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和栗

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話し合いがしたい、と言われたので一通り家事を終えてソファに腰掛けた。
和多流くんはなぜかノートパソコンを持って隣に座ると、パカっと開いた。
話し合いというくらいなので、何か思うことでもあったのだろうか。
「夜の営みのことなんですけど」
「昼夜関係あったっけ?」
つい瞬時に質問を返すと、和多流くんはデレっと顔を崩した。慌ててキリッと表情を立て直し、咳払いをする。
「定期的に話し合いが必要だなと思ってね、それを行いたいと思います」
「はぁ、そうですか」
「ほら、おれが勝手におもちゃを買い込んで勝手に使ってる状況でしょ?」
「そうだね」
「嫌な時もあると思うし、嫌なものもあると思うんだけど、」
「あるね」
「・・・お、オブラートに包んでいただけるとダメージが少なくて助かります・・・」
「あ、ごめんね」
「で、表を作りましたので・・・どれが一番使ってて気持ちいいかを教えてほしくてですね・・・」
はい、と出されたのはパワーポイントで作られたレビュー表だった。しっかり写真まで貼ってあるし。5段階評価でコメントを残すようになっている。
「・・・こんなもの作ったの?」
「大事ですから」
「これを参考に和多流くんは使うものを決めていくの?」
「うん」
「・・・やだなぁ」
「涼くんもおれに聞きたいこととかあればぜひ」
「・・・じゃあ」
「うん」
目が輝いている。何で嬉しそうなのかな。何を期待してるんだ。
「おれ最近マグロ状態だけど性的興奮はあるの?」
「・・・は?ちょっと待って。マグロとは?」
「んーっと・・・」
ネットを開いて検索する。ブックマークにアダルトグッズのショップが入っていたけど、見なかったことにしよう。
「エッチの時、ただ寝ているだけで何もしない人」
「そんなこと知ってる。涼くんは違うね」
「でも最近、」
「よし、ディベートしようか?」
「・・・いいです」
こういう時は敵わないんだもん。無駄遣いした時の話し合いは絶対に言い負かせるけど、性的なことになるとどうにも敵わない。
和多流くんの圧力に負けてしまう。
「でもほんと、寝てるだけじゃなくてたくさんしてくれてるよ」
「何かしてる?だって最近口でもしてないし、おれが動いたりとか、してないし」
「・・・うん、根本的なことなんだけどね、前も言ったと思うんだけど、おれは全部自分でしたいんだよね。だから、なんていうのかな・・・涼くんには全身を預けて欲しいの」
「全身を預ける?」
「ただただ、おれにふやかされて甘やかされてぐちゃぐちゃになってくれたらそれが最高の快楽」
「・・・楽しいの?」
「楽しい。それにさ、抱きしめてくれるしキスしてくれるし、全身に触れてくれるよ。この細くて滑らかな指で」
キュッと手を握られる。
そりゃ、触るに決まってるじゃん。温かいし、安心するし、おれのこと感じて欲しいもん。
恥ずかしいから絶対に言わないけど。
「ていうか、ここまで暴かれてもまだおれにしてあげたいって思ってくれてるのがすごく興奮する。すごく嬉しい。正直、おれはお尻触られるのすごく抵抗があるし・・・」
「おれもそうだったし今もちょっと嫌な時あるけど、」
「え!?あ、そ、そうなの!?」
「え、ないと思ってたの?」
「・・・お、思ってました・・・」
あ、この顔は本当にそう思ってたんだな。
思うまでもなかっただろうな。
そりゃーね、たまーに、そっちの気分じゃないなーって思う時もある。和多流くんがすごくすごく丁寧に触れてくれるから結局ほだされちゃうんだけど。気持ちいいし。
求めてくれると嬉しいから、言えなくなっちゃうんだよね。
「涼くん」
「あの、深く考えなくていいからね。本当にたまーに、そう思うだけだから」
「いや、深く考えないといけないよ?この件に関しては。大事なことだもん。言い出せないって対等じゃないよ」
「・・・あ、そうだね」
そうだ。
おれ、あんなに対等がいいって言ってたのに、自分のこと蔑ろにしてたな。
そうか、こういう面でも対等を望んでいいんだよね?
