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満たされる身体
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私も限界だった。
ヒカルの艶かしい声と息遣い。私を見つめる熱のある瞳。汗をかき、しっとりとした身体からは少しスパイシーな香りが漂い、官能が誘われる。彼の全てが私を昂らせている。
自身を挿入しようとヒカルの腰を掴んだところで、顔を見ながらしたい、と思った。
仰向けになり足を開いてほしいと言うと、ヒカルは潤ませた瞳で何か言いたげに私を見たが、その通りにしてくれた。
曝け出された花蕾にもう一度舌を這わせ、その間に自分のペニスにもローションをたっぷりと塗り付ける。
「ヒカル、入れるね。」
そう言い、汗で顔に張り付いた髪を手で梳いてやると、ヒカルが身体をビクンと跳ねさせた。髪に触れただけなのに、性感帯にでも触れてしまったかのような反応をされ、私の支配欲が満たされる。
てらてらといやらしく光る、そそり立った自身を見せつけるようにし、入り口に先端を押し付ける。ヒカルはそれを瞬きもせずに見ている。一度果てたばかりの彼のペニスは、また大きさを取り戻しつつある。それが僅かに前後に動いているのは、肛門の蠢きと連動しているからだろう。
本来、入ってくることを想定していないその場所は、異物を拒もうと抵抗する。しかし潤滑油をまとったペニスはそれに逆い中へと進む。
「っ、ァアッ、入って、くるッ、アンタのッ。」
亀頭の部分が収まったところで、痛いかと聞くと、首をブンブンと横に振られる。では気持ちいいのかと訊ねれば、恥ずかしげに首を縦に振った。
私も気持ちがいい。
亀頭にしがみついてくるように締め付けられ、まるでそこの部位に意思があるように思えてきて愛おしくなる。
最後まで挿入すべく、ぐっと力を入れて腰を押し付けると、ピリピリとした快感がせり上がってくる。ヒカルは息を乱しながらも必死にこちらを見ている。じっと、まるで一瞬たりとも私の行為を見逃したくないかのように。
その泣き顔にも似た、色っぽい顔の表情に当てられ、堪らず一気に奥までペニスを突き入れてしまった。きつい入り口、柔らかい肉の感触。ヒカルを最奥まで征服した悦びに私のペニスは震え、更に質量を増した。
「んあッ、ァアッ、ア、アーーー、アアァーッ。」
「っ、ごめん、痛かった?」
「ッ、ァアッ、ちッ、違う!…奥ッ、いいっ、ァアッ、アツいッ、俺ん中にッ、…アンタがいるなんてッ、ハァッ、信じ、らんねぇ。」
ヒカルが私に向かい手を伸ばしてきたので、それに応えて前屈みになる。ヒカルの手が首の後ろに回り、ぐっと引き寄せられ顔の距離が近くなる。じっと見つめ合っていると、ヒカルはキスをしてほしいと泣きそうな顔で言った。私が『おいで』と舌を出すと、餌の前で『待て』をさせられていた犬のように、勢いよく私の舌に吸い付いた。
深いキスをしながら、ぐっ、ぐっ、とペニスを動かすと私の口の中に、くぐもった喘ぎが吐き出された。
ヒカルに包まれている幸福感。ぬるぬると絡み合う舌も、抽挿によってゆさゆさと揺れる乳房の、固くなった先端が彼の腹に擦れるのも気持ちがいい。
「はぁあんっ、ヒカル、凄い、気持ちいいっ。ヒカルっ、ヒカルっ。」
「っ、俺もッ、アアアンッ、ヤバいッ、ヤバいッ~~~!ンンッ!!」
もっと激しく突きたくて、一旦唇を離すとヒカルが悲しそうな顔をした。なので舌の代わりに私の指を差し入れてやる。彼はそれをペニスにするように舐めてしゃぶった。その淫靡な姿に煽られて、勝手に腰が動いた。パンパンと音がするほど腰を尻に打ち付け、泡立ち白くなったローションが飛び散った。
