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裸足
しおりを挟む春日部の騎乗位による容赦ない腰振りで僕はイかされた。
しかし一回出したものの、僕の上でよがる春日部の痴態に興奮は収まらず、逆にもっともっと春日部が欲しくなった。
今度は僕のペースで、と思って体勢を変えようとしたが目の前のモノに目が止まった。
ゴムの被さった春日部のチンポ。
精液がそこら辺に飛び散ったりしないように、今日は春日部にもゴムを着けた。
春日部から勢いよく吐き出される精液を見るのが僕は好きだが、せっかくプレゼントしてもらった『家族寝袋』を精液まみれにするのは憚られた。
苦肉の策だったのだが『どれくらいの精液を春日部が吐き出したのか』を質量として目視することが出来て妙に興奮した。
何度出したのか、ゴムの精液溜めの部分は白くパンパンに膨れている。
そう言えば『ゴムの中身を飲む』と宣言していたことを思い出し、チンポに手を伸ばした。
溢れてしまわないように、口のところを押さえゴム引き抜いた。
たぷん、と音が鳴りそうなくらい重い。
僕は寝たままの体勢で中身を飲んだ。ゴムを掲げて上から垂れてくる精液を舌で受け止めた。
春日部は、目を見開いて僕を見た。
春日部がイキそうだと言った時に「ゴムの中身を飲む」と僕は言ったが、本当に飲まれてしまうとは思っていなかったようだ。
しかし、口の端から垂れた精液までも僕が舐めとるのを見た春日部は上気していた頬をさらに赤くし、見開かれていた目をやや細め、最中のようにとろんと瞳を潤ませた。
僕の挑発に乗ったに春日部は、ゆっくりと腰を振り出した。
柔らかい肉の蠢きと語尾にハートマークが付きそうな可愛い喘ぎ。
チンポが溶けそうになった。
僕のペースに持って行こうと、繋がったまま上体を起こして春日部の腰を支え対面座位になった。
ぎゅっと抱き締めると春日部は僕の首に腕を回した。
男同士でこの体位をするには支える側の方の筋力がいる。
後ろに仰け反りそうになる春日部を自分もやや後ろに重心を置きながら支えなくてはいけない。
春日部の一番好きなこの体位を長く保つには結構体力がいる。
体を鍛えていて良かった、とこの時ほど思うことはないし、これからもジム通いは欠かせないな、と思う。
まぁまぁキツイ体位ではあるが、僕もこの体位が好きだ。
春日部がいい反応をしてくれるし、どちらかが上、という訳じゃなく互いに求め合ってるって感じがしてイチャイチャ度が高いから。
キスしたり乳首を吸ったり、耳を食んだり、下から突き上げたり、したいことをしたいようにして、春日部と一緒に頂点を目指す。
頂点とはもちろん『射精』だが、春日部は最近『特殊なイキ方』をする時がある。
今もその兆候が見え始めている。
アナルを断続的に収縮させ、涙を溢しながら震えている。
射精やドライなどのチンポイキとは違う。
中だけで繰り返しイッているような感覚、――女の子のイキ方を春日部は覚えたのではないかと思う。
品の無い言い方をすれば『雌イキ』。
快楽による切ない顔に交じり、幸福感を表すような笑顔まで僕に向けてくる。
恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに真っ赤な顔で「町屋♡」と喘ぐ様は、あの祖父に平然と物申した破天荒さは見受けられない。
ひたすら可愛くて、ひたすら愛しい。
――全部僕のだ。
そんな思いが湧き上がり、独占欲に火が点いて、さっき飲んだ精液だけしゃ足りなくて、溢れ出ている涙も流れ落ちる汗にも舌を伸ばしていた。
春日部はそれにも反応し、体を、――孔を震わせる。
「僕は春日部と繋がれて幸せだよ。」
そう囁くと『幸せ』という言葉を覚えたばかりで使い方が分からない子供みたいに春日部は『幸せ』と繰り返した。
「んっ、幸せ♡ チンチン入ってんの、幸せっ♡ 町屋がっ、幸せっ♡♡ 俺のっ、幸せ♡♡♡」
僕の幸せは春日部の下にある。
春日部が望むんだったらなんでも出来そうな気がする。
例えば真斎藤家の跡取りのパートナーの座が欲しい、そんな風に言われたら僕はどんな手を使ってもそれを叶えるだろう。
「んっ、んっ、幸せッ、町屋ァああン♡」
人が通ったら、なんて心配してたくせに体は僕を求めて離さない。甘い声もダダ漏れだ。
こんなに僕を求めてる春日部の声を誰かに聞かせてやりたいような気になったが、幸か不幸か結局人が近付いたような気配は無かった(と思う)。
僕が二回目を終えると、春日部は電池が切れたように眠ってしまった。10分経ったら起こしてくれ、と言って。
昨日はサービスエリアで少し仮眠を取っただけだったし、春日部は僕が温泉施設の休憩所で仮眠を取っている間に、僕と繋がる為の準備をしてくれていた。
10分で起こすのは忍びなく、暫く寝顔を見ていたら僕までいつの間にか寝ていた。
目を覚まし時計を見ると午後8時。
このまま朝まで寝てしまおうかと思ったが、春日部が奮発して買ってくれたブランド豚を無駄にしたくは無かった。
かといって僕の手で調理したら台無しになってしまうかもしれない。
