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春日部⑨
しおりを挟む町屋のチンチンが俺のケツ穴に入った。
入ったつっても、1、2センチくらいだけど。
多分俺のせい。
チンチンで擦られてる時にケツの角度を変えちまったから。
擦られんのも気持ちいいけど、なんか物足りなくて、前にラブホでやったみてーに、穴をぐりぐり先っぽで突いて欲しくてケツを突き出した。
そしたら、先っぽが引っ掛かって、ちょっとだけ入った。
ラブホん時はいくらぐりぐりされても入んなかったのに、ぐぐくっとめり込んできた。
すっげぇ、びっくりしたけど、俺以上に町屋もびっくりしてて、すぐに俺から離れて変な声出してた。直後に俺のケツにザーメンを吐き出して、慌ててた。
大丈夫かって聞いたら、俺に悪いって思ってんのか、ばつの悪い、情けねぇような顔してて、珍しい表情見せられて気分が良くなっちまった。
いつも余裕があって、俺をリードする町屋が、ちょっとしたアクシデントでこんな感じになるなんて。
可愛い、つーのは男に使う言葉じゃねーけど、他に合う言葉が見付かんねぇから。
……うん、可愛かった。
頭を撫でてやりてぇくらい。
それに、こんなに慌てる、つーことは俺の意思を無視してアナルセックスすることは考えてねぇんだって分かって安心もした。
でも、その後、汚名返上させろって言われて、いつもより執拗に攻められてヤバかった。
早漏だなんてもう二度と言わねぇと心に誓った。
少し前までは、俺のケツに指が三本入ることも、それを許す日が来ることも想像してなかった。
指が一本入ってから、前立腺が気持ちいいことを知っちまって、もっとこの先があんだろうな、って期待して、言われるまま受け入れて指三本に到達した。
初めは苦しかったけど、親友を信頼して我慢した。そしたら段々違和感が無くなって、それが「すげぇ気持ちイイ」にすぐ変わって、やべぇ射精感を味わった。
指一本でもヤバかったけど、三本の指で腸壁をぎゅうぎゅうに押される圧迫感は全然別物だった。
それに前立腺を押される快感も加わって、すげぇ量のザーメンを出しちまった。
イッた後の余韻もやべぇ。
ケツを弄くられてイクと、チンチンだけ扱かれた時よりも、長く気持ちいい。
まるで女になったみてぇに、イッた後も体がビクビク震える。
こんなに気持ちいいんなら、アナルセックスをしてもいいかなって思っちまってる。
抵抗はまだ少しあるから積極的にしたいって、いう訳じゃなくて、流されてもいいかなってくらい。
アイツが「大丈夫、凄く気持ちいいんだよ」って言ってくれれば、「町屋がそう言うんなら、いいか」なんて言い訳にもならねぇ言い訳を立てることが出来る、なんてことも考えちまってる。
すげぇ受け身な考え方だけど、それくらい町屋に求められんだったらいいかな、って。
多分、町屋なら絶対気持ち良くしてくれるんだろうし。
でも、町屋は何も言ってこなかった。
三本の指はもう難なく飲み込めて、町屋いわく俺のケツは「チンポを誘うエロいアナル」に変わってきたらしい。
でも「入れたい」とは言って来ねぇ。
俺、焦らされてんのか?って気になっちまって、耐えられなくなってきた。
町屋はまさか俺から「入れて」って言うのを待ってるのか!?
悶々とした気持ちが限界にきて、俺から聞いてみることにした。
「なぁ、町屋、何で入れないんだ?」
シャワーを一緒に浴びて町屋の部屋に移動して、いつもならこっから第二回戦、って頃合いに聞いてみた。
直接的過ぎたかと思ったけど、町屋の考えが分かんなくて、今日は行為に集中出来そうになくて――風呂場ではしゃぶられて一回出したけど――限界だった。
町屋は俺にそんなこと言われると思ってなかったのか、目を見開いて俺を見てきて、急激にハズくなった。
「いっ、入れて欲しいってことじゃねーからなッ。っ、素朴なギモンつーか……えっと。」
「……ギモン、つーか?」
びっくりした顔したくせに、ちゃんと突っ込んで来るあたりが、そつがなくて実に町屋っぽくて憎たらしい。
「……っ、くそっ、だから、素朴なギモンなんだよ!」
勢いで押し切る返答をしたら、町屋は困ったような顔をした。
少しだけ伏せられた瞳は、長い睫毛が影になって、より憂いを帯びているように見える。
この顔は見たことがあった。
二度目だ。
一度目は、以前俺が町屋を掘ってやってもいい、なんて考えてケツを触った時。
はっきりとした拒絶。
前回は俺の誤解からだった。
でも今回は何の誤解も無いハズ。
俺は親友に拒絶された。
内容とかどうでもよくて、ただ拒絶された事実だけがショックで。
自分でも何でこんなにショックなのか分かんねぇくらいショックで、呆然として俯いたら、町屋は困った顔のまま、俺の顔を覗き込んできた。
「ねぇ、春日部。」
「……あ?なンだよ。」
柄悪く返事するのが精一杯で、言った後は、下唇を噛んで負の感情が涌き出てくんのを堪えてた。そしたら町屋は俺の強張ってる頬を手で触ってきた。
体温の高い町屋の手は、いつも温かくて気持ちいい。
でも今は、触って欲しくなくて、振り払おうとしたら逆に手を掴まれた。
「っ、触んなッ。」
「春日部。」
「離せって。」
「離さない。話、しよ?」
「……。」
「春日部は、僕がシたいって言ったら、シてくれるの?……シちゃったら戻れないんだよ?」
「……戻れないって、何だよ?」
「春日部は、ゲイになっちゃう。さすがにもう、大丈夫って言ってあげられないよ?」
「……っ、ンなこと分かってるつーの。男とシたらそりゃそーだろ。」
掴まれてる手が熱くて、汗でぬるついてる。引っこ抜けば手は外れそうだ。
でも俺は町屋に捕らえられたままでいることを望んだ。
「僕は、春日部と繋がりたい。」
町屋は独り言みてぇに呟いて、俺を抱き締めた。
俺は「繋がりたい」つー言葉で、腰が抜けたみてぇに力が入んなくなって、町屋にしがみついた。
キスをして、体をまさぐられて、ケツを弄くられて、指を三本入れられて。
町屋に「ちょっと待ってて」と言われてベッドの上で待たされて、ゴムを取りに行ったのかと思った。
マジでやっちまうのかと、覚悟を決めて、目を瞑って町屋を待った。
少しして戻ってきた町屋は俺に謝った。
「ごめんね。」
ぎゅっと目を瞑ったまま、入ってくんのを待った。
体位は三本目の指を入れられた時と同しで、横向き。以前町屋が言ってたけど、これが一番楽な体位らしい。
町屋の左手が俺のケツに触れた。そっから指で左右に割り開かれてケツ穴を晒された。
力を抜け、と自分に言い聞かせてバクバク動く心臓を落ち着かせる為に深呼吸をして、その時を待った。
にゅ、とケツに"何か"が入ってきた。
何だこれ!?
チンチンじゃねぇ。
指より細い"何か"から溢れてくる冷たい液体。
「お前、なに、入れやがった。」
腹がギュルギュルと鳴り始めて、町屋より先に返事をくれた。
「僕、ナマの春日部を感じたいんだよね。」
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