「ゥアァッ、アーーッ、ヒッ、ア、ア、アアーーッ!」
強い締め付けと、身体を捻りながら、快楽に震えるヒカルの姿に射精感が込み上げてくる。
「ヒカルっ、もう、っ、出るっ。」
ヒカルと一緒に達したくて、目の前にあるペニスに触れる。手の中でピクピクと震えるペニスは、尿道口がパクパクと口を開け今にも射精しそうだった。私はそれを扱きながら、本能のままにヒカルの腸内を犯した。
「ヒィアッ、も、いくッ、アッ、アンタのッ、アッ、俺の中にッ、ンンンッ!中にッ、くれッ……ア、アア、アーーーー!!!」
「っ、…いいのっ?…っ、出すよっ。ヒカルの中にっ。いっぱいっ。……ぁ、…くっ。」
「はあッ、っ、あ、はあッ、……中ッ、アツい……ッ!」
ヒカルのペニスから出た精液は彼自身の首まで飛び散り、私の精液はヒカルの中に勢いよく吐き出された。
私は全てを出し切ると、体を繋げたまま、彼の上に倒れ込んだ。暫し二人の荒い息が部屋に響いた。それが治まると私は固さを失った自身を引き抜き、ヒカルの頬、額、瞼、唇に軽いキスを落としていった。精液で濡れてしまったヒカルの身体をシーツで拭い、ペニスの先端に付着していた僅かな精液は舌で舐め取った。そして、指を肛門に入れ、自分の出した精液を掻き出そうとした。
「っ、お、おいっ、それも普通のことなのか!?」
燃え尽きて、夢の狭間に旅立っていたヒカルが、肛門に指を入れたところで現に戻ってきた。ハッとしたように瞬時に体を引かれて逃げられてしまった。
普通か、と聞かれると自信はないが、精液を入れたままにすると腹痛になる。だから本来は外に出すべきなのだ。しかし、ヒカルが私の精液を欲していて、私も彼の一番奥に自分の欲望の塊を植え付けたくて、出してしまった。
「………普通だよ?お尻出して?」
「なんか変な間が無かったか?……自分で出せるから、やらなくていい。」
「えー?じゃあ出すとこ見せて。ちゃんと全部出たか確認したいから。」
「なっ、なんでアンタはいっつも、俺の恥ずかしいところばっかり見たがるんだよっ!」
「いつも必要だから見てるんだよ?……でも、恥ずかしがるヒカルって、可愛いんだよね。」
「っ!!絶対見せねぇ!」
四つん這いになって、羞恥で震えながら私の精液を排出するヒカルは可愛かったし色っぽかった。
後始末を終えると、ヒカルは自分の部屋に戻ろうとした。それを引き留め、朝まで一緒にいてほしいと我が儘を言う。しかし、もしバレたら、と困ったような顔をヒカルにされてしまう。
誰かにバレたらまずいだろうかと考え、エンリとシュウの顔が頭に浮かんだ後、シュゼの顔が浮かんだ。その顔は穏やかな笑顔で、バレるもなにも全てお見通しなのだろうな、と思った。
私は誰にバレても構わないが、ヒカルが気にするのなら無理強いは出来ない。
「わかった。ヒカル、今日はありがとう。おやすみ。」
「……おやすみ。」
ヒカルは気まずいのか、私と目を合わさず、伏し目がちに部屋を去っていった。気にしないでと背中に声をかけたが、こちらを振り返らずに『あぁ』と返事をされただけだった。
まだ少しぬくもりが残るシーツに体を包むと、ヒカルの匂いがした。それをいっぱいに吸い込むとチリッと胸の奥が痛んだ。
身体はとても満たされている。――心は?心は少し隙間がある気がする。でもそんなことを思ってしまうのは贅沢なことだ。
目を瞑るとアルコールのせいでぐるぐると世界が回る。それに抗わずに身を任せていると、いつしか睡魔が私の元へやってきた。