春日部にはギリギリまで寝てもらってしょうが焼きだけを作ってもらうことにした。
コッヘルに無洗米と地元食材の販売所に寄った時に買った炊き込みご飯の素と指示通りの水を入れ、浸水させている間に火をおこして、焚き火を安定させる。
火にかけ暫くするといい匂いがしてきて、どうやら炊き込みご飯は成功したようだ。
僕は素人ではないので、ご飯を蒸らすことも忘れたりはしない。
蓋を開けずに火の当たらないところへ置いておく。
あと少ししたら春日部を起こそうか、そう思った時にテントからガサガサと音がした。
春日部がタイミング良く起きてくれたようだ。
焚き火台に薪をくべている途中だったから、少しだけ春日部に視線を送って「おはよう」と声をかけた。
春日部の返事は無かったが近付いてく来る気配を感じ、振り返ろうとした瞬間に後ろから抱きつかれた。
「いなくなったかと思った。」
消え入りそうな声だった。
何か不安な夢でも見たのだろうか。
やはり夕食の準備よりも春日部の傍にいる方を優先させるべきだったかと後悔した。
グローブを外し、春日部の回された腕に手を添えると、少しだけ拘束が弱まったので、春日部の方へ向き直った。
瞳を合わせると、春日部は眉を下げ心細そうな顔をしていた。
胸がきゅっと痛くなる。
「傍にいなくてゴメン。」
「……じいさんのトコにいったかと思った。」
「……え?」
僕は驚いたが、春日部も自分の言葉に驚いたようだった。
春日部は目を大きく見開き、自分が口にした言葉を反芻させるように声の無いまま唇を僅かに動かした。そして、すぐに「いや違うから」と否定の言葉を吐いた。しかし、自分の言葉の納め方が分からなくなったのか春日部は、不安そうに僕を見て「俺、寝ぼけてて」と付け足した。
確かに寝ぼけているのだろう。
服は着ているが春日部は靴を履いていない。
短く刈られた草の地面を裸足で歩いてきてしまっている。
寝ぼけているからこそ、口に出した言葉が本音なのだと僕は思った。
深層心理には『和解をしたら真斎藤に戻り、離れていってしまうかもしれない』という不安が春日部にはあったのだろう。
それでも春日部は僕に『このままでいいのか?』と祖父と和解するチャンスをくれ『良かったな』とも言ってくれた。
あの言葉は心からのものだったことは間違いない。
でも、自覚していないところでの不安が一人で目覚めたことで溢れ出た。
まるで恥ずべきことを口にしてしまったような落ち込み様を見せる春日部は、腕をさらに緩め僕から離れようとした。
二人の間に十数センチの隙間ができてハッとした。
僕は春日部の胸に飛び込んだ。
寝起きでしかも裸足の春日部はバランスを崩し倒れた。僕と一緒に。
とっさに春日部の頭を手で守ったが、僕の体重が乗り、強かに地面に腰を打ち付けた春日部は眉間にシワを寄せた。
「っ、いってぇ。」
「ごめん!」
「お前なぁ、後ろに火があったらどうすんだよ。」
「ごめん!」
「……お前は大丈夫か?」
「っ、ごめんっ。」
謝罪マシーンのように『ごめん』を繰り返す僕に春日部は「ったく」と言いながら笑って立ち上がろうとした。
でも僕は離したくなくて力を込めた。
「ごめん。もうちょっとこのままで。」
僕の四度目の『ごめん』に対しての春日部は返事をしなかった。でも、押し倒されたような格好のまま背中に腕を回して抱き締め返してくれた。
土と草の匂いがする。それと、さっきまでの淫靡な時間の残り香が春日部から漂っている。
大好きな香りを胸いっぱに吸い込んで、口を開ければごめん、しか言えなくなっている自分を落ち着かせた。
僕と春日部が逆の立場だったなら、と想像する。
真っ先に『春日部が離れていってしまったらどうしよう』という不安が頭を過る。
小狡い僕なら『このままでいいのか?』なんて聞かずにあの場を去り、多少なりとも落ち込む春日部を甘やかすことに注力しただろう。
春日部の真っ直ぐさと不器用さに、胸が熱くなる。
「春日部、どこにもいかないで。」
僕はどこにも行かない、そう言って春日部の不安を払拭すべきなのに、春日部のいない明日を想像してしまって、その恐怖からこんな言葉が出てしまった。
春日部は「俺がどこに行くっていうんだよ」と言ってちょっと笑ってくれた。
「ハァ、春日部が好き過ぎて辛い。泣きそう。僕の為に真斎藤の会長にケンカ売りかけて、おまけに離れたくないって不安にもなってくれるとか……もう、好き過ぎる。好き過ぎて僕を誑かす悪魔なんじゃないかと思えてきた。もちろん祭壇を作って悪魔崇拝させてもらうけど。」
春日部は僕の怒濤の勢いの告白を聞いて目を瞬かせたが、やがて、照れ半分、呆れ半分の顔になった。そこには安堵のようなものも混じっている気がする。
「……ったく、何言ってんだよ。そういえば前も俺のこと天使だの太陽だのとも言ってたな。……お前の想像力どーなってんだ。」
「何にせよ、春日部がいなきゃ僕に明日は来ないってことだよ。」
「大袈裟過ぎだろ。」
そう言いつつ満更でもない顔をした春日部は「そろそろ飯食おうぜ」と言って僕を起き上がらせた。
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