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和栗

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「・・・」
「ふ、ふ、ふ、」
「・・・ちょっと飽きてきた」
「え!?あ、ちょ、うわっ」
腹筋したいから足を押さえて、と言われて足に乗って押さえていたけど、飽きた。立ち上がると和多流くんはコロンと後ろに倒れた。
「涼くん~!もう少し、お願い!」
「だって本当にただ腹筋してるだけなんだもん」
「じゃあチューしていい?」
「意味分かんない」
「だから、こうやって・・・」
もう一度足に乗ると、また腹筋。かと思ったらチュッと触れるだけのキス。そしてまた倒れる。
「つまんない」
「えぇー!?えー・・・んー・・・」
「まぁ、もう一回してみて」
「ん。ふ、んぶ!?」
起き上がった顔をガシッと掴み、深く深くキスをした。
「んむ、む!」
「へへっ。はい、もう一回」
「ちょ、ちょっと、」
「ほら!早く」
もう一回腹筋。期待のこもった目。プイッと無視をすると、ニヤッと笑った。
「燃えるなぁ。いつしてくれるか楽しみだよ」
「もうしないよ」
「んー?うそ、だねっ!」
「しーなーい」
腹筋をする度に期待のこもった目で見つめてくる。
顔を避けながら楽しんでいると、ぜーぜーと息を切らしながら倒れ込んだ。
汗だく。
足から降りると疲れたように足を伸ばして、あーもう!と臍を曲げた。
「ベロチューしてよー。バカー」
「あ、バカって言った!くらえ!」
覆い被さって脇腹をくすぐると、和多流くんは身を捩って避けようとした。
「ひひひひひひひひ!!やめ、ごめんごめん勘弁!!」
「首は?」
「あーもうごめんなさい!あはははは!ひ、ひははは!」
「笑い方面白い」
「あー、あー、もぉ、疲れたぁ・・・!」
胸が激しく上下する。ちゅうっと首筋に吸い付くと、うっすらと赤い跡がついた。
「あ、もー。可愛いことして」
「しばらくお客さんと会わないんでしょ?」
「・・・もっとつけて」
「えぇ?普通もっとつけたがるかな。ていうか、皮膚が薄いところじゃないとつかないもん」
「・・・ふむ。確かに」
腹筋は硬くて吸い付けないし、腰とかかな。
手首とか?でもあんまり露出するところはなぁ。
「やっぱ腰かな」
「んー?ここ」
ジャージを脱ぐと、パンツを捲って内腿を出した。
「おれしか見えないし、ここならいっぱいつけられるよ」
「・・・もー。そんなにつけてほしいの?」
「うん。で、おれもつけたいな」
「え?」
「ほら、足こっちに向けて」
「わぁ!」
スウェットを脱がされ、後ろを向かされて腰を引っ張られた。和多流くんの顔の上に尻餅をつく。
「わぁあ!」
「やばっ。絶景。このままでいたい」
「バカバカ!」
「ふふふ。足を伸ばして。で、おれの太ももにいっぱいつけてね」
恐る恐る足を伸ばすと、その間に頭を入れてチロチロと内腿を舐められた。
「ん、くすぐった、」
「んー。ここなら思う存分つけられる・・・ん、ん、」
「ふ、ん、」
内腿に吸い付く。
赤い跡がいくつもついていく。音を立てて舐めると、ペニスが喉を押した。むくむくと大きくなっていく。
「わ、」
「生理現象だから気にしないで」
「あっ、」
何度も吸いつかれて足が跳ねる。
気持ちいい・・・。
力を抜いて足を撫でていると、いきなりパンツをずらされた。ぢゅうっと吸い付かれる。
「わぁ!」
「涼くんのお尻、色白だから映えるね」
「いきなり、やめてよ!」
「・・・舐めていー?」
「ダメ!もうやめる!」
起きあがろうとすると腰を思い切り押さえつけられた。
「あ、やだ!もぉ!和多流くん!」
「おれからは逃げられないからね」
「舐めたらしばらくしないから!」
「えぇ!?」
「和多流くんが新しく用意したコスプレ衣装も着ないからね!」
「待って待って、何で知ってんの!?」
「バレバレだよ!」
