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黒龍編
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いつもと変わらぬ朝の時間。
いつも通りルークと一緒に私室を出て
いつも通りルークの執務室へと向かう
けれど今日は、何かが違っていた。
「ん?」
執務室に足を踏み入れようとした時、背後から強い視線を感じてヨトは後ろを振り向いた。
だがそこにあるのは大きな窓とその向こうに見える晴れの景色。
左右を見回しても、そこには王宮関係者の制服を着た者か、使用人の姿しか無かった。
「どうした、ヨト」
先にデスクに付いたルークが、入口で固まっているヨトに声を掛ける。
「あ、いや、なんでもないです」
(気の所為だったか…?でも何かの気配がしたんだよな)
「まぁ、いいか」とさして気にもせずにヨトは定位置へと向かった。
本棚の隙間からルークを見守る。
特に異変は見当たらないが、やはり先程の事が気がかりだった。
(さっきのが主の命を狙う刺客だったら…タルスゼーレの情報を主が持っている以上、狙われ続けるだろうし…黒龍の話もある)
ルークはいつもの様に書類に目を通しながら、メイドが入れた紅茶に口を付けていた。
(もしあの紅茶に何か薬物が入っていたら…。いや、メイドはいつもの顔ぶれだ…俺は魔術には疎いが、もし彼女の中の誰かが魔法で操られたりしていたら?…疑えばキリがないな。やはり、先程の視線の正体を突き詰めるしかないか…。俺の気の所為ならばそれに越したことはない)
思い立ったら行動は早い方がいい。
ヨトはすぐさまルークの足元に移動し、そこに片膝を立てて跪いた。
「ん?どうしたんだヨト。自分から降りてくるなんて珍しいな」
ルークは自分の腰ほどの位置にある愛しい人の頭を優しく撫でる。
「主、少し周囲の見廻りをしてきてもいいですか。昨日の話もあるし…異常がない事を確認しておきたいです」
ヨトの申し出に、ルークは片手に持っていた書類を机に置き、腕を組んで思いを巡らせる。
「………1時間だ」
「は?」
長い沈黙の後に、ルークはそんな言葉を口にする。
「1時間なら許す」
「どうして1時間なんです?」
「俺がヨトと離れて耐えられる時間の限界が1時間」
「……短ッ…」
心の中でそうツッコんだつもりが、うっかり口から出てしまってした。
「……何か不満でも?」
赤い目ジトに見下ろされ、ヨトは慌てて手を横に大きく振る。
「ないです!ないない!じゃぁ、1時間したら帰ってきますので」
「何か危ない事があればすぐ帰ってこい。絶対深追いするな。それと、自分の身に何か危険が迫った時も……」
「わ!わかりました!絶対無理はしないですから!じゃぁ行ってきますね」
いつまで続くか分からないルークの言葉を遮り、ヨトは部屋の外へと出た。
(主…心配しすぎだって…)
だが、それも案外心地のいいものだとヨトの口元は自然と緩んでいた。
「さて、どうするかな」
いつもの黒布を顔の前に巻き、すっかり仕事モードになったヨトは、壁に張り付いて周囲を見渡す。
私室と執務室は長い長い廊下の端と端に位置しており、その間に2つ程物置になっている空き部屋が存在し、その他に応接室、給湯室もあるが…先程見た時、そこ2つは使用中の様だった。
「とりあえず物置部屋から見て回って…次に私室、最後空いているようなら応接室と給湯室も一応見ておくか」
早速ヨトは、隣にある部屋のドアを開けた。
「…特に異常なし、か」
周囲を警戒し、人目を忍んで2つの空き部屋を見終わり、私室のドアを開ける。
ここはつい先程まで自分たちがいた場所だ。使用人により綺麗にベッドメイクが終わった後のようだった。
「まぁ、何かあるはずも無いか…」
一応ぐるっと部屋を回るが異変は見当たらず、部屋を後にする。
あとは残りのふたつ…ドアの方を見てみるが、応接室のドアの前には誰かの従者と思しき人間が立っている…という事はまだ使用中なのであろう。
「それじゃ、給湯室だな」
給湯室のドアを開ける。
他の部屋に比べてそこは圧倒的に狭く、窓辺に机が置かれ、そこにティーポットやカップやソーサー等が綺麗に並んでいる。横にある棚には何種類あるのか分からない茶葉の瓶が置かれており、机の隣には大きな銀色の箱がある。念の為開けてみると…それはただの冷蔵庫であった。
「……やっぱり俺の気の所為だったか」
結局どの部屋にも、誰かが隠れている等の異常は見当たらなかった。諦めて部屋を出ようと冷蔵庫を閉めた時……誰かが背後からヨトの口を布で覆った。
