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繋がりたい ★真木

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あと、6日。

今日はルイの母親から連絡が来た。
プロジェクトは無事に成功したそうで、俺は丁寧な礼を言われた。

予定通り7日後の朝、ルイを迎えに来るそうだ。
ルイも母親と直接話をした。
とても他人行儀に、まるで業務連絡のような会話で当日の打ち合わせをしていた。


ルイが出ていっても、この部屋は引き払わない予定らしい。

復学する時には、この部屋に戻って来たいとルイが強く希望したから。

母親の話では、この部屋の家賃はルイが自分で払っていたそうで賃貸契約の保証人にはなったがそれ以外はノータッチとのことだった。
ルイは高校も大学もバイトをしていなかったけど、もしかしたら遺産相続か何かの金があるのかもしれない。

大学にはこれから事情を話して休学の手続きをするらしい。
ヘルパーや家庭教師の手配も済んでいるようだ。

着々と準備が進んで、本当にルイとの共同生活の終わりが近付いてることを実感した。

寂しいけど、ルイの未来の為には必要なことだ。

俺ではルイの家庭教師としては力不足だし、夏休みが終われば時間も取れない。
ルイもそれがわかってるから、本当は母親のところには行きたくなくても、そういった愚痴やワガママを俺に言わない。

でもやっぱり日にちが差し迫ってくると不安があるのか、母親と話した日の夜、いつもとは少し様子が違った。

残り少ない時間を埋めるように、ルイは俺との触れ合いに濃密さを求めた。
キスをして手や口で抜き合う行為だけしゃなく、もっと俺と近付きたい、と溢した。すなわち、セックスがしたい、と。

ルイは俺が『物足りなくなる』ことに怯えている節がある。離れ離れになる不安で今回もそんなことを言ってるんだと思った。
今のままで十分満たされてる、そう告げたが、ルイは納得しなかった。

「やっぱり僕、真木君と繋がりたい」

真剣な顔で俺の目をじっと見ながらそう言われると、基本チョロい俺はさっきまでチンコを触り合っていた余韻もあって『ああ』と頷きたくなった。
でも既のところで我慢した。

「俺は焦らなくていいと思う。それに多分、凄く痛いはずだぞ?」
「痛くてもいい。真木君と繋がれるなら。それに、よく解せば痛くないって。腕も入るくらい広がる人もいるみたい」
「……う、腕?」
「うん。こう、手をグーにして入れてた」

ルイは握りこぶしを作って俺に見せた。
痛いという言葉にも怯むかと思いきや、ルイの言葉とジェスチャーに俺が怯まされてしまった。

「……どこでそんなの知ったんだよ」
「スマートフォンで調べた」

確かに最近ルイはスマホをよく弄ってた。真剣な顔して。
友人たちと熱心にメッセージのやり取りをしてるんだな、なんて思ってたけど、アナルセックスについて調べていたとは。

「腕を入れるのはかなり特殊なケースだと思うけど」
「そうかも。僕のお尻に真木君が腕を入れても気持ち良くないもんね。だったら、やっぱりおちんちんを入れるしかないよ」
「そうか。やっぱり腕よりチンコだよな―――って、言わねーよ!」

腕かチンコかって二択で悩んでたんだっけ?なんて一瞬思ったけど踏み止まった。
危ない。流されるところだった。

けど、ルイは別の手で俺を揺さぶってきた。

「……真木君。僕、ずっと真木君と繋がりたいって気持ちで頭がいっぱいなんだ。自分ではどうにも出来ないくらい。……お願い。真木君のおちんちんで僕の体の奥を触ってほしい」

ルイが真っ赤な顔して言ったヤバイ言葉に、チンコがビクンって反応した。今日はもう二回出したってのに。

でも想像しちゃダメだって思ってたことをルイの口から言われたんだから興奮しないワケがない。

それでもやっぱり躊躇する。
よく解せば痛くないって言うけど、よく解す段階が痛いんじゃないだろうか。童貞の俺にルイのアナル開発なんて出来んのか?痛い思いをさせるのは可哀想だ。

それに記憶を失う前のルイに承諾も得ずにしていいのかって問題もある。
散々エロいことしといて何怖じ気づいてんだって話だけど、実際に最後の一線を越えるとなると少しの憂いも気にかかる。

「やっぱ、ダメだって」
「……お願い」
「……」
「僕が嫌い?」
「そんなわけあるか。大好きに決まってんだろ」
「じゃあ、お尻が嫌? 真木君、お尻に全然触ってくれないよね」
「……我慢、してるだけで、触りたくないワケじゃ……あっ、ルイっ、ダメだって」

ルイは俺の手を取って自分の尻に持っていった。
ルイの裸の尻に手に触れ丸みを感じた。心臓がチンコに血を送るドクドクという音が聞こえる。

「お願い、真木君。触って」

俺は数秒だけ葛藤したような顔をしてルイの『お願い』に応えた。尻を撫でて掴んで割れ目に指を這わせて蕾に触れた。
初めて触れた場所は少しだけ汗で湿ってて、しっとりとした感触に感動を覚えた。

――ここが、いずれ俺を受け入れてくれる場所。

ふう、と思わず感嘆を漏らしてしまった。

ヒダのぽこぽことしたひっかかりを指で楽しみながら優しく撫でるとルイの腰が揺らめいた。

「あ、ン……真木君」
「……するのは、ここが十分に解れてからな。多分解れるまでには何日か、かかる…と思う」
「わかった」
「……中の洗浄は、出来る…よな?」

ルイは以前は日常的に腸内洗浄をしていたはず。
記憶を失くしても『手続き記憶』として無意識に行ってしまうほど。
健康法なのか過度な清潔への拘りなのか理由はわからないけど、こんな風に役に立つなんて、と少し罪悪感が湧いた。

「あ、うん。わかった。ちょっとだけ待ってて」

ルイは風呂場へ向かおうと体を離そうとした。でも俺は無意識にそれを引き留めてしまった。

「真木君?」
「ルイ、あ、えっと」

ルイはきょとんとした顔をしてる。俺も洗浄してこいって言ったくせに何で引き止めたのかわからない。
でも、勝手に体が動いてしまった。
そして口も。

「ルイ、俺のことなんか好きになってくれて、ありがとう、な」
「真木君……なんか、なんて言わないで。真木君は凄くかっこいいよ。いつだって僕の一番だし、何回生まれ変わっても真木君だけを僕は好きになる自信があるから」

淀みなくそう言われて胸が詰まった。こんなことを言ってくれるのはきっとルイだけ。俺の幸せって、ここにあったんだなって思った。
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