Evergreen

和栗

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和多流くんが飲み会に出かけると言うので分かった、と返事をした。
あ、ネクタイ少し失敗した。結び直していると、一緒に行く?と言われた。
「えっ!?おれが?何で?」
「なんでって・・・無害なやつとだから」
「いやいや、初対面だもん。それに、飲み会自体久々でしょ?ゆっくりしておいでよ」
「涼くんもおいでよ」
「えぇっ」
珍しく何度も誘われて、渋々頷いた。和多流くんが無害って言うなら変な人ではないだろうけど・・・なんでおれまで?
仕事終わりに合流することにして、とりあえず仕事に出かけた。
どんな人なんだろう。無害、無害・・・。同級生、とか?クマさんも来るのかな。来るなら言うよね?でも何も言わなかったから、きっと違うだろう。
前の会社の人?でもカミングアウトしてないって言ってたし、専門学校の同級生とかかな。ノンケなら確かに無害だな。あれ?じゃあ余計に意味がわからないぞ。なんで誘われるの?え?普通積もる話もあるじゃん?
謎が残ったままだけど、仕事が終わったのでとりあえず目的地へ向かう。
駅に降り立つと和多流くんが立っていた。にこやかに手を振る。
「お疲れー。うーん、知らない駅で待ち合わせって新鮮」
「お、お友達は?」
「店にいるよ。行こうか」
薄手のロングコートのポケットに手を入れて、こっち、と促す。ブラウンの革靴はピカピカだった。
なんかおしゃれ。やっぱりおれ、いない方がいいんじゃないかな。
向かったのはカフェバーだった。
和多流くんは周りに見向きもせずに店の奥に歩いて行くと、半個室になっている席のカーテンを割って入っていく。
そこにいたのはとってもガタイのいい、そう、ボディビルでもやっているかのような、筋肉ムキムキの男の人だった。年は和多流くんくらいだろうか。おれを見ると細い目を大きく見開いた。
「お待たせ」
「えぇー!わた先輩、この子が彼氏なの!?」
え。
えぇっ。
不釣り合いかな。いや、うん、分かってるけどさ。
でも、初対面なんですけど・・・。
「大丈夫!?合法!?」
「合法だ、バカ!謝れ!」
「わっけぇー!あ、失礼しました。どうぞどうぞ」
「ちゃんと謝れ」
バシッと頭を叩く。いい音がした。
「いたたっ・・・。ごめんなさい。あの、彼氏さんもごめんなさい。あまりにも若いし可愛いし、わた先輩には勿体無いからびっくりして・・・」
「勿体無いのは確かだな。うん。黙れ」
「えー、どこで知り合ったの?てかわた先輩、年下苦手だったじゃん」
「この子は別格。おれの可愛い恋人なの。涼くんごめんね。こいつね、中学からの後輩。犀川彰」
「アキラって呼んでね」
「犀川でいいよ。で、この子は春日部涼くん。下の名前で呼んだらぶん殴るよ」
「はーい。相変わらず独占欲は強いね。いやー、クマ先輩には聞いていたけど、まさかこんな若いとは・・・22くらい?」
「27です」
「えーー!!見えない・・・!肌綺麗だなぁ」
いちいちオーバーリアクション。賑やかな人だ。
「さてと、瓶ビール飲むかな。涼くんは?」
「カクテル・・・甘いのがいい」
「おれ、もう一杯グラスビールにしよーっと。わた先輩、瓶ビールはないと思うけど。なんでわざわざ瓶ビール?」
「お前が、おれの涼に、手を出した時に殴るためかな」
おれの涼に、を強く言うので恥ずかしくなる。というか、呼び捨て、に、キュンってする。呼び捨ての方が好きなんだよな・・・。普段から呼び捨てでもいいのに。
犀川さんは、ははっと呆れたように笑いながら、おれ男に興味ないよ。と答えた。ノンケさんなんだ。和多流くんの後輩だし、ゲイなのもおれがいるのも分かってるから、てっきりゲイなんだと思ってた。
「げー、瓶ビールあるし。気をつけないとなぁ」
「涼、こいつね、余計なことばっかり言ってムカつくと思うんだ。容赦なく水とかかけていいから」
「えぇっ。しないよっ」
「わた先輩って、おれの成長を全く受け入れてないよね。おれ今年で35だよ?大人になりましたよ?」
「じゃあ飲んだら脱ぐ癖直せよ」
「全裸にはならないから成長したよ?」
「おっぱいおっぱい叫ぶのも直せ」
「女の人のおっぱいは日本の宝だよ?叫ぶよ?」
「はい。2人でかんぱーい」
「あ!ひどい!おれも!」
3人で乾杯をする。
見た目は硬派な感じなのに、チャラいのかな。
・・・ていうか。



和多流くんだっておっぱいおっぱい言うくせに。
大好き!って言いながらさわるくせに。



ちらっと横目で見ると、目を逸らされた。
「あーでも、男のおっぱいにも夢は詰まってますよね!」
え??
