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しなくていい ★真木
しおりを挟むエアコンの冷風がベタつく体を乾かし始めてる。表面温度は下がったが、ルイの右手の中にいる俺の中心の温度は下がらない。
少し落ち着かないけど、離したくないって執着が現れてるようで気分は悪くない。
「真木君の、またおっきくなってきたね」
俺の耳元で俺のチンコの状況を説明するルイにぞくぞくして、更にチンコは質量を増した。
「……しょうがねーだろ。体がくっついてんの、気持ちいいんだから」
「そっか……」
嬉しさが含まれてそうな返事だったけど、どこか歯切れが悪いのはさっきまでしていた会話のせいなんだろう。
「あのさ、さっきの話の続きだけど、男同士でも性行為って、実は出来るんだ。もちろん、子供は出来たりしないけど、繋がることは出来たりする」
「ほんと!?」
ルイは俺の首もとに埋めていた頭を上げた。驚いたような顔をしてまん丸にした目を俺に向けて。
幼気な子供というほどは精神年齢が低くないはずだが、純真なルイの瞳を見ると、これから言う内容に少しだけ罪悪感と興奮を覚えた。
「……ここを使うんだ」
ルイを支えるように抱いていた手の場所を少しずらして小さな尻に触れた。ここに触るのは二度目だ。意図せずにゴクリと喉が鳴った。
「え、そこ!? 嘘。お尻におちんちん入れるの?」
「ああ、そうだ」
「だって、ここって出すところ……」
驚き過ぎたのか怯えたのか、どちらかはわからないけど、ルイは固まってる。
あわよくば…なんて考えてたことが申し訳なくなった。
尻に置いた手を元の場所まで戻すと、強張っていたルイの体から力が抜けた。
「恐がらせてごめんな。しなくていいから。俺はチンコを入れられたいとは思えないし、嫌がるルイに入れるのも嫌だから」
「でも…」
眉を下げて少し眉間にシワを寄せるルイ。そして何かを想像したのか顔が赤くなった。
ルイは迷ってる。
「無理すんな。さっきも言ったけど俺はフーゾクとか浮気とかは絶対にしない。性行為が出来なくても。だからルイは何にも心配することないよ」
「……でも、男の人同士が恋人だったらお尻でするのが普通なんだよね? だったら僕も――」
「いいって」
頭を撫でるとルイは泣きそうに顔を歪ませた。
「……しなくても、真木君はずっと僕の恋人?」
「もちろん」
「一生?」
「ああ」
"一生"なんて先のわかんないことを約束したがるのは人生経験が浅い子供特有のものなんだろう。
それに簡単に「ああ」なんて返事をしてしまう俺も子供染みてんのかもしれない。
でも、俺が先にルイに別れを告げることなんて想像できない。
ルイからの真っ直ぐな好意に心と性欲を揺さぶられて俺は恋に落ちた。
自分がチョロい奴って自覚はある。けど、心変わりするような人間でもない。
それに思い返してみれば、ルイより人間的に好きな相手なんて今まで現れてない。ルイがずっと一番の親友だった。
「ルイがお母さんのところに行っても、絶対に浮気なんてしないし毎日電話もするから」
「……うん」
「まだ不安なこと、あるか?」
不安なことなんて多分、俺の方がある。
この恋は前途多難だ。
ルイが復学するまでどれくらいかかるのか。
その間に俺の知らないところで、ルイは多くの人間と出会う。そのうちのどの人間より俺が一番でいられる、なんて保証はない。
それにルイが記憶を取り戻した後のことも考えれば不安どころか、この恋には終焉しか待ち構えてない。
それでも、ルイの記憶が戻らなければいいなんて願う人間にはなりたくない。
だから、この腕の中にルイがいてくれる今を憂いなんかで無駄にしたくなかった。
「まだ、ある」
「なんだ?」
「僕の記憶が戻って、真木君と暮らした記憶がもしかして失くなっちゃったとしても、真木君は恋人のままでいてくれる?」
自分の心の中を見透かしたかのような言葉にドキリとする。それでも動揺に気付かれないように「もちろん」と答えて、まだ不安げにしているルイにキスをした。
「真木君、好き」
合わせた唇の間から何度も俺への愛の言葉が漏れ出す。
セックスをしなくったって、先の見えない恋だっていい。俺に愛しいって気持ちを教えてくれたルイが幸せなら。
「俺も好きだよ」
チンコが快感に包まれる。ルイが今まで掴んでいるだけだった俺のチンコを緩く扱き始めた。
俺もルイの股間をまさぐってチンコを取り出した。
ルイのもがっちり勃起してた。パンツから勢いよくプルンと出てきて俺のチンコとぶつかって、二人同時に吐息を漏らした。
二本を合わせてルイの右手と俺の右手で一緒に扱いた。二人のチンコがぴったりとくっついてんの見たらやけに興奮した。
暫くすると互いの先走りの汁が合わさってぬるぬるになって手の動きが滑らかになった。
滑るチンコで感じるルイの手とチンコの感覚が最高に気持ちがいい。
「ん……真木、くっ、……これ、アッン、気持ち、いいっ、ね」
ルイも気持ちがいいらしい。
男同士だからどんな風に気持ちがいいのか感覚の共有が出来る。
同じ快感を得ている、そう認識すると快感は倍になって襲ってきた。
ルイが気持ちいいと俺も気持ちいい。当たり前のようで当たり前じゃない現象に心とチンコがときめく。
「ルイの、舐めたい」
勝手に口から出た言葉に驚きはしなかった。
今朝、ルイがもたらした口での愛撫は半眠状態でも気持ちが良かった。あの快感をルイにも味わわせたい。
「え……真木君が僕のを…? でも、だめ、僕、今日まだお風呂――」
『入ってない』まで聞かずにルイを抱き上げて自分の膝から下ろし、今までソファー代わりに座っていた布団を広げてその上に押し倒した。そして股間へと舌を伸ばす。
ルイの顔をチラリと見上げると、半分身を乗り出し真っ赤な顔でこっちを見てた。
「ンあ、真木君……!」
先っぽをペロリと舐めるとしょっぱい味がした。
匂いも雄の臭いというか1日活動した後という感じは否めない。
でも、これがルイのものなんだって思えば口に含むのだって平気だった。むしろ「お風呂…」とまだ恥ずかしそうにしてるのが、可愛くていい。
ルイの亀頭は、ルイが言うように俺より開きが小さい。その小さい括れの部分にも舌を這わせてペロペロと舐めてやるとルイの喘ぎ声が大きくなった。
「ここ、気持ちいいのか?」
舐めながら聞くと、ルイは快感でうっすらと涙を浮かべながら、こくりと頷いた。
「ヒッ、っ、気持ちが、あン、良くて、ふっ、も、出ちゃいそ、う」
「そうか。じゃあ、飲んでやるから出せ」
「えっ、あ、飲んでって……飲むの、いいのっ?……ンンッ真木君、からだに悪く、ないのッ、あ、アッ、や、咥えちゃダメッ、ひあ、あ、じゅぼじゅぼしないでッ、もう出ちゃう、出ちゃう、出ちゃうからッ―――真木君ッッンァ」
咥えて気持ちいいと言った括れのところを重点的にしゃぶると、ルイは間も無く体を震わせて吐精した。
俺はもったりと喉に絡み付くような液体を飲み干した。
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