「・・・したいけどお尻の気分じゃない時も、あるんだ」
「うん、うん」
「言いづらいけど、頑張って言うね」
「そりゃ言いづらいよね。じゃあさ、サイン決めよう。例えば、うん、・・・多分おれお尻触る時にお尻しか見てないから、顔を思いっきり涼くんの方に引っ張ってくれない?」
「えーっと、こう?」
両手で和多流くんの顔を包んで引き寄せる。うん、と頷いた。これならいいかも。そのままキスもできるし。
「も、もしかしたら交渉に入るかもしれないけど・・・でもこれで、止まるように頑張るから。でもごめん多分一発で納得できない時が多いかも・・・!」
「ふふっ。その時はつねるから大丈夫」
「あぁ、それいいね。そうして。ね、話し合いって大事でしょ?」
「うん。・・・じゃあ、あの、もう一つ・・・」
ずっとずっと引っかかっていたことがあるので、勇気を出して聞いてみた。
「おれってガバガバなの?」
「・・・・・・・・・ぁい?」
「ガバマンって、言ってたから」
和多流くんは目を見開いたままゆっくりとおれの手からパソコンを取ると、そっと閉じてローテーブルに置いた。
そしてソファの上で正座をして、両手で顔を覆った。
「・・・・・・本当に申し訳ございません・・・」
「緩いって意味?」
「・・・うぅー・・・!違うぅー・・・!何言っても苦し紛れに聞こえちゃうかもしれないけど、あの、えと、あぁ・・・緩くしたのはおれだからそれは全然いいんだけど、あの、あー!ごめんなさい!」
「わっ、」
ガシッと肩を掴まれた。和多流くんが必死の形相で捲し立てる。
「ガバマンって言ったのはすごく可愛かったからでもうおれのじゃないと満足できないんだろうし指もすんなり入るし一石二鳥だと思ったし抱きまくって力が抜けちゃってトロトロになっちゃったんだと思ったら嬉しくてたまんなくてそれであのあぁあぁあ違うー・・・!違うんです・・・!」
「お、落ち着いて!?緩くて気持ち良くないとかじゃないんだね?」
「涼くんはいつもおれを締め付けて搾り取ってくれる名器です・・・!やりすぎると緩くなるけどそれは誰しもそうなるしむしろその緩い感じで包まれるのがたまらなく気持ちいいんです・・・」
「・・・なんか、ごめんね」
「・・・嫌な思いさせて、ごめんなさい・・・」
なんか、一気に5歳くらい老けてない?大丈夫?
和多流くんはがく、と項垂れると、ずるずると手を下ろしてそのまま動かなくなった。顔を覗き込むと明らかに落ち込んでいて、目を合わせてくれなかった。
「和多流くん・・・」
「・・・」
「・・・話し合いは?」
「・・・ちょっと、今は、」
「言わなきゃよかったね。ごめんね」
「・・・ううん。涼くんの中でしこりになる方が嫌だから・・・」
「・・・和多流くんも言われて引っかかることとかあったりする?」
目が泳いだ。
あるのかな。
顔を持ち上げて目を合わせると、目を閉じた。
唇を啄むと、言われたことじゃないけど、と言った。
「うん」
「・・・もちょっと、その・・・」
「うん」
「・・・う、上に乗った時に、もう少し、頑張っていただけると嬉しいって言うか・・・」
「・・・刺激が弱い?」
「ううん!気持ちいいんだけど、もう少し長めに腰を動かしてもらえるとそのまま、その・・・あの、文句みたいで、ごめんね・・・さっきは何もしなくていいって言ったのに・・・」
「話し合いでしょ?うーん、下半身を鍛えたほうがいいのかなぁ」
「・・・でも、無理しないでね。涼くん筋肉つきづらいタイプだから、焦って変に鍛えない方がいいよ。持久力も大事だし、ゆっくりでいいんだよ」
「うん。でも、うっすら腹筋が割れてきて・・・えへへ。ほら」
ぺろっと捲ると、即座に服を下ろされた。
「無防備すぎる。ダメ」
「えぇっ」
「・・・あのぅ」
「はい?」
「・・・た、たまに、その、タガが外れて変なこと言うけど、嫌だと思ったらその場でビンタしてくれていいからね・・・ごめんね・・・」
しおらしいのでつい笑ってしまう。
そんなこと言うなら、おれだって変なことを言うし、嫌なことをすることだってあるし、お互い様だと思うんだけどな。だから話し合いをしてるんだし。
