【本編完結済】ヤリチンノンケをメス堕ちさせてみた

さかい 濱

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    僕の腹にキツイ一発をお見舞いした日から、春日部は何かが吹っ切れたようで、とても積極的になった。

    自分から触って欲しいとアピールするようになったのだ。

    僕がリビングのソファーにいれば、チラチラとこちらを見てタイミングを図りながらやってくる。そして「いいか?」と聞いて座っている僕の上に乗ってくる。

    初めてこの体勢になった時は不満げな顔をしていたのに、気に入ったらしい。
    乳首を吸われながらの、手コキは別にこの体勢でなくてもいいはずなのに、わざわざ乗ってくるあたり、春日部の琴線に何かが触れているのだろう。
    触れている、と言えば僕は春日部が跨がってくる時、腰をずらしている。少しだけ浅くソファーに座り直すのだ。そうすると、僕のチンポと春日部のチンポは触れ合う。

    春日部は僕がチンポを取り出しても、もう何も言わない。
    そればかりか、二本を密着させて同時に扱いても、僕の頭を胸に抱き込んで、下半身を見ないようにしながら、腰を揺らしている。

    頭上から聞こえる喘ぎ声は、湿り気があってかなりエロい。
    普段バリトンの声がテノールになって、僕の愛撫に合わせて語尾も跳ねる。

    一度抜いたくらいでは、二人とも萎えず、ソファーで一発抜いた後は、ベッドに行って全裸になって二発目、三発目を行う。

    これが、毎日。



    春日部がこんなに吹っ切れた理由としては――

・乳首を開発されてしまった責任を取ってもらうという大義名分。
・引き続き堀田を僕の魔の手から守る役割。
・面倒な色恋沙汰に巻き込まれることはないし、気持ちいいことだけできるしいいんじゃね?という楽観的思考。
・一発殴ったことで気が済み、もういいや、とハジケた。

――辺りのどれか、または全部が理由なのではないかと考えられる。

    それに伴い「俺はゲイじゃない」の『ゲイ』のボーダーラインを大幅に下げることにしたのだろう。
    本番しなきゃいいや、と。

    あくまで全て想像だが『やりたきゃ、順番にやってやるからグダグダ言わず連絡先の書いた紙寄越せ、処女と二回目のやつはお断り』というある意味合理的な定型文を作り上げた春日部の気持ちになって考えてみたので近からずとも、といったところだろう。

    何の理由にせよ堀田のこと以外は『チンポ脳性欲重視』の一言で片付けられる。
    だから僕はまだ、堀田に片思いしていることを虚偽だった――元はと言えば春日部の思い込みだが――と告白できない。
    春日部が『新しい性の刺激』に飽きたら、その理由だけしか残らない気がするから。

    ともあれ今は新しい刺激に夢中のようだ。



    春日部は左乳首も感じるようになっていった。

    右乳首は、皮膚が再生し厚くなったことで、服が擦れるだけで声が出てしまうという状況からは脱出したようだ。
    しかし感度は良いままで、僕がで触るとすぐに、気持ち良さそうにしている。
    右はガツンと気持ちよくて、左はじわじわと気持ちいいらしい。


    やがて、もう一つ喜ばしい変化も訪れた。

    一度拒絶しているアレを春日部はしてくれるようになったのだ。

    キス、だ。

    あれは突然だった。

    その日、ベッドの上で、春日部の三発目――これが打ち止めだろう――をいかせようとしていた。
    大好きな対面座位で、乳首を舐め、チンポを扱いてやっていると、春日部は激しく喘ぎながら「待て」と言い、僕の顔を両手で包むようにして、引き上げた。
    「どうしたの?」そう聞こうとして、「ど」の口のまま、唇がくっついた。

    そして、すぐ離れて、何かを考える暇もなく、僕の手の中の春日部が爆ぜた。

    小学生みたいなキスだった。
    どんな風に気分が高まって、そんなことをしてくれたのかは分からないが、こんなチャンスを逃す僕ではない。

「アレ、今日はしてくれないの?」
「アレって何だよ?」
「キス。」
「!!」

    キスの翌日、ソファーで僕の腰に乗る春日部のバスローブ(僕が貸したもの)の紐を解きながら、そう言ってやると、春日部は息を詰まらせた。

「昨日はごめんね。まさか春日部からキスしてくれるなんて思わなくて。びっくりしちゃったんだよね、だからあんまり堪能できかった。今日は、いっぱいしたい、な。キスしながら乳首触って、チンポ扱きたい。でも、前にキスはしないって春日部に約束しちゃってるから、僕からはしちゃ駄目だよね?」

    「どうしよ…」と、儚げな美人の顔で寂しそうに言ってみる。
    口ではそう言いつつも、バスローブの紐を引っ張り春日部を引き寄せているのだが、葛藤し瞳を揺らしている春日部は気付いていない。

    互いの唇まであと三センチというところまできて、顔が近付いていることにやっと春日部は気付いた。

    もう逃げられない距離に、春日部は「くそっ」と呟いて、僕の口に自分のそれをくっつけた。
    そしてすぐ離すと「……お前から、しても、いい」と消え入りそうな声で許可をくれた。

    許可を貰えたので、遠慮なくまた口を合わせた。小学生のキスなんかじゃない本気のキス。
舌をねじ込むと、手を突っ張って抵抗されたが、チンポを掴むと黙った。

    観念した春日部は僕の頭を両手で抱え込むようにして応戦してきた。上から押さえ込むようなキス。そんな風にされると自分が女の子役になったみたいで悔しいので、指で乳首も摘まんでやると、ふにゃりと春日部の力が抜け形勢が逆転した。

    口の中を我が物顔で犯し尽くして、また一つ春日部を汚していく。

    もっと、春日部のすべてを汚染させたい。
いけない穴まで潜り込んで、一番深くを僕のタンパク質で満たしたい。

    そう逸る気持ちと、いっそずっとこのままでもいいのかもしれないと思う気持ち。
相反する二つが僕の中にあった。

    後者の気持ちが、いつどこからやって来たのか分からない。

    ――セフレにするならセックスをしないでどうする。あれは凄く気持ちがいいのに。

    どうしてなのか。
    それを解析するのはとても勇気がいることのような気がして、僕はそっと蓋をした。

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