あれ??
「声がでかい」
「おれ、最近気づいたんですよ」
「はいはい」
「真剣に聞いてくださいよ。おれの仕事、偏見持ってないのってクマ先輩とわた先輩だけなんだから」
「みんな仕事には偏見を持ってないけど、お前に偏見を持ってるんだよ」
「えー!」
「涼、こいつ女性向け風俗のセラピストなんだ。別におかしくないよね?」
女性向け風俗?
初めて聞いた。なんなんだろう。ホストとは違うのかな。
首を傾げると、犀川さんはニコッと微笑んだ。
「あ、知らない?じゃあこれどうぞ」
「あ、はいっ。・・・ショコラ?」
差し出された真っ黒な名刺に金色の文字でChocolatと書かれていた。裏には「ショウ」と書かれている。名刺の隅にQRコード。
「ありがとうございます」
「おれの在籍してるお店だよ」
「綺麗な名刺・・・」
「これがサイト」
和多流くんが見せてくれる。チョコレートの背景に、ぼんやりとロゴが浮かんでいた。メニューにはセラピスト一覧と料金表。とりあえずセラピスト一覧を見てみると、トップに犀川さんが出てきた。バラの花びらを咥えて、じっとこちらを見ている。なんとなく、吸い込まれそうになる。こっちにおいでと言われているみたいだった。
「それ、わた先輩が撮ってくれたんだよ」
「え!そうなの!?すごい!全員分撮ったの?」
「うん」
「すごい!みんなかっこいいよ!和多流くんて写真撮るの、上手いよね」
「独立する時に人に教わったからね。なんでもできたほうがいいって言われて」
「サイトも?作ったの?」
「うん」
「すごい!やっぱりすごいねぇ。形に残るもの作る人って、かっこいいよね」
おれにはとてもじゃないけどできないもん。
訳がわからなさすぎて、使い方を教わったりしてなんとかやって行けてるけど・・・やっぱり難しいことが多い。
和多流くんはスイスイ動かしてあっという間に完成させるから、本当に本当に、かっこいいんだよね。
「なんだ。意外とベタ惚れじゃん」
「は?」
「え?あぁ・・・なんか、わた先輩が長年片想いしてようやく付き合えたって聞いてたから、どんな性悪かと思ってたんですよ」
えぇっ!?
性悪って、初めて言われた!
ギョッとしていると、和多流くんが思い切り顔をしかめて口を開いたので、慌てて手で押さえる。
「あの、確かにおれ、鈍感で全然気づかなくて・・・その、すいません・・・」
つい謝ってしまう。中学からの後輩ってことは、かなり仲はいいはず。仲の良い先輩がこんな年下に翻弄されていたら(してるつもりなかったし今もないけど!)嫌に決まってるよな。
「・・・めっちゃいい子じゃん。さっきから食器、自分の方に寄せて片付けてくれるし、食事も取り分けてくれるし、あんまお酒飲まないし、わた先輩のことめっちゃ褒めるし、顔デレデレだし」
「あ、う、・・・すいません」
「いや、おれもごめんね。勝手に、わた先輩にとってよくない人なら引き剥がそうと思ってたんだ」
「お前なぁっ、」
「だってさ、あんた、すげーやな思いしたじゃん。だから心配だったんですよ。あんたがまたいなくなったらって思ったら、おれ、多分冷静じゃいられない」
強めの口調。和多流くんは困ったように顔をしかめた。
知ってるのかな。
和多流くんが酷い振られ方をしたこと、全部捨てて来たこと。
じっと犀川さんを見ていると、和多流くんから目を逸らすことなくただただ見つめていた。きっと、おれには分からない2人の絆とか、あるんだろうな。
犀川さんは和多流くんのことが大事だから、いなくならないで欲しいから、本当におれを警戒していたのかもしれない。
「涼は、」
「そんな子じゃないの、分かったよ。もう分かった。連れて来てくれてありがとう」
「・・・はぁ。だから連れてこいってしつこかったのか。お前にしちゃ随分と気にしてるから、狙ってんのかと思った」