「ガバマンって言われた時、一瞬意味がわからなかったんだけど、和多流くんがすごくニヤニヤしながら言ってたからまぁ楽しいならいいかーって納得しちゃったんだよね。あれ?と思ったら言うね」
「うん・・・」
「和多流くんも言ってね」
「・・・じゃあ、」
「うん」
「・・・も、もう少し、ベタベタと触っていただきたいです・・・」
「・・・こう?」
「うん、それ」
両手で顔を包むと、嬉しそうに目を閉じる。
最中は余裕がなくて力が抜けちゃうことが多いけど、もっと触ってほしいって思ってくれて嬉しいな。
「耳も?」
「ぅわ!?耳はダメ!」
「へっへっへー」
「こらー!もぉっ、あはは!くすぐってぇ!やめて!たんま!」
「ふふっ。あ、パソコン貸して」
「え?あ、はい」
「これが本題だもんね?」
「・・・う、まぁ、そう・・・」
「んとねぇ、これは星が1かな」
一番大きい真っ黒なバイブに星を1つ。感想を書き込むと、ギョッとした顔をした。
「えっ、これ1番ダメだったの?」
「正直、最初は痛かったよ」
「あ、そ、そうだったね。痛いって言ってて、でももう一回した時結構・・・」
「なんか、無理矢理いかされてる感じでちょっと嫌だった」
「そうなの!?」
「こっちは星が3かなぁ。アンパイ」
「あ、アンパイ・・・。まぁ、ローターだからねぇ」
「これは星4」
「あ、細いエネマグラ気に入った?」
「・・・は、初めて使ったおもちゃだったから・・・」
「・・・ふふっ。んふふっ。そっかぁ。電動のは?」
「・・・5」
「嘘まじで!?あとで使おう!?」
「・・・なんか、いろんな動きするから・・・和多流くんみたいだなって・・・」
「無理矢理な感じはしなかった?」
「うん・・・」
「電動の、細い方のは?」
「あー・・・うーん、場所が場所だったから、すごく感じたけど・・・」
「部屋だと物足りない?」
「使ってないからわかんない」
「あとで使おうね、ね?」
「・・・ムードがないなぁ」
「作るね!」
めっちゃニコニコしてるし。
これ、本気でやるやつだ。
和多流くんのムードの作り方って、凄いんだよなぁ。いつのまにか絆されてベッドに入っちゃうんだ。
「ムード作りってさ、セフレさんにもしてたの?」
「あのね、突然ぶっ込まないでくれません?おれ、今ちんちんが縮みましたよ?」
「気になっちゃった」
「・・・いや、まぁ、お互いにやりたいだけで呼びつけ合ってるから、ムードもへったくりもないよね。ホテル行って気の済むまでして帰宅ですよ。まぁたまに食事もしたけど、基本は直行直帰」
「仕事みたいだね」
「まぁある意味・・・義務的な、ね・・・?うん」
「家ではしなかったの?」
「ここで?するわけないよ。するとしても相手の家だね」
「前住んでた部屋は?ていうか、どんなところ住んでたの?行ったことないよね、おれ。やっぱり抵抗があった?」
「いや、呼びたいのはやまやまだったけど、そこを越えちゃうと勘違いしちゃうから呼ばなかっただけだよ。来て欲しかったけどね」
「和多流くん、おれの部屋にも行きたいって言わなかったよね」
「言わないよ。困らせたくないし、行ったら多分、傷つけてたし。こんなふうに付き合うことも無かっただろうし」
「・・・ほ、本当に好きでいてくれたんだね」
「・・・あの、何で今更そんなこと言うの?当たり前だし、ていうか、今更すぎて照れるんだけど・・・」
「19のおれに一目惚れしただけあるね・・・」
「後悔してることといえばそれくらいです!!まさか未成年だなんて思わないじゃん!!22くらいかな、初々しいな、社会人になりたてかな、とか思ってたら19ですとか、犯罪者だよおれ!!もーやだ!バカ!」
「まさか好意を持たれてるとは思わなかったんだよ・・・。後悔してるの?」
「19に一目惚れした20後半のおれのことは殴りたいと思ってる!もう少し落ち着けと!!」
「じゃあ年齢聞いて、諦めればよかったのに」
「・・・できなかったの。あと1年待てば成人じゃんって、思っちゃったの」
「じゃあ自業自得じゃん」
「そうです!もう、何とでも言って!」
「・・・19のころと今、どっちが可愛い?」
