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誤算
しおりを挟む乳首にそっと触れても何の反応も無い。それならばと官能を引き出すように、クリクリと撫でてみるが、くすぐったいのか眉間にシワを寄せただけだった。
しかし、反応がなくてもしっとりした肌の感触や、寝息を漏らす薄い唇は魅惑的で、既に痛いくらいに僕のチンポは勃起している。
体に舌を這わせる。
引き締まった腹に。
薄茶色の乳首に。
大きな喉仏と、脈打つ頸動脈に。
そして、薄く艶やかな唇に。
胸が高鳴り我慢できずに、僕が貸したスエットのズボンを引き下げた。長い足が露になって、そこにも口付ける。丹念に指の先まで僕の唾液を塗りたくる。
舐める場所が無くなり、僕はボクサーパンツのウエスト部分に手をかけた。慎重に、指を内側に差し込みゆっくり足から引き抜く。
照明が点いたままなので、春日部の細部まで見える。
「ヤバい。」
感嘆し、思わず声に出してしまうくらいに、均整の取れた体だった。
勃起していないが、チンポは皮に隠れておらず雄の形をしていた。色はやりまくっている割には綺麗で赤く艶めいている。
口の中に収めたい気持ちをぐっと我慢し、取り敢えず濃いめに生えている陰毛に鼻を埋めた。
スゥと深呼吸をしたが、うちのボディソープの匂いしかしなかったのが残念だ。そこも舐めあげる。
唾液で濡れた陰毛は黒く光り、とても厭らしい。もう我慢ができないと、パクリとチンポを咥えた。
ふにゃふにゃの春日部のチンポ。先端を舐めたら少し塩辛い。
口の中で舌で転がしてやると、それは段々芯を持ってくる。
そこで一旦口を離し、玉袋を舐める。
やっと、春日部はピクリと反応した。感じたのか、急所に触られた防御反応なのかはわからないが、丹念に舐める。
その奥の穴も舐めたいが、足を開かせ持ち上げなければならないので、断念する。
今はまだ起きてもらっては困る。
抗いきれない快楽の最中に目を覚ましてもらい、そのまま押し切る形で進めたい。
袋を味わった後、またチンポを咥えた。
今度は口の中で舐めるのではなく、唇で扱く。唾液をいっぱい絡ませて喉の奥も使って完全に勃起したチンポを堪能する。
あまり音を立てないように、ゆっくりと扱いていると、寝息とは別の、僅かな吐息が聞こえてきた。
そろそろ起きるか?
起きたら何と言って宥め賺そうか。
口の動きを止め考えていると、ふいに頭を押さえつけられた。
春日部の手で。
ぐっ、と喉奥まで入るように押さえつけられて苦しかったが、春日部もその気になってくれたのだと感じて、嬉々としてしゃぶった。
今度は、じゅぶじゅぶと下品に音を立て、出来るだけ口を窄め吸引した。
「っ、お前、すげぇ、うまい、な。それに口ん中、熱っ。」
はぁ、はぁ、と荒くなっていく春日部の呼吸に合わせるように自分の興奮も高まっていく。
頭に置かれた手には、もう力が入っておらず、自由に、早いペースでしゃぶった。
さわさわと触っていた玉袋がキュッと上がってきて、もうそろそろ限界か?と思われたところで、春日部は「出るっ」と言い達した。
口内にビュルビュルと放出された精液は、ねっとりと濃い。尿道に残る精液まで吸い出してやり、口を離した後にそれを飲み込もうとした。
しかし思い直して、どうせなら口の中を見せてから飲み込んでやろうかと顔を上げると、春日部は荒い息を吐きながら、ぼんやりとこちらを見た。
僕と目が合うと、信じられない物を見たように目を見開いた。
そして「嘘、だろ」と呟いた後、上半身を起こし、僕から逃げるようにヘッドボードギリギリまで腰をついたまま後ずさった。
「おっ、俺っ、おおお女だと思って。」
女だと思って、フェラされてたら、男友達でした。文字通りそんな慌て方だ。
春日部は寝ぼけていて、僕を女の子だと思ったようだ。僕だと認識していた訳では無かったことにがっかりする。
しかも、驚いているだけではなくて、嫌悪感まで滲み出てしまっている。賢者タイムなどという生ぬるいものではないのは、深く刻まれた眉間のシワからうかがい知れる。
口の中の精液をごくりと飲み込むと、とても苦く感じた。
「春日部、僕……。」
何かを言おうとしたわけじゃない。でも何か喋らなくてはそう思って名前を呼んだが、言葉が続かない。
こんなはずじゃなかった。
いつもはもっとうまくやれている。
甘く微笑んで『もっと、しよ?』と誘えば、なし崩しにうまくいくと思った。今までの経験上。
しかし、春日部の強ばった顔を見れば、そんなことは言えそうにない。
これは最悪のパターンだ。
続きどころか、友人でも無くなってしまいそうだ。
だから近すぎる奴には手を出さないようにしていたというのに。
残された道は、同情を乞うことくらいか。
戦略を練りながら暫し見つめ合っていると、先に口を開いたのは春日部だった。
「町屋、俺は忘れるから、お前も忘れ――」
そうはさせるか。
「ごめんっ、僕も間違えちゃったんだ。酔って寝たから、勘違いした。春日部が、僕が片思いしてる人に見えて、何でか一緒に寝てるから、同じベッドにいるってことは、してもいいのかなって思って浮かれちゃって……。ほんと、ごめん。」
春日部の顔色を窺うと、ほんの少しだけ僕に絆されてくれたのか、眉間のシワが薄くなった。
取り敢えず、僕の行為に春日部に対する恋愛感情が含まれていないことにも安堵したのかもしれない。
もう一押し。
「僕は、ゲイ、で、片思いしてる人はストレート、だから、絶対に想いを伝えちゃいけないって、抑制したのに、酔ってこんなことしちゃうなんて自分が情けない。」
泣きそうな顔でこう言っておけば、後にチャンスがあった時『寂しくて』と瞳を潤ませ懇願すれば、もしかして…ということもある。
僕は春日部とのセックスを諦められない。
感度のよくない体を僕が開発してあげたい。
頭を下げてもう一度「ほんと、変なことして、ごめん」と謝ると、春日部からは意外な言葉を返された。
「片思いしてる奴って、俺の知ってる奴か?」
そんなことを聞かれるとは思っておらず、人物設定などしていなかったので、どう答えるべきかと、頭を下げたまま考えた。返事が出来ないでいると、春日部は『まさか』と困惑したような声で小さく呟いた後、こう言った。
「堀田、なのか?」
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