「………っっ!!??」
嗅いだことの無いツンとした匂いがしたかと思うと…そのままヨトの意識は薄れて行った。
(…ある、じ………)
「遅いな…」
指で机を叩きながら、手元にある金細工が施された小さな時計をルークは5分おきに確認していた。
ヨトが部屋を出て、既に1時間半が経過しようとしている。
「どこに行ったんだ」
いつまでも帰ってくる様子のない状況に耐えかねて、ルークが席を立ち上がった時、机の隅に置かれた銀色の丸い機械から音が鳴った。
「…はい、…アレックスか?どうした」
その玉は通信機になっているようで、何やら慌てた様子のアレックスの声がそこから聞こえる。
『おい、ルーク、今ヨトは一緒にいるか!?』
「ヨト…?いや、今ここには居ないが…」
いつもとは違う…明らかに焦った様子のアレックスに、ルークは怪訝そうな顔をする。
『クソ……遅かったか…今、例の樹海の近くにある廃屋に誰かが連れ込まれたって連絡が入った…』
「なに……?まさか……」
嫌な予感がした。
ルークの胸に過ぎった不安が、どんどん色濃くなっていく。
彼が手にしている通信機の金属部は、外部からの圧力でミシミシと音を立てていた。
『…その連れ込まれた人間ってのが、黒髪に黒装束の若い男だって話でな…もしかしたらと思ったんだが…』
「……ヨト…!!!!」
ルークは通信機を投げ捨てると、走って部屋の外に出た。
『あっ、おい……ルーク!!!!!』
通信機から聞こえる叫び声は、彼の耳にはもう入って居なかった。
同じ階層の部屋を全て見て回る。だが、どこにも彼の姿は見当たらない。
最後に今朝まで2人で過ごした私室のドアを開けるが…そこにも愛しい人の姿は見当たらなかった。
「…クソっ……」
ルークは何かを呟きながら、私室の窓を開けてそこから勢いよく飛び出す。
「来い!スレイプニル!! 」
そう叫ぶと、彼の下に大きな魔法陣が光り、そこから現れた黒い馬がルークを背に乗せそのまま宙を駆ける。
スレイプニルと呼ばれたその馬は、もはや伝説上の生き物に等しい。漆黒のその身から禍々しい程の黒いオーラを放ち、そこから伸びる8本の足は何よりも早くその地を駆け抜ける事が出来るという。
そんな神話まがいの生物を、ルークはこの緊急事態に当然のように召喚した。
(ヨト……)
晴れ渡る空の中を疾駆する馬の手網を、ルークはキツく握り締めた。
いつも通りルークと一緒に私室を出て
いつも通りルークの執務室へと向かう
けれど今日は、何かが違っていた。
「ん?」
執務室に足を踏み入れようとした時、背後から強い視線を感じてヨトは後ろを振り向いた。
だがそこにあるのは大きな窓とその向こうに見える晴れの景色。
左右を見回しても、そこには王宮関係者の制服を着た者か、使用人の姿しか無かった。
「どうした、ヨト」
先にデスクに付いたルークが、入口で固まっているヨトに声を掛ける。
「あ、いや、なんでもないです」
(気の所為だったか…?でも何かの気配がしたんだよな)
「まぁ、いいか」とさして気にもせずにヨトは定位置へと向かった。
本棚の隙間からルークを見守る。
特に異変は見当たらないが、やはり先程の事が気がかりだった。
(さっきのが主の命を狙う刺客だったら…タルスゼーレの情報を主が持っている以上、狙われ続けるだろうし…黒龍の話もある)
ルークはいつもの様に書類に目を通しながら、メイドが入れた紅茶に口を付けていた。
(もしあの紅茶に何か薬物が入っていたら…。いや、メイドはいつもの顔ぶれだ…俺は魔術には疎いが、もし彼女の中の誰かが魔法で操られたりしていたら?…疑えばキリがないな。やはり、先程の視線の正体を突き詰めるしかないか…。俺の気の所為ならばそれに越したことはない)
思い立ったら行動は早い方がいい。
ヨトはすぐさまルークの足元に移動し、そこに片膝を立てて跪いた。
「ん?どうしたんだヨト。自分から降りてくるなんて珍しいな」
ルークは自分の腰ほどの位置にある愛しい人の頭を優しく撫でる。
「主、少し周囲の見廻りをしてきてもいいですか。昨日の話もあるし…異常がない事を確認しておきたいです」
ヨトの申し出に、ルークは片手に持っていた書類を机に置き、腕を組んで思いを巡らせる。
「………1時間だ」
「は?」
長い沈黙の後に、ルークはそんな言葉を口にする。
「1時間なら許す」
「どうして1時間なんです?」
「俺がヨトと離れて耐えられる時間の限界が1時間」
「……短ッ…」
心の中でそうツッコんだつもりが、うっかり口から出てしまってした。
「……何か不満でも?」