「ないない。春日部くんは可愛いけど、おれ、男性も女性も40以上がいいって最近気づいたんだよね」
ぐーっとお酒を煽って口を拭う。
あ、あれ?男性に興味はないって・・・そういえば男のおっぱいにも夢が詰まってるって、言ってたな・・・。
話がポンポン飛ぶから、少し出遅れる。
「あのさ、お前ノンケじゃなかった?」
「そう」
「女の子にたくさん触りたいからってホストになったよね?」
「うん」
「で、もっと触りたいからってセラピストに転身したんだよね?」
「うんうん。わた先輩、おれね、気づいたの。20代より40代の方が性にオープンですっげーエロいんだよ。おっぱいもね、張りがないって気にする人が多いけど、違うんだよ。ない方がね、手の中で溶けていくから気持ちいいんだ」
「あそ。全く興味はないけど」
「でね、お尻もそうなの!つかむとね、ズブズブーって埋まっていきそうなくらいもっちりで柔らかいの。それをマッサージするってさ、幸せすぎない?しかもね、たまにチップをくれる人もいるんだよ?最高すぎない?」
「女性とチップは置いといて、お尻に関するその気持ちは賛同できる」
「でしょ!?わた先輩は分かってくれると思ったんだ!」
「・・・いいよな、お尻」
あ、おれが隣にいること忘れてる。
とりあえず黙っておこう。ジャスミン茶を注文して地蔵のように静かに黙り込む。
犀川さんは袖をまくると、身振り手振りで話を続けた。
「おれのお客さんってほぼリピーターなんだけどね、この間久々にご新規さんが来てさ。それがね、男性だったの。うち、別に男性お断りとは書いてないし、女性のセラピストもいるからそっちと間違えたかなと思って連絡したら、おれが良いって言ってくれてさ。でね、ラブホで待ち合わせてみたら、現れたのが良い具合に枯れた40代のサラリーマンでね!細くって、オドオドしてて、服装は清潔感があるんだけどメガネは年季が入ってて、うわー、どんなふうに乱れるんだろうと思ったら楽しくて楽しくて!」
「枯れたサラリーマンねぇ・・・。ふふっ」
にやーっと口角があがる。え、妄想してるの?なんか、やな感じー。
おれのこと、本気で忘れてる。連れてきたの誰だよ、と思っていたら、いきなり太ももを掴まれた。しかも笑顔で。
「ふふふふふっ」
「な、何?」
「・・・良い感じに歳食った涼くんを想像したらなんかもう」
「あぁ、良い感じに年取りそうだよね。体型もそのまま維持しててモテそうな感じ」
「おい!おれのだぞ!妄想してるな!」
ガッと勢いよく肩を抱き寄せられた。
ちょっと、嬉しかったりして。
「でねでね、施術の前にカウンセリングするんだけどね。何がしたい、して欲しい、できるようになりたい、嫌いなこと好きなこと、根掘り葉掘り聞いてお風呂に入るんだけど・・・なんと未開発の人でした」
「ん?じゃあ開発希望?」
「それがねー!違うんですよ!他人とそういうことをしたことがないから人恋しかったんですって!可愛くないです?!おれ、めちゃくちゃ嬉しくって!なんかね、なんかね、なんでおれなのって聞いたら、顔が可愛かったからって顔真っ赤にしてね、言うんですよ!めちゃくちゃ可愛いすよね!!」
自分の体を抱きしめて、すごくすごく嬉しそうに話すから、なんとなく、その男性に好意を持っているのかなと思った。
目尻は下がってるし、ニコニコしてるし、優しい顔をしていた。
和多流くんは瓶ビールを飲み干すとパッとおれのカクテルを取り、口をつけた。
あ、バレてた。
アルコールがキツくて飲みづらかったんだ。うー、かっこいいなぁ。お尻の話しで少し呆れたけど、こういうとこ、好き。
ちゃんと見ていてくれてるんだ。
飲み干してペロッと唇を舐めると、くしゃくしゃと頭を撫でられる。
「無理しないでね。飲みたいのはどんどん頼んで良いけど、飲みづらかったらおれが飲むから」
「・・・ありがと」
「んーん。・・・かわい。ほんと可愛いねぇ」
え?酔ってる?大丈夫?