明日の私は酷い頭痛の他に、何かしらの感情に苛まれるのだろうか。
ヒカルの艶かしい声と息遣い。私を見つめる熱のある瞳。汗をかき、しっとりとした身体からは少しスパイシーな香りが漂い、官能が誘われる。彼の全てが私を昂らせている。
自身を挿入しようとヒカルの腰を掴んだところで、顔を見ながらしたい、と思った。
仰向けになり足を開いてほしいと言うと、ヒカルは潤ませた瞳で何か言いたげに私を見たが、その通りにしてくれた。
曝け出された花蕾にもう一度舌を這わせ、その間に自分のペニスにもローションをたっぷりと塗り付ける。
「ヒカル、入れるね。」
そう言い、汗で顔に張り付いた髪を手で梳いてやると、ヒカルが身体をビクンと跳ねさせた。髪に触れただけなのに、性感帯にでも触れてしまったかのような反応をされ、私の支配欲が満たされる。
てらてらといやらしく光る、そそり立った自身を見せつけるようにし、入り口に先端を押し付ける。ヒカルはそれを瞬きもせずに見ている。一度果てたばかりの彼のペニスは、また大きさを取り戻しつつある。それが僅かに前後に動いているのは、肛門の蠢きと連動しているからだろう。
本来、入ってくることを想定していないその場所は、異物を拒もうと抵抗する。しかし潤滑油をまとったペニスはそれに逆い中へと進む。
「っ、ァアッ、入って、くるッ、アンタのッ。」
亀頭の部分が収まったところで、痛いかと聞くと、首をブンブンと横に振られる。では気持ちいいのかと訊ねれば、恥ずかしげに首を縦に振った。
私も気持ちがいい。
亀頭にしがみついてくるように締め付けられ、まるでそこの部位に意思があるように思えてきて愛おしくなる。
最後まで挿入すべく、ぐっと力を入れて腰を押し付けると、ピリピリとした快感がせり上がってくる。ヒカルは息を乱しながらも必死にこちらを見ている。じっと、まるで一瞬たりとも私の行為を見逃したくないかのように。
その泣き顔にも似た、色っぽい顔の表情に当てられ、堪らず一気に奥までペニスを突き入れてしまった。きつい入り口、柔らかい肉の感触。ヒカルを最奥まで征服した悦びに私のペニスは震え、更に質量を増した。
「んあッ、ァアッ、ア、アーーー、アアァーッ。」
「っ、ごめん、痛かった?」
「ッ、ァアッ、ちッ、違う!…奥ッ、いいっ、ァアッ、アツいッ、俺ん中にッ、…アンタがいるなんてッ、ハァッ、信じ、らんねぇ。」
ヒカルが私に向かい手を伸ばしてきたので、それに応えて前屈みになる。ヒカルの手が首の後ろに回り、ぐっと引き寄せられ顔の距離が近くなる。じっと見つめ合っていると、ヒカルはキスをしてほしいと泣きそうな顔で言った。私が『おいで』と舌を出すと、餌の前で『待て』をさせられていた犬のように、勢いよく私の舌に吸い付いた。
深いキスをしながら、ぐっ、ぐっ、とペニスを動かすと私の口の中に、くぐもった喘ぎが吐き出された。
ヒカルに包まれている幸福感。ぬるぬると絡み合う舌も、抽挿によってゆさゆさと揺れる乳房の、固くなった先端が彼の腹に擦れるのも気持ちがいい。
「はぁあんっ、ヒカル、凄い、気持ちいいっ。ヒカルっ、ヒカルっ。」
「っ、俺もッ、アアアンッ、ヤバいッ、ヤバいッ~~~!ンンッ!!」
もっと激しく突きたくて、一旦唇を離すとヒカルが悲しそうな顔をした。なので舌の代わりに私の指を差し入れてやる。彼はそれをペニスにするように舐めてしゃぶった。その淫靡な姿に煽られて、勝手に腰が動いた。パンパンと音がするほど腰を尻に打ち付け、泡立ち白くなったローションが飛び散った。
「ゥアァッ、アーーッ、ヒッ、ア、ア、アアーーッ!」