初めてこんなこと、聞いた。自分の可愛さを問うなんて、バカみたいだ。笑われてもおかしくないのに、和多流くんは真剣に答えてくれた。
「どっちも可愛いけど今の方がおれに甘えてくれるしくっついてくれるし感情をむき出しにしてくれるから可愛くて好きで大好きです」
「ひ、一息で言ったねぇ・・・」
「・・・涼くん的には、どうですかね?聞いたことなかったけど」
「え?」
「・・・だ、第一印象とか?ほら、ねぇ・・・いきなり声かけて、友達になろうとか、下心見え見えだったかなって・・・」
そういえばあまり言ったことがなかったかも。
下心は見えなかったな。嬉しくて、それで胸がいっぱいだった。
「顔を見た時、わ、モテそうな人って思ったよ」
「え、そんだけ?」
「うん。いやらしい感じもなかったし、ホッとした。・・・和多流くんが声をかけてくれる前に、4人くらいに声をかけられたんだけど・・・」
「え!?ちょっと待って、それ知らないよ!?」
「だって和多流くんいなかったし。みんな手を触ろうとしたり、肩を抱いてくるんだよね。おれ、そんなつもりなくて・・・いや、あーゆー場でそんなつもりがないって、逆に怒られそうだけど・・・おしゃべりしたかっただけなんだ。誰かの話を聞いて、おれも少し話ができればと思ってたら、みーんなホテルの話ばっかりでさ。笑っちゃうね」
「そうだったんだ。よく断れたね」
「今思えばママが助けてくれてたんだと思う」
「え?」
「頼んでないのにジュース持ってきてくれたり、間に入ってくれたり・・・でも和多流くんの時はこなかったから、いい人なのかなって思ってた。えへへ。それに、触ろうとしなかったしエッチな話もしなかったし、今度本屋に行こうって言われて、嬉しかった。本当に友達なんだって思ったら、嬉しくて嬉しくて、だから連絡先、交換したの」
「そ、そっか・・・そうなんだ」
「でも付き合ってしばらくしたらエッチなことと下ネタのオンパレードでびっくりした」
「・・・申し訳ありません・・・」
「楽しいからいいけど」
「・・・嫌ならちゃんと、」
「あははっ!最後は意地悪しちゃった。和多流くんとの話は楽しいよ。よく分かんないこともあるけど」
たまにこっそりネットで調べちゃうこととかあるけど。
和多流くんは少し気まずそうな顔をしたあと、あんまりしない方がいい?と聞いてきた。
今更だなぁと思った。つい笑ってしまう。
「しなくなったらおれ、多分寂しくなるよ」
「えー。可愛いこと言ってる」
「結構面白いもん」
「・・・涼くんも言ってね?」
「え?」
「えっちなこと」
「・・・結構言ってない?」
「言ってる。してるときすげー言ってくれるからおれ、もうね、すっごい嬉しい。だってさ、甘えた声になるんだもん。最近思い出すだけで勃っちゃうんだから」
「・・・何もしなくても勃つじゃん」
「バレた?」
「ふふっ、話し合いになってないし」
「あ、確かに。ほら、ちゃんと感想書いて?」
「もー、量が多いんだよ。服も入ってるじゃん」
「コスプレも気に入ったのがあれば定期的に着て欲しくて」
「気に入ったのなんかないよ。全部恥ずかしいよ」
「おれ的にはこの、ピッタピタのレザーのバニーがとてもお気に入り」
「あぁ、興奮してらっしゃったもんね」
「あとね、あとね、制服!このスカート、ベタだけどすごくよかった」
「・・・おれは嫌だった」
「え!?」
「なんか、屈辱」
「・・・何で?」
「女みたいな顔って言われたことあるし、だから嬉しくない」
「誰に言われたの?」
「えー?・・・あ、うん、知らない人・・・」
うわぁ、めっちゃ怒ってるじゃん・・・沸点低いなぁ。
「じゃあ、処分するね」
「え!?好きなんでしょ?」
「好きだけど、涼くんと楽しみたいからさ。嫌いなものは無理強いしたくないもん」
「・・・おれは和多流くんがいいなら、頑張れるけど」
「・・・え、本当?」
あ、嬉しそう。
多分、多分だけど、女装が好きとかじゃなくて、おれがコスプレをしているのが好きなんだろうな。
女の子みたいで可愛いとは言われたことがないし、単純にミニスカートのおれに興奮してた、みたいな・・・?