「わた先輩!ちゃんと聞いてよ!」
「はいはい。で?施術したの?」
「しましたよ。マッサージ。エロなしの。おれ、習いに行ったんですよ。資格とりたくて。リラクゼーションなんとかってやつ。でね、かんわいかったんすよー・・・。おれ、男性って初めてだったけど、あんなに可愛い声出るんですね。知らなかった・・・。おれ、基本的にキスはNGなんすけど・・・気づいたらその人にしちゃってて・・・。やべーすよね・・・」
「それ、罰金ものなんじゃないの?」
「あぁ、セラピストがOK出しててお客さんも望むならなしで、セラピストがNGでお客さんが望んでて、無理やりすると罰金なんすけど・・・逆ってどうなんだろ。その人ね、嬉しいよって言ってくれて、黙っておくって言ってくれて・・・優しいなーって」
「ふーん」
「でね!本題なんですけど、おれってゲイなのかな。初めてなんですよ。男性に可愛いって思ったの。あれから定期的にリピートしてくれてて、明日も会うんすよ」
「へー」
「・・・一回ね、ドタキャンされたこと、あって。仕事でバタついて予約の2時間前に、キャンセルされて、違約金払ってもらったけど、おれ、そんなのいらないからそのお金でもう一回来てよって、思っちゃった。すげー寂しくて、会いたくてたまんなくて、次の予約が入った時、めちゃくちゃ嬉しかった」
「ゲイだったら安心すんの?」
「え?」
和多流くんが冷たく言った。タバコを取り出すと火をつけて勢いよく吸い込み、天井に向かって煙を吐き出した。それをぼんやりと見ていると、ぐいっと引っ張られて抱きしめられた。
「んぷっ!」
「お前がゲイかどうかなんてしらねーよ。バカ」
「・・・わ、和多流くん、」
「どうでもいいって。ゲイかどうか確かめたくて涼を連れてこいって言ったの?他の男でもそういう感情になるのか確かめたかったか?あのね、この子はおれのもの。舐めた真似したらお前の大事な商売道具、壊すから」
「和多流くん!そんな言い方、」
「つーかプロなんだろ?ど素人に聞いてどうすんだよ。お前がゲイだと思うならゲイだし、違うと思うなら違うんだろ。性別なんて関係なくなるくらい魅力的なんだろ。それで良いじゃん」
「・・・嫌われたくないから、」
あ、和多流くんと同じこと、言ってる。
頑張って犀川さんの方を向くと、真剣な顔をしていた。
好き、なんだろうなぁ。でもこの人はプロだ。そう軽々しく想いを伝えるなんてできないだろう。
犀川さんはしばらく黙り込んだ。俯いたまま、静かに呼吸を繰り返す。
その姿を見ていると、胸が苦しくなった。和多流くんもこんなふうに悩んだのかな。誰かの前でこんなふうに、弱々しくうなだれたのかな。おれ以外の前で、こんな姿、見せたのかなぁ。
「涼くん」
「え?ん、」
タバコ味のキスをされた。耳元で囁かれる。
「ごめんね。ちょっと怒りっぽくて」
「う、ううん」
「大丈夫だよ。すぐ立て直すから」
「え?」
「犀川、アホなんだけど頭は悪くないからさ」
優しく微笑んだ。首を撫でて、またキスをされる。ひ、人前なのに!恥ずかしい!
タバコは一口吸ってそれっきり、灰皿に押し付けられた。
もう一杯飲もうかと言われてカクテルを注文した時、犀川さんの顔が上がった。
「わた先輩!マジでありがとう!」
「ん」
「おれ、プロ失格です。まだまだです。お客さんに惚れるなんて」
「うん」
「でも!出会っちゃったんだから仕方ないですよね!向こうはセラピストとしてしか見てないだろうけど、ゆっくりアプローチしていきます!そうやって思ったの、あの人だけなんで」
「ん。がんばれ」
「でね。想像したらやっぱ、女性の体も大好きでした!へへっ!多分性別とか超越してんのかもしれません。あの人、本当に綺麗なんです」
「あ、あ、あのっ、」
「え?何?」
つい口を挟む。犀川さんも声をかけられるとは思ってなかったのだろう。驚いた顔がこちらに向いた。
「あの、おれの、周りに、その、・・ゲイじゃなくてもお互いに惹かれあって付き合って、長く続いているカップルがいます。本当に、すごく仲が良くて、羨ましいって、思うくらい・・・。カテゴリとか気にせず、自分のことを大事にしたら良いのかなって思います・・・偉そうにごめんなさい」
「・・・そうなんだ。なんか、希望が湧いてきた!確率は低いままだけど、そういうのを聞くと元気になる!ありがとう!」
「あ、いえ、いえ・・・」
「今度おれのお店来てよ!お礼をさせて!感度を上げるマッサージとかも出来るからさ、無料でやるよ」
「え!?んと、」
ちょっと、興味が湧いた。感度が上がったら和多流くん、もっと悦んでくれるかな。愉しめたり、するのかな。