「~~っっ!じゃぁ!シックスナイン!フェラで我慢するから!」
「・・・それの何が我慢なの?」
バシッと膨らみを叩く。ビクッと腰が跳ねた。
「い、今のは痛いよ」
「お仕置き」
「あっ、」
かぷ、と布越しに口に入れる。柔らかい。
「む、ん、」
「涼くん・・・気持ちいい・・・」
「和多流くんは何もしちゃダメ。おれがした後ね」
「・・・お尻見てていい?」
「触ったら怒るよ」
「見てるだけで幸せ」
パンツをずらし、ペニスが勢いよく飛び出す。亀頭を口に入れて舌先で撫でる。
両手で包み込んで擦ると、質量が増した気がした。
「ふむ、む、ぅゔ、」
「お尻、ヒクヒクしてる・・・可愛い・・・」
「ぷぁっ、ん、ん、」
「ゔぅっ!」
無理やり根元まで咥え込む。必死にスライドさせながら膨らみを揉むと、お尻を掴む和多流くんの手に力がこもった。
「あ゛ー・・・やばい・・・それやばいって・・・」
「ん゛え゛っ、えほっ、ふ、む゛ぅっ、」
喉の奥を締める。口の中で和多流くんが激しく脈打って、気持ちいいと叫んでいるようだった。
「涼くん・・・!はぁ、一回、いったら、おれがしていいん、だよね・・・!?ね、・・・?あー・・・それ、気もちぃー・・・」
「ん゛、ん゛、」
「涼くん・・・」
お尻を撫でられた。切ない声。ぎゅうっと胸が詰まる。
腰をあげて下着をずらし、和多流くんの顔の前に突き出すと、ペニスが口の中で大きく跳ねた。
「すげー、やらしい・・・!はぁ、んっ、」
「んぁぁっ!」
ペニスが激しく水音を立てて扱かれる。厚い舌が絡み、追い立ててくる。
「はぁ、あんっ、あぁっ、」
「涼くん・・・!だめだ、中挿れたい・・・!ごめん!」
「ん゛ぶぅゔ!?」
いきなり頭を押さえつけられた。
喉の奥までペニスが入ってくる。
下から腰が突き上げられ、目の前がチカチカした。
「お゛ぅっ、!?え゛ぇっ!あ゛ん゛ぅ!!」
「ごめ、ごめん、いく、・・・!あ゛ぁ!」
「ぶあ゛!げほ!げほ!ゔぇえ゛っ・・・!ぐるじぃ・・・!」
「はー、はー・・・!ごめん・・・気持ちよくて、我慢、できなくて・・・!」
「ば、ばか・・・!くぅしかった・・・」
「ごめんね・・・あ、あまりにも可愛くて、気持ち良すぎて・・・ごめん」
下から抜け出し、脱力したおれの体を抱き上げて口を拭いてくれる。
もみあげを引っ張ると、ぎゃ!と小さく叫んだ。
「喉、痛い、」
「も、もうしないから!無理させてごめん・・・」
「・・・ケーキ」
「え?」
「ふわふわスフレパンケーキ・・・食べたい」
和多流くんの目が輝く。何度も頷くと、そそくさとおれの体を整えて着替えを持ってきた。
至れり尽くせり。きちんと服を着せてくれる。
「少し休んでからうがいして、行こ」
「カフェラテも頼みたい」
「もちろん!」
「和多流くんもパンケーキ食べたいよね」
「え?」
「おれと一緒に食べてくれるよね?おれね、スタンダードとスペシャル、両方気になってて。和多流くんスタンダード頼んでよ」
「あ、いやぁ、おれは・・・」
「カフェラテもね、一番大きいのがいい」
「・・・」
和多流くんは苦笑いをすると、諦めたように浅く頷いた。
筋トレしたばかりだもんね。
本当はプロテインを飲みたいのも知ってる。
しかもセックスした後はお腹が空くから、余計にプロテインがいいのも知っている(厳密に言えば最後まではしてないけど)。
甘いもの、しかも糖質もりもりのものなんて本当は食べたくないのも、知っている。
でも逃さないもんね。
「楽しみ。和多流くんと食べるの楽しみだったんだ」
「じゃぁ、行く・・・?」
「うん」
腕をからませてみると、少し嬉しそうな顔をした。
目的のカフェに行ってスフレパンケーキを頼むと、和多流くんは黙って食べ始めた。甘いものは好きだから内心複雑だろうなぁ。
ちょっと楽しい。
「おいしいねぇ」
「うん」
意地悪をされた後の意地悪返しは、少し楽しかったりする。
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