強い締め付けと、身体を捻りながら、快楽に震えるヒカルの姿に射精感が込み上げてくる。
「ヒカルっ、もう、っ、出るっ。」
ヒカルと一緒に達したくて、目の前にあるペニスに触れる。手の中でピクピクと震えるペニスは、尿道口がパクパクと口を開け今にも射精しそうだった。私はそれを扱きながら、本能のままにヒカルの腸内を犯した。
「ヒィアッ、も、いくッ、アッ、アンタのッ、アッ、俺の中にッ、ンンンッ!中にッ、くれッ……ア、アア、アーーーー!!!」
「っ、…いいのっ?…っ、出すよっ。ヒカルの中にっ。いっぱいっ。……ぁ、…くっ。」
「はあッ、っ、あ、はあッ、……中ッ、アツい……ッ!」
ヒカルのペニスから出た精液は彼自身の首まで飛び散り、私の精液はヒカルの中に勢いよく吐き出された。
私は全てを出し切ると、体を繋げたまま、彼の上に倒れ込んだ。暫し二人の荒い息が部屋に響いた。それが治まると私は固さを失った自身を引き抜き、ヒカルの頬、額、瞼、唇に軽いキスを落としていった。精液で濡れてしまったヒカルの身体をシーツで拭い、ペニスの先端に付着していた僅かな精液は舌で舐め取った。そして、指を肛門に入れ、自分の出した精液を掻き出そうとした。
「っ、お、おいっ、それも普通のことなのか!?」
燃え尽きて、夢の狭間に旅立っていたヒカルが、肛門に指を入れたところで現に戻ってきた。ハッとしたように瞬時に体を引かれて逃げられてしまった。
普通か、と聞かれると自信はないが、精液を入れたままにすると腹痛になる。だから本来は外に出すべきなのだ。しかし、ヒカルが私の精液を欲していて、私も彼の一番奥に自分の欲望の塊を植え付けたくて、出してしまった。
「………普通だよ?お尻出して?」
「なんか変な間が無かったか?……自分で出せるから、やらなくていい。」
「えー?じゃあ出すとこ見せて。ちゃんと全部出たか確認したいから。」
「なっ、なんでアンタはいっつも、俺の恥ずかしいところばっかり見たがるんだよっ!」
「いつも必要だから見てるんだよ?……でも、恥ずかしがるヒカルって、可愛いんだよね。」
「っ!!絶対見せねぇ!」
四つん這いになって、羞恥で震えながら私の精液を排出するヒカルは可愛かったし色っぽかった。
後始末を終えると、ヒカルは自分の部屋に戻ろうとした。それを引き留め、朝まで一緒にいてほしいと我が儘を言う。しかし、もしバレたら、と困ったような顔をヒカルにされてしまう。
誰かにバレたらまずいだろうかと考え、エンリとシュウの顔が頭に浮かんだ後、シュゼの顔が浮かんだ。その顔は穏やかな笑顔で、バレるもなにも全てお見通しなのだろうな、と思った。
私は誰にバレても構わないが、ヒカルが気にするのなら無理強いは出来ない。
「わかった。ヒカル、今日はありがとう。おやすみ。」
「……おやすみ。」
ヒカルは気まずいのか、私と目を合わさず、伏し目がちに部屋を去っていった。気にしないでと背中に声をかけたが、こちらを振り返らずに『あぁ』と返事をされただけだった。
まだ少しぬくもりが残るシーツに体を包むと、ヒカルの匂いがした。それをいっぱいに吸い込むとチリッと胸の奥が痛んだ。
身体はとても満たされている。――心は?心は少し隙間がある気がする。でもそんなことを思ってしまうのは贅沢なことだ。
目を瞑るとアルコールのせいでぐるぐると世界が回る。それに抗わずに身を任せていると、いつしか睡魔が私の元へやってきた。
明日の私は酷い頭痛の他に、何かしらの感情に苛まれるのだろうか。
応援ありがとうございます!
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