和多流くんが喜んでくれるなら、行っても良いかも。カウンセリングしてからやるっていうし、エッチなことしなければ和多流くんも、許してくれるかな。あ、でも素手で触るのかな。無理だな。
「あっ!?んぷっ!?」
返事をしないでいたら、いきなり髪の毛を掴まれて顔を上げさせられ、強引にキスをされた。
舌が絡んで、ベンチシートの上に押し倒される。目を開けると、怒る和多流くんがいた。ジタバタともがく。
「ゔんっ!ごめ、ちがぅ、」
「わー!わた先輩!今のは違うでしょ!ストップストップ!」
「和多流く、ごめん!違うの!違うよ!聞いて!」
顔を抑えてしっかり目を合わす。睨まれたけど、嬉しくなってしまう。この怒りも寂しさも、おれのせいなんだと思うと、なんだか、独占欲が湧いて、たまらない気持ちになる。
「何。興味出てきた?」
「和多流くんがもっと喜んでくれるかなって、思って、」
「はぁ?」
「だ、だから、」
「わた先輩、この子あんたのことしか見えてないよ。だから、怒るのはお門違い。わた先輩のために頑張ろうとしたんだよ」
「・・・意味が分からない」
「んと、だから・・・マ、マッサージ、受けたら・・・感度が上がって、和多流くんのこともっと独占できたり、喜んでもらったり、できるかなって・・・」
耳元で必死に伝える。ピクンと耳が動いた。可愛い。キス、したい。でも人前だし和多流くん、怒ってるし。
「行く必要ない。もう十分だし、やりたいならおれがする」
「あ、じゃあわた先輩にやりましょうか?教えるよ?」
和多流くんの目がギラっと光った。起き上がって犀川さんと睨み合う。こ、怖くないのかな、犀川さん・・・。
「複数OKだし。春日部くんはそばで見てたら?」
「え、」
「やるならおれ1人で行く」
「わた先輩の体に叩き込むのが1番早いだろうな。すぐ覚えるもんね」
え?犀川さんが和多流くんに触るの?え、えぇっ。

・・・和多流くんの声、聞かれるのやだなぁ・・・。

あ、そうか。だから和多流くんも今怒ったのか。おれって、浅はかだな・・・バカ。
素肌に触られるのも、嫌。おれだけが触りたい。
「涼が悲しむから行かないけどさ」
「え、」
「うん。分かった。じゃあ別のことでお礼させて」
「奢れ」
「もちろん」
「・・・」
「涼、おれのこと考えてくれるなら、おれの感情も込みで考えて」
「・・・ごめんね」
「・・・うん」
「ははっ!2人とも可愛いね。付き合って2年でしょ?それでその温度なんだ。いいなぁ。ラブラブじゃん」
「困ったもんだよ。純粋過ぎて危なっかしいし、まだこうやっておれのこと振り回すんだから」
「ご、ごめんなさいっ・・・」
「あー、こりゃーわた先輩が離れらんねぇな。怒ってるんじゃなくて、この人、噛み締めてんだよ」
「・・・怒ってないの?」
「怒ってるよ」
「っ、う、あの、」
「もー、あんたやめなさいって。内心ニヤニヤしてんでしょ。この人サディストだから大変だと思うけど、許してやってね」
「はい・・・」
様子を伺うと、和多流くんはニヤッと笑った。顔が熱くなる。
からかい半分、怒り半分なんだろうなぁ。
「あーでもさ、おれ、わた先輩にはきて欲しいな」
「はぁ?行かないって」
「うちの店にだよ」
「だから、」
「セラピストとして!きて欲しいの!今ね、男性客にもフォーカス当てようとしててね、男性ウケの良さそうな人探してんの!何人か面接したけど全員落としてるんだ。ろくな人が来なくて。わた先輩ならうまくやれそうだなって、店長とも話してて!」
「勝手に話すなよ。行くわけないでしょ」
「兼業でいいです!週一でいいし、本番はNGだから勃起しなくていいです。ただ本当にきちんと男性のこと分かって開発できる人、探してて。お店潰したくないから、だから、」
「行かない。涼以外触る気ない。他の人に声をかけた方がいいよ。おれ、割り切れないから」
「でも、」
「行けないよ。ごめんね」
優しく、優しく断った。犀川さんは一瞬悲しそうな顔をすると、無理やり笑顔を作る。
お店が大事なんだろうな。店長さんのことも、きっと、大事なんだ。だから真剣に和多流くんを勧誘したんだ。仕事に情熱を注ぐ人なんだと、改めて思った。
「分かりました。また今度、声かけますね」
「行かないって」
「へへっ。諦め悪いんで」
「面倒なやつだな」
「あっくんの次に面倒だと思いますよ」
「あいつは殿堂入り」
「あっくん?」
「朝多流のこと」
え!朝多流さんの友達!?あ、でも、そうか。和多流くんの後輩だもん。おかしなことはないよね。
「あっくんのことも知ってるの?」
「はい」
「変な人だったでしょ。あの人、水ばっか飲んでなかった?」
「飲んでました」
