみ」と言って僕の頭をひと撫でしてから、並べて敷いてある布団の片方へと横たわった。
昨日と一昨日と同じ行動。
真木はまだ性的な触れ合いをする気はないらしい。
昨日今日と真木とずっと一緒にいられて心は満たされている。
しかし体の方は肌に触れることを渇望しており、初めて真木のモノを咥えた時の感動を思い出して、下半身が熱くなっていた。
二組の布団はくっついている。
真木は寝付けないのか何度か寝返りを打ち、最終的にこちらに顔を向けるように横臥した。
手を伸ばせば届く距離だ。
真木に触れたい。
堅くて熱い中心に舌を這わせたい。
どろどろとしたものを飲み込みたい。
僕は欲望のままに動いた。
なるべく音をたてないように近付き、そっとタオルケットを捲って真木の中心へと手を伸ばした。
「っ、ルイ!?」
真木の焦った声がするが、構わずそこをまさぐる。
暑がりの真木はTシャツとトランクスしか身に付けていない。
ウエスト部分から手を忍ばせトランクスから陰茎を抜き出した。
真木のそこは勃っていた。僕が触ったからではなく、初めから。
寝付けず寝返りを打っていたのではなく、ここを滾らせていたからなかなか眠ることが出来なかったのだろう。
僕とこういった事になる期待をして勃起させていたのかもしれない。もちろん、ただの生理現象の可能性もあるが、その妄想は僕の行動を後押しした。
優しく握り、擦りながら先端にキスをし舌を這わせていく。
無味無臭だ。
それを少し残念に思いながら懸命に舌を這わせ、睾丸に吸い付き、手を動かした、
真木からは時折、吐息が聞こえてくる。真木が気持ちいいと、僕まで気持ちがいい。
股間はもうすでに堅く勃起し、先走りの汁まで垂れ自分の太ももを濡らしている。
真木からも先走りの汁が溢れてきた頃、僕は陰茎を咥えた。初めはゆっくりと。徐々にスピードを上げると真木から悩ましげな声が聞こえ始めた。
僕の口の中の物体は今にも弾けそうに張り詰めている。
「ルイっ、もう……ッ」
呻くように名を呼ばれ、直後に吐き出された精を僕は恍惚としながら飲み干した。
名残惜しく尿道に残る精液もちゅうちゅうと吸い出していると腰を引かれた。
陰茎は口から抜け、取り上げられた僕は寂しい気持ちになり真木の顔を見た。
薄暗闇の中、目が合うと真木は小さく吐息を漏らし、その後、僕は押し倒された。
パジャマ代わりのハーフパンツはボクサーブリーフと共にずり下げられ足から抜かれた。
そしてすぐさま股間が温かい湿った感触に包まれた。
快感と幸福感で体が震え、そのまま身を任せて目を瞑ろうかと思ったが、僕のモノをしゃぶる真木の顔が見たくて肘を突いて半身を少しだけ起こした。
薄暗くとも、ぎらついた光を放った真木の瞳が確認できた。
貪るように口淫する真木は野生の肉食動物のようで美しいと思った。
そんな真木の姿を見ていたら、限界はすぐにやってきた。
出そうなことを告げても真木の口は離れず、最後の一滴まで飲み干された。
乱れた僕は唾液を口の端から垂らしながら喘いだ。
快感の大きな波が去っても、さざ波のようにぶり返す幸福感と余韻。それは真木が僕のモノを口から出した後にも続いた。
目の奥が光で点滅し、夢の中にいるように暫く惚けていたが、寝転んでいる隣で真木が僕を覗き込み、頭を撫でていることに気付いた。
合わない視点をなんとか合わせ見つめると、ホッとしたように微笑まれた。
「また失神させたかと思って心配した」
「ごめ、……でも、すごく、きもち、良くて」
「そうか。良かったな」
「うん」
真木は満足げに微笑んだ。
真木に口淫をされたのは二度目だが、一回目は罪悪感と虚しさに苛まれながら、ただ出しただけだった。
自分の気持ちが伴うだけで、これほどまでに感覚が違うものなのかと正直驚いている。
「寝るか」
スマホで時刻を確認した真木にそう言われ、僕は頷いたのだが、真木にぷっと吹き出すように笑われた。
「すげー不服そうな顔」
またもや勝手に表情筋が動いたらしい。
恥ずかしくて両手で顔を隠すと、真木の笑い声は止み、ごそごそと衣擦れの音がした。
その後に自分の服が捲り上げられ、驚き顔から手を離すと、そのままバンザイをさせられ着ていたシャツを脱がされた。
見ると真木もTシャツを脱いでおり、二人は全裸になっていた。
「ルイ、もうちょっと、イチャイチャしようか。 上に、乗れよ」
真木の提案が嬉しくて、がばりと半身を起こしたが、乗れと言われたもののどうしたらいいかがわからなかった。結局、真木の傍らに膝を突いたまま横になっている真木を見つめた。
すると「早く」と腕を引っ張られ抱き寄せられるとキスをされた。
キスを繰り返しながら、真木は僕の体を更に引き寄せ自分の上へと誘導した。
固く抱かれて隙間無くみっちり絡み合う肌のあちこちが気持ちいい。
特に陰茎同士がぶつかると、あられもない声が出てしまう。
僕は出したばかりだというのに、またそこを堅くしてしまった。真木も勃起している。
「ン……っ、真木っ……きもち、い」
「ああ……ヤバイな」
真木の少しハスキーな『ヤバイ』は僕の脳を蕩けさせ、さらに僕の中心の後ろ側を擽った。
疼いたそこがヒクヒクと動く。
自分では止められない動きに悶えモゾモゾと真木の上で体を動かすと中心同士が擦れ合って、また真木は切なく囁いた。
「こら、あんまりすると、止めらんなくなるぞ」
まるで僕の為に真木が我慢しているかのような言い分に、胃のあたりがきゅうと甘く痛んだ。
後ろの疼きは酷くなるばかりて腰の動きは止められなかった。
先走りと汗のせいでそこからはぬちゅぬちゅと淫靡な音がしている。
気持ちが昂ってどうしたらいいかわからないのに、体は勝手に動いた。
僕は真木の胸に手を突き体を起こすと腰の位置をずらした。
真木のいきり勃った熱いモノが尻の溝に収まる。
僕が「ふう」と感嘆を漏らすと、ごくりと喉の鳴る音が近くで聞こえた。
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