赤い目ジトに見下ろされ、ヨトは慌てて手を横に大きく振る。
「ないです!ないない!じゃぁ、1時間したら帰ってきますので」
「何か危ない事があればすぐ帰ってこい。絶対深追いするな。それと、自分の身に何か危険が迫った時も……」
「わ!わかりました!絶対無理はしないですから!じゃぁ行ってきますね」
いつまで続くか分からないルークの言葉を遮り、ヨトは部屋の外へと出た。
(主…心配しすぎだって…)
だが、それも案外心地のいいものだとヨトの口元は自然と緩んでいた。
「さて、どうするかな」
いつもの黒布を顔の前に巻き、すっかり仕事モードになったヨトは、壁に張り付いて周囲を見渡す。
私室と執務室は長い長い廊下の端と端に位置しており、その間に2つ程物置になっている空き部屋が存在し、その他に応接室、給湯室もあるが…先程見た時、そこ2つは使用中の様だった。
「とりあえず物置部屋から見て回って…次に私室、最後空いているようなら応接室と給湯室も一応見ておくか」
早速ヨトは、隣にある部屋のドアを開けた。
「…特に異常なし、か」
周囲を警戒し、人目を忍んで2つの空き部屋を見終わり、私室のドアを開ける。
ここはつい先程まで自分たちがいた場所だ。使用人により綺麗にベッドメイクが終わった後のようだった。
「まぁ、何かあるはずも無いか…」
一応ぐるっと部屋を回るが異変は見当たらず、部屋を後にする。
あとは残りのふたつ…ドアの方を見てみるが、応接室のドアの前には誰かの従者と思しき人間が立っている…という事はまだ使用中なのであろう。
「それじゃ、給湯室だな」
給湯室のドアを開ける。
他の部屋に比べてそこは圧倒的に狭く、窓辺に机が置かれ、そこにティーポットやカップやソーサー等が綺麗に並んでいる。横にある棚には何種類あるのか分からない茶葉の瓶が置かれており、机の隣には大きな銀色の箱がある。念の為開けてみると…それはただの冷蔵庫であった。
「……やっぱり俺の気の所為だったか」
結局どの部屋にも、誰かが隠れている等の異常は見当たらなかった。諦めて部屋を出ようと冷蔵庫を閉めた時……誰かが背後からヨトの口を布で覆った。
「………っっ!!??」
嗅いだことの無いツンとした匂いがしたかと思うと…そのままヨトの意識は薄れて行った。
(…ある、じ………)
「遅いな…」
指で机を叩きながら、手元にある金細工が施された小さな時計をルークは5分おきに確認していた。
ヨトが部屋を出て、既に1時間半が経過しようとしている。
「どこに行ったんだ」
いつまでも帰ってくる様子のない状況に耐えかねて、ルークが席を立ち上がった時、机の隅に置かれた銀色の丸い機械から音が鳴った。
「…はい、…アレックスか?どうした」
その玉は通信機になっているようで、何やら慌てた様子のアレックスの声がそこから聞こえる。
『おい、ルーク、今ヨトは一緒にいるか!?』
「ヨト…?いや、今ここには居ないが…」
いつもとは違う…明らかに焦った様子のアレックスに、ルークは怪訝そうな顔をする。
『クソ……遅かったか…今、例の樹海の近くにある廃屋に誰かが連れ込まれたって連絡が入った…』
「なに……?まさか……」
嫌な予感がした。
ルークの胸に過ぎった不安が、どんどん色濃くなっていく。
彼が手にしている通信機の金属部は、外部からの圧力でミシミシと音を立てていた。
『…その連れ込まれた人間ってのが、黒髪に黒装束の若い男だって話でな…もしかしたらと思ったんだが…』
「……ヨト…!!!!」
ルークは通信機を投げ捨てると、走って部屋の外に出た。
『あっ、おい……ルーク!!!!!』
通信機から聞こえる叫び声は、彼の耳にはもう入って居なかった。
同じ階層の部屋を全て見て回る。だが、どこにも彼の姿は見当たらない。
最後に今朝まで2人で過ごした私室のドアを開けるが…そこにも愛しい人の姿は見当たらなかった。
「…クソっ……」
ルークは何かを呟きながら、私室の窓を開けてそこから勢いよく飛び出す。
「来い!スレイプニル!! 」
そう叫ぶと、彼の下に大きな魔法陣が光り、そこから現れた黒い馬がルークを背に乗せそのまま宙を駆ける。
スレイプニルと呼ばれたその馬は、もはや伝説上の生き物に等しい。漆黒のその身から禍々しい程の黒いオーラを放ち、そこから伸びる8本の足は何よりも早くその地を駆け抜ける事が出来るという。
そんな神話まがいの生物を、ルークはこの緊急事態に当然のように召喚した。
(ヨト……)
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