「水道水が好きなんだよね。面白いよねー。なんだ、家族ぐるみじゃん。じいちゃんも喜んでるんじゃない?」
「そうかもね」
「今度みんなで会いましょうよ。あっくんの結婚式の時とか!春日部くんも呼ばれてる?」
「はい。ありがたいことに・・・」
「じゃあみんなで飲もうよ!楽しみだ!」
「脱ぐなよ?」
「うーん、自信ねぇなぁ。今日はあんまり飲んでないから脱がないけどさぁ。あ、春日部くんに連絡先聞いてもいいですか?」
「なんで?」
「だって春日部くんと連絡が取れれば、あんたの無事も確認できるでしょ?」
「必要?」
「必要。春日部くんからは離れないでしょ」
和多流くんは呆れたように笑うと、涼がいいなら、と言った。
いい?と聞かれたので何度も頷いて連絡先を交換する。アイコンが先ほどの宣材写真だったので、少し笑ってしまった。
「そっちは仕事用。今プライベートの方も送るね」
「ありがとうございます。あの、」
「ん?」
「和多流くん、もう黙って消えること、ないと思います」
2人がキョトンとした顔をする。
「おれ、付き合って少しの頃家出して、黙っていなくなる怖さとか身をもって体験させちゃったから、きっともうしないです」
和多流くんはカーッと顔を赤くすると、項垂れた。
犀川さんはニヤニヤっと笑うと、マジで?と手を叩いて笑う。
「春日部くんが家出したの!?なんで!?あ、夜が激しかったから!?」
「いえ、何もなくて?」
「嘘ー!?手、出さなかったの!?はぁ!?ガチじゃん!!純愛かよ!?うけるーー!」
「和多流くんがどういう感情を持ってるのか疑っちゃってて・・・分からないことばかりで、勝手なことしちゃったんです」
「え、で?また戻ってきたの?こんな執着心と独占欲の化身みたいな人のところに?何で?」
「え?好きで・・・」
「す、す、好きで!?好きなのに家出して?また戻ったの!?ちょっと待って!?意味不明すぎて笑える!愛ゆえにってこと!?わた先輩もよく許したね!?」
「え、」
「普通イヤじゃない?」
そ、そうだよね。普通嫌だよね。
和多流くんはため息をついて顔をあげ、おれを見てまたため息をついた。唇を突き出して眉間に皺を寄せる。
「言わなくていいのに」
「ごめん」
「あー、でもそうかぁ。許しちゃうのか。好きだもんなぁ」
「許すとか、許さないとかじゃない」
「え?」
「無事でよかったって、心底安心した。それだけ」
「・・・ベタ惚れじゃーん!!初めて見た、こんなわた先輩!春日部くん、やるねぇ!あはははは!」
和多流くんは水の入ったグラスを持つと、いきなり犀川さんにかけた。
止める間もなかった。
「和多流くん!」
「いーのいーの!今日はだいぶ堪えた方だよ!いつもなら3杯くらいぶっかけられてるから!クマ先輩の方がひどいし。あの人わざわざピッチャー貰って頭からかけるからね」
「え!?それはいじめなんじゃ・・・」
「いや、こいつがクマを怒らせるんだ」
クマさんを怒らせる!?あの優しいクマさんを!?一体何をしたんだ・・・。
タオルで顔を拭きながら、犀川さんはおかしかった、と咳き込んだ。
「あーあ、今日は楽しいな。おれも引っ越そうかな」
「そう言って何年経ったか」
「そうですね。でもそろそろいいかも」
「つーかあの部屋、全然使ってないからたまには顔出せば」
「いやね?あの部屋に本格的に居住地を動かそうかなと!」
和多流くんがあからさまに嫌な顔をした。
部屋って、どこの部屋だろう。うちの近所に借りてるのかな。
もしこっちに来るなら、また賑やかになるだろうなぁ。
「なんで嫌そうなの!?」
「うちに入り浸りそうで嫌だ」
「な!?酷い!そんなことしませんよ!?」
「どこに部屋を借りてるんですか?」
興味本位で聞くと、あれ?と首を傾げた。
「隣だけど」
「隣?」
「101。あれ?わた先輩話してないの?」
えぇっ!?
隣の部屋、犀川さんが入居してたの!?
お金持ちの友達って、犀川さんだったの!?
和多流くんはぐーっと黒ビールを煽ると、絶対来るな、と言った。
「えぇっ!?何のために契約してるか分かんないじゃん!」
「別荘で使うって約束だろ」
「だってー、お金もったいないもん」
「来るなよ」
「もー。どうせわた先輩の部屋は防音なんだから良くない?」
え。
防音、なの?
防音・・・。カーッと顔が熱くなる。
そ、そういえば大きい声を出しても咎められたことはないし、上の階の足音とか聞こえないし、苦情が来たことも、ない・・・。
ていうかむしろ最近は叫ぶことが多くて、でも和多流くんはもっと叫んでいいよって言ってくれて、気にする余裕もなくて、言われるがまま、大きい、声・・・!
