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風呂
しおりを挟む「春日部、体べたついてない?風呂に入ってこうよ。」
「……別に、暑くもなかったし、マンション戻ってからでいいって。」
春日部にも『風呂』がどんな場所か想像がついたらしく、少し落ち着かない様子なのが見てとれる。
「じゃあ、今ここで春日部のチンポしゃぶっていい?」
「っ、何言ってんだ、だめに決まってんだろッ。」
何故か小声の春日部。
「何で?誰も来ないから大丈夫だよ。ちょっとだけ、ね、いいでしょ?」
太ももに手を置くと、春日部は小さく息を飲んだ後に、僕の手を剥がす為に自分の手を重ねた。
僕は春日部の手の中で手首を返し、逆に指を絡めて握った。
所謂、恋人繋ぎ。
「やめっ。」
「お願い。春日部の精液飲みたい。」
「っ、いやだ、……風呂、入ってねーから。」
握った手を口元に持ってきて、フェラするように指をしゃぶって、もう一度「お願い」と言うと、春日部は明らかに動揺し出した。
あともう一息。
「僕は大丈夫だよ。春日部の匂い嗅ぎたいから。」
「ぐ、……勘弁、してくれよ。」
「だめ?」
「だっ、……お前、そんな目で見んなよ。……くそっ、……シャワーは絶対、だかんな……。」
「うん。じゃ、行こっか。」
「……。」
春日部の手を離し、エンジンをかけて原っぱのような駐車場から車を出した。
ここに来る途中に見かけたラブホテルはそんなに遠くない。
春日部は不機嫌そうな顔をして黙っている。
でも、そんな顔をしてる割りに、さっき僕がしゃぶった指先を左手で撫でるようにして触っている。
あと、足を組んでるのは、多分、勃起隠しだろう。
古めかしいラブホテルは、田舎によくあるコテージタイプ。建物の横に車を置いて部屋に入る。
部屋に入った途端にキスは始まった。
どちらともなく唇を合わせ、初めから唾液を奪い合うような激しいキス。
顔を隠すために被っていたパーカーを脱がして、中に着ている服も下着もどんどん剥がしていく。
互いに全裸になったら、ガラス張りで中が丸見えの風呂場になだれ込んだ。
バスタブに湯を溜めながら、シャワーのコックも捻って、「洗ってあげる」と言って僕は春日部の体をまさぐった。
二人とも泡だらけになって、春日部の体で触ってないところが無くなったら、シャワーで流して。
でも、大きい造りのバスタブには湯はまだ溜まっていなかったから、縁に春日部を座らせてチンポをしゃぶった。
春日部の陰毛から香ってくるラブホテルの安いボディソープの香りは、やけに僕を興奮させた。
『セックスをするだけの場所』に春日部と来てしまったという、興奮。
「春日部っ、……んぐ、きもち、……いい?」
しゃぶる合間に途切れ途切れに聞くと、春日部は吐息混じりに「んっ、やべ、死にそ」と返事をして果てた。
いつも通り、尿道に残る精液も吸い上げて、先端に労いのキスをして口を離した。
湯が溜まったので、バスタブに浸かろうとしたら止められ、攻守交代となった。
春日部はとても丁寧にチンポを舐めてくれた。
付け根も、袋も、カリ首も。
あまりに一生懸命舐めてくれるから、嬉しくなってつい頭を撫でてしまったが、すぐ手を引っ込めた。
フェラしてる時に頭に手を置かれるのが、服従させられてるみたいで嫌いだと言う人がいる。春日部もそういうタイプかもしれない。撫でてからそのことに思い至ったのだ。
しかし、春日部は視線を上げて僕を見て、瞳で「なんでやめたの?」と伝えてきた。
そんな期待するような目で見られて、胸がぎゅっと痛くなった。大事なとこを掴まれたような、でもどこか心地よい痛み。
僕は、生まれたてのふにゃふにゃのウサギを触るみたいに、大事にそっと春日部の頭に触れ、色素の薄い髪を梳くようにして撫でた。
気持ち良さそうに、瞳を細める春日部を無性に抱き締めたくなって、口からチンポを引き抜いた。
春日部は「どうして」と不服そうな顔をした。
「春日部、続きはバスタブの中でしよ?」
もっと春日部のフェラを味わっていたいけど、くっついて一緒に気持ちよくなりたい。
同じ方向を向いてバスタブに浸かる。前が春日部で後が僕。
足の間にいる春日部を背後からぎゅっと抱き締めて、うなじを舐めて、乳首とチンポを触った。
さっきイッたばかりだが、温かい湯の中で扱かれるのは堪らないようで、春日部はすぐにチンポを硬くした。
「ふぁ、う、……あ、あ、あ、町屋っ、気持ちいッ。」
細身でほどよく筋肉が付いた体を僕の胸に預け、いい声で喘ぐ春日部はカッコ良くて可愛くてエロい。
僕も春日部の尻の辺りにチンポを擦り付けて、楽しませてもらう。すりすりと小さく動いていると、春日部が振り返り顔を寄せてきた。
どろりと溶けきったいやらしい顔で見つめられて、堪らずキスをした。
僕の脳までどろりと溶けた。
「っ。…… ごめん、春日部。僕、のぼせちゃいそう。……ベッドに行こ?」
有無を言わさず、手を引いて、バスタブから出て、体を雑に拭いて、ベッドへ向かう途中でバッグからローションを持ち出した。
「持って、きてたのか。」
小さく驚く声が聞こえたが無視して、春日部を押し倒した。
「春日部のアナル、舐めさせて。」
僕に素直に押し倒された春日部は、熱に浮かされたような顔をしている。
それでも迷いがあるのか返事をしてくれないので、もう一度「舐めたい」とお願いした。すると、おずおずと恥ずかしそうに頷いてくれた。
しかし膝を押さえ、足を割り開こうとすると春日部は焦り出した。
「まっ、まてっ、後ろ向くからッ、…これはダメ、だ。」
正常位の女性側を思わせる体位には抵抗があるんだろう。でも僕は、僕に舐められてる時の春日部の顔が見たかった。
膝に置いた手に、ぐっと力を込めると腕を押さえられて抵抗された。
「ごめんね、力抜いて春日部。僕は全部を見ながら舐めたいんだ。チンポも、乳首も、春日部のエロい顔も。……お願い。」
じっと瞳を見つめると、春日部は喉の奥で悔しそうなうなり声を上げた。
そして顔を横に背け、更に目を閉じると、僕の腕から手を離して、足から力を抜いた。
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