「いーよ」
「・・・あの、じゃあ、また着てくれる?」
「うん」
「やった!綺麗な太ももが見え隠れして、お尻が見えそうで見えないあの際どい感じがたまんなかったんだ」
「逆に興奮しなかったのはどれ?」
「・・・学ラン」
「え、意外。あ、でも確かに、すぐ脱がしてたね」
「犯罪・・・」
「・・・セーラーと何が違うの?」
「セーラー服は遊び感があるけど学ランはダメだった・・・。だって本物の学生にしか見えなかった・・・」
「失礼な」
「涼くんは若すぎる!悔しいくらいだよ!」
「うれしくないな・・・。おれがさ、例えば・・・和多流先輩、一度でいいから抱いてください。って言ったら興奮する?」
和多流くんの顔が一気に真っ赤になった。
両手で顔を隠すと、絞り出したようにします、と答えた。
和多流くんの下半身が大変なことになっている。
「ごめんやっぱりもう一回着てほしい!!」
「学ランはちょっと楽しかったから、いいよ」
「楽しかったの?」
「おれ、中高とブレザーだったから」
「時代だなぁ・・・おれはずーっと学ラン。・・・あの、今、着てくれない?」
「は!?今!?」
「お願い。んで、さっきのもう一回言ってほしい」
「・・・和多流先輩?」
「・・・うひっ」
うひって・・・。
顔、デレデレだし。
渋々学ラン持ってきて袖を通す。詰襟って慣れないな。
両手を広げて、どう?と尋ねるとなんとも言えないやらしい顔になった。
「和多流せんぱーい。どうですか?」
「エッロい」
「ちゃんと着てるのに!?」
「ちゃんと着てるのがエロい!おれ、前なんて全部開けてたしワイシャツなんて着なかったし、Tシャツかパーカーを着てたよ」
「怒られないの!?」
「え?怒られても無視だよ、無視。あー、可愛いなぁ!こんな可愛い後輩がいたらおれ、教室で押し倒してる」
「図書室とか?」
「あ、わ、え、エロい!図書委員の涼くんを・・・!おれが、」
「うん。おれ図書委員だった」
「ゔわーーー!!エッチすぎる!!あの、あの、さっきのやつお願いします」
「え・・・和多流先輩・・・?一度でもいいから抱いて・・・ん、やっぱり、たくさんがいいです。たくさん抱いてください」
「・・・うん。抱く。可愛い・・・」
「わぁ!!?違う違う!今じゃない!!」
腕を引っ張られてソファに押し倒された。
ムード作りはどうしたんだ!?
ジタバタもがいたけど力で敵うわけもない。
「ちょ、ちょっとぉ!」
「んー・・・」
「あ、ちょ、ちょっと・・・あの、あ、あ、」
ちゅむ、と音を立てて耳にキスをされる。な、流される!ここは、強く、断らないと・・・!あ、でも、あの、耳は、首も、だめ、なのにー・・・!
「ぅうん、」
「ん・・・可愛い声」
「和多流く、」
「先輩でしょ?」
「わ、和多流先輩、」
「涼・・・優しくするね」
あ、あれ!?なんか、すごく、ハマってない!?
イメージプレイとか、好きなのかな・・・?
知らなかった・・・!!
「キスしよっか」
「は、はい・・・」
「目を閉じてごらん」
「・・・はい、」
素直に応じてしまう。
あれ?おれも、好きなのかな・・・。
優しいキスを繰り返し、丁寧に、丁寧に触れてくれた。
久しぶりにペニスをしっかり扱かれて、呆気なく果ててしまった。
「はー、はぁ、はぁあ・・・!」
「すごく飛んだねぇ・・・。可愛いね」
「ん、和多流先輩、」
「・・・もっと気持ちいいこと、しよっか」
黙って頷く。
あぁもう、流されちゃう。
「白ソックス、ちゃんと校則守ってて偉いね」
「ふ、ん、」
「・・・あーん」
口を開けると、舌が絡んだ。
ぅあ・・・気持ち、いい・・・。
もう、そこから流されっぱなし。
しっかり、しっかりほぐされて絆されて、いつの間にか和多流くんと繋がって、よがりまくって悦んでいた。
話し合いは何処へやら。
たまにはこういうのもいいね!と満面の笑みで言われて、怒れなかった。だって、おれもそう思ってしまったし・・・。
「夜はさ?ね?おもちゃで遊ぼう?くっついて、イチャイチャして、甘えてね。甘やかしてね」
「う・・・!でも、あの、」
「可愛いね。ね、また話し合いしようね。それで・・・んふふふふっ!」
「え、エッチ!バカ!」
「あーもうそれいい!もう一回言って!学ランでっていうのがね、また・・・」
「へ、変態!ロリコン!」
「あ、自分がロリって自覚あったの?もー、悪い子」
「ちが、あぁもう!だからー!押し倒さないでよーー!!」
もーー!バカ!バカーー!!
結局また、その場で抱かれた。
晩御飯は和多流くんの作った野菜炒め。
もう、時間のかかる煮込み料理とか、作りたかったのに!!
悔し紛れにガブっと背中に噛み付くと、何がスイッチだったのか嬉しそうに抱きしめてきてベッドに倒された。
何をしても結局こうなるんだもんなぁ。




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