「わー。春日部くんてウブだねぇ」
「見てんじゃねぇよ」
「ぼ、ぼ、ぼうおん、て、」
「いや、まぁ、仕事で使うしある程度は防音設備しっかりさせておきたくて。・・・あとはまぁ、ねぇ?」
「あ、あぅ、あ、あ、あ、」
和多流くんがニヤニヤと笑う。
スルッと太ももを撫でられて鳥肌がたった。
「だからおれが越しても良くない?家賃払ってるんだし」
「お前ね、わざわざ先輩の持ち物件借りるか?普通」
「だぁって。わた先輩と繋がっていたいの!」
「きっしょくわるっ・・・」
「だってさぁー・・・」
「とりあえずその好きな人とやらとどーにかなってから考えたら」
「え?」
「その人と付き合えたら一緒に住むとかさ、考えたら。いい部屋なんていくらでもあるし」
「・・・どーにかなると思ってないでしょ」
「ないね」
「ひっでぇ!!今に見てろ!絶対おれのものにしてやるんだ!」
「はいはい」
和多流くんは楽しそうに返事をした。
深夜になり終電がなくなった頃、お開きになった。
犀川さんはすげー飲んだな!と笑いながらお会計を済ませた。お礼を言うと、今度また遊ぼうね、と微笑んでくれた。
「んじゃね。わた先輩、春日部くんに酷いことすんなよ?あんたみたいな人、春日部くん以外だーれも理解してくんないよ?分かってる?」
「余計なお世話だ」
「近いうちにアパート行くね。様子見も兼ねて。そん時またご飯食べよ。おれがあの人とうまくいったら奢ってよ。フラれたらさ、そうだなぁ、やっぱ奢って!あはは!」
「はいはい。気をつけて帰れよ。明日も仕事なんだろ」
「はーい。春日部くん、わた先輩はキミに任せたぞ!しっかり首輪、つけといてね!また会おうね!バイバイ!」
ブンブンと大きく手を振って、タクシーに乗り込んだ。見えなくなるまで手を振ってくれていた。
「あの、さっきはごめんね」
「ん?」
「勘違いさせて。お店は行かないから、もう怒らないでね」
「・・・まぁ、うん、理由が、その、おれのためっていうのだったから、いいよ。すげー嫌だったけど。涼くんたまに突っ走るところがあるから、次はやめてね」
「うん。・・・あの、犀川さんて・・・」
「ん?・・・あー、うん。全部知ってるよ」
困ったように笑った。そっか。知ってるんだ。
ぼんやりと次のタクシーを待つ。
しばらく静かにしていると、いきなり手を握られた。そのまま歩き出すと、和多流くんは前を向いたまま口を開いた。
「あいつね、すっごいガリガリでヒョロヒョロで、いじめられっ子でね」
「え!?」
「おれの同級生にカツアゲされてて、それを助けたんだ。あいつの爺さんと婆さんが資産家で、それを知った奴らから・・・いじめ通り越してリンチだな、あれは。すげーボロボロで、見てらんなかった」
「・・・助けたの?」
「まぁ、うん、そうだね。よく言えば助けたのかな。でもあの頃さ、おれはおれでめちゃくちゃむしゃくしゃしてて、何かしらの理由があれば人を殴れるんだろうなって思って生活してて、たまたまリンチしてるところ見つけて、リンチしてる側の人間、ボコボコにしてスッキリしてた」
「・・・和多流くんて人のこと殴るんだね。意外」
「いやそんな、その時くらいだし、痛いのは基本嫌い。・・・それから懐かれちゃったんだよ。おれあの当時結構ガタイが良くて、それに憧れたとか言って肉体改造して、あんなふうになっちゃった」
「そうなんだ。恩人って言ってたから、一体何をしたんだろうって思ってたんだ」
「大袈裟なんだよ、あいつは」
「でも、すごく救われたんじゃないかな。だって、リンチって怖いもん」
「ずーっと、おれの後ろくっついて回ってさ、クマにも懐いて、つるんでたな。高校も追いかけてきたときはビビったけど。でも嫌な気はしない。話すと面白いしね」
「うん。楽しい人だった」
「・・・おれが全部捨てて消えたくなった時さ、あいつ、わざわざじいさんちに来たんだよ」
「え」
「泣きながら探しにきたんだよ。びっくりした。で、笑った。めちゃくちゃ笑って、そんで・・・また、頑張ろうかなってちょっとだけ元気が出たんだ」
「・・・そっかぁ」
「昔話はおしまい。入ろう」
え?入ろう?
辺りを見渡すといつのまにかポツンとラブホテルがあった。びっくりして目を見開く。
「えっ!!」
「え?酔っちゃったし入ろうよ」
「タクシーは!?」
「高くつくもん。だったらさ、明日休みだしゆっくり朝に帰ろうよ」
「し、しないからね?」
「しないなら入っていいの?」
「・・・い、いいよ?しょうがないもん」
和多流くんはにこーっと笑うと、手を握って入っていった。すぐに部屋を決めてエレベーターに乗る。
「きたことあるの?」
「あるわけないじゃん。調べただけ。いいなって思ってた部屋が空いててよかった」
エレベーターを降りて部屋に入る。その瞬間、いきなり壁に手をついておれを押し付けた。
か、壁ドンって、やつか!
照れてしまう。顔、近い。
「なんでしないの?」
「・・・そういう雰囲気だった?」
「雰囲気とか抜きにして」
「・・・だって」
「ん?」
「・・・怒ってない?色々喋っちゃったし」
「正直ちょっと怒ってる」
やっぱり。
ちょっとピリついてるもん。
さっき余計なこと言ったからだろうな。
本当はマッサージのやつもかなり怒ってるんだろう。
「・・・怒ってる時はしたくないもん」
「・・・じゃあマッサージして」
「え?」
「ちゃんとご機嫌取りして」
「・・・そゆとこ可愛いよね」
ついぽろっと口にすると、むっと唇を突き出した。
頬を撫でて手を握る。
「・・・ごめんね?」
「・・・うん」
「・・・でも和多流くんもおしりとか余計なこと言ったよね?」
「う、はい」
「あとおっぱいってよく言うよね?」
「・・・」
「まだ怒ってる?」
「もう怒ってないです。ごめんなさい」
両手を上げて降参した。
うん、まぁ、お互い様。
じゃ、おしまいね。と言うとうん、と頷いてくれた。一緒にシャワーを浴びて大きなベッドに寝転がる。
テレビをつけると、映画を選択して適当に流した。
「気になる話がたくさんあったんだけど」
「ん?」
「犀川さんて和多流くんのこと好きだったの?」
「いや。それはないね。あいつ肉体改造したらめちゃくちゃモテ始めて、女の子取っ替え引っ替えしてたから」
「えっ」
「でもね、軽い感じじゃなくて、真面目に向き合ってたんだけど、フラれちゃうんだよ」
「へぇえー」
「意外と人のことよく見てるしね。フラれそうだなと思ったらそっと離れていくこともあったし」
「和多流くんは好きだった頃とか、ないの?」
犀川さんのこと可愛がってる(?)みたいだし。ありえなくもない。
だけど和多流くんは心底嫌そうな顔をすると、立ち上がって冷蔵庫を開けて水を取り出した。ガブガブと飲んで、唇を突き出す。
「気色悪いこと言わないでよ」
「えー?」
「ないね。タイプ云々の前に、ない。クマみたいな感じだよ」
「おれで言うと、軍司くんみたいな?」
「それ」
「そっか」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけホッとする。
だって、かっこいい人だったもん。和多流くんのことをすごく慕っているし、仲もいいし、過去に好きになっててもおかしくないもん。
よかった・・・。
「あのさー」
「え?なに?」
「・・・ないとは、思うけど・・・あいつが隣に来ても、相手しなくていいからね?」
「え?」
「本格的に越してきても無視でいいから」
「・・・ヤキモチ?」
「妬く前に言ってるの」
「なんで妬くの?」
「あーゆー塩顔、好きでしょ」
「和多流くんの顔が1番好き」
「・・・ほんとに?」
「うん。でも、信じなくていいよ」
「信じる。嬉しい」
そそくさと戻ってきて、膝に頭を乗せる。そのままゴロゴロして、腰に抱きついた。
首を撫でてから頭を撫でる。
「んー・・・」
「涼って呼ばれて嬉しかった」
「あー・・・うん、なんか、かっこつけちゃった」
「・・・へへっ。もっと呼んでほしい」
「ダメ」
「え?なんで?」
「したくなっちゃうもん」
「意味分かんない」
「だって、涼って呼んでたら目がとろーんとしてじーっとおれのこと見てたんだもん。めちゃくちゃ可愛くて押し倒したいの、堪えてたんだから」
「そんなことしてないよ」
「した。無自覚。・・・キスはいい?」
「うん。人前でもしてきたくせに、今は確認取るんだ?」
「人前でがっついたから確認取ってるの!・・・絶対怒ってると思ったし」
「・・・恥ずかしかった」
「それだけ?」
「うん」
「・・・可愛いなぁもう。ん」
顔が上がり、目を閉じた。う、可愛い。
顎に手を添えてそっと唇を押し付けると、和多流くんは目を開けてじっとおれを見た。無言で離れ、ベッドから降りてソファに寝転がる。
「和多流くん?」
「ベッド使っていいよ」
「え?」
「おやすみ」
「・・・」
「・・・」
「・・・おれも、キスして」
「・・・」
「キスしてほしい」
「おれはもう寝ます」
「・・・あっつ・・・バスローブ脱ご・・・」
顔がチラッとこちらに向いた。ゆっくりゆっくりバスローブをずらすと、もそもそとベッドに乗り上げてきた。
「キスして?」
「・・・キスで止まんないけど」
「うん」
「えっ」
「だってもう怒ってないんでしょ?」
「うん!怒ってない!大好き!」
「あ、でももう寝るんだっけ?」
「なんの話?」
しれっと言うから笑ってしまう。
キスをしてパタリとベッドに倒れると、和多流くんの体が重なった。
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