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しおりを挟む買っちゃった。
すごく恥ずかしかったけど、買っちゃった。
急いで和多流くんの元へ向かうと、寒空の下外で待っていた。おれに気づくと手を振ってくれる。
「おかえりー」
「ただいま!寒くない?大丈夫?」
「大丈夫ー。帰ろ。今日は外食にしちゃお」
「うん」
車に乗ってたまにいくファミレスへ。
クマさんのところが良かったけど、今日は臨時休業らしい。
タブレットで料理を注文すると、和多流くんが買えた?と聞いてきた。
「うん。ちょっと悩んじゃったけど」
「ん?本でしょ?悩むことだった?」
「いやー・・・えへへ」
「新刊がたくさん出てたとか?」
「ううん。あのね・・・あ、後でね!」
恥ずかしくなって話題を変えると、和多流くんは頷いて携帯を出した。
これ美味しそうでしょ、とカフェの写真。和多流くんはおれがオシャレなカフェ好きだと思っているので、よく探してくれる。確かに好きだけど、和多流くんと行くのが好きなんだよね。
あんまりいうとすぐ調子に乗るから言わないけど。
「ちょっと遠いけど、ドライブがてら行ってさ・・・天井から花がぶら下がってるんだって。ほら」
「わぁ、すごいね」
「花も買えるらしいよ」
「オシャレー。あ、ハーブティーもあるね」
「おれ、ハーブティーは寝ちゃうんだよなぁ」
「え!?そうなの?」
「昔飲んだことがあるんだけど帰りに電車で寝ちゃって・・・全然眠くないし疲れることもしてないのにさ。効果覿面で・・・よく分かんない駅で気づいてびっくりしたことがある」
「ワープしたみたいだね」
「そうそう」
「飲まない方がいいね」
「涼くんは飲んでいいからね。寝ちゃってもいいし」
「おれハーブティーでは寝ないから、大丈夫だよ」
答えると、なぜか少し残念そうに、そう?と言った。寝て欲しかったのか?なんで?
じーっと疑いの眼差しを向けると、小さく両手を合わせた。
「いや、すいません。うとうとしてる涼くんが可愛いから見たかったなーって・・・」
「家で見てるじゃん」
「外出先で見るのと家じゃまたちょっと違うんですよ」
「相変わらずマニアックだね」
料理が届いたので小皿に分け、和多流くんに渡す。和多流くんも取り分けておれに渡してくれた。
少しずつ交換して食べるようになったのって、いつからだっけ。
自然とこうなってたのかな。
「これ結構美味しい」
「パエリア?」
「家でもできる?」
「できると思う」
「作って」
「いいよ。これも美味しい」
「トマトクリームソースで魚介のパスタか・・・いいね」
「これは難しいなぁ。こんな大きいエビ、いっぱい入れられない」
「えー。そっかぁ」
「似たようなのはできるかも」
「楽しみにしてる」
食べ終えて家に帰ると、和多流くんはソファに腰を下ろした。同じように腰を下ろし、本屋の袋を出すと、首をかしげる。
「あれ?文庫本じゃないの」
「うん・・・あのね、今年ね、頑張ってみようかと思って・・・」
「何を?」
「・・・これっ」
袋から本を出す。バレンタインのレシピ本。
和多流くんは目を見開くと、本を奪い取ってペラペラと捲り、またおれを見た。
「13日、休みだから・・・14日に、食べない?」
「・・・作っていただけるんですか?」
つ、作っていただけるんですか・・・?
え・・・?急にどうしたの・・・?
恐る恐る頷くと、和多流くんは本を閉じておれに差し出した。黙って受け取る。
「13日、外出るね」
「・・・え!?」
「一緒に作るのもいいなと思ったんだけど、ごめん、サプライズがいいです!!」
え。
作るの分かってるのに、サプライズって、いうの??
「い、いい、よ?分かった・・・」
「何がもらえるのかというワクワク感が、その、・・・ごめん、お風呂入ってくるね」
「は?」
「あ、うん、噛み締めたいの。ごめんね」
そそくさと立ち上がり、お風呂へ入っていった。と思ったら。
『よっしゃぁあーーー!!』
とくぐもった叫び声が聞こえてきた。
プレッシャーがすごい。
*********************
朝起きると見事に、見事に和多流くんはいませんでした。一体何時から出かけたんだろうか。
置き手紙には、夜には帰るねと書いてあった。
うー、すごいプレッシャー。
大したものは考えてなかったし、簡単な料理本だし、凝ったものなんて作れないよ。
とりあえずスーパーに行ってチョコレートとビスケットを買う。
チョコを溶かしてビスケットを砕いて合わせて固めるやつ、手軽だし美味しそうだなと思ったけど・・・。すごいものを期待してそうなんだよなぁ。
悩みに悩んで、トリュフも作ることにした。
ケースも買って家に帰る。ていうか、バレンタインの材料買うのって、めちゃくちゃ恥ずかしい!!
キッチンで本を開き、レシピ通りにチョコを溶かしていく。
甘い香りが部屋中に広がった。
少しつまみ食いをしながら作っていく。
結局午前中で完成してしまった。
程よく固まったチョコレートをラッピングして部屋に隠す。
どうせこの部屋寒いし、一晩くらい平気なはず。
明日は職場の冷蔵庫にこっそり忍ばせておけばいい。
朝渡すと遅刻しそうだし(和多流くんが暴走して)、家に置いておくとサプライズ感がなくなるし・・・世の中の女性たちって毎回大変な思いをしていたんだなと思う。
いつどこで買ったり作ったりしてどこに隠し持っていたんだろう。
チョコレートの匂いを消すために換気扇を回し、掃除をした。
少し寛いでから、もう帰ってきて大丈夫だよと連絡すると、お昼食べに行こうよと返事が来た。
行く、と返すと車で戻ってきた。
外に出ると手招きされる。
乗り込むと、首筋の匂いを嗅いで、甘い匂いがする、と嬉しそうに笑った。
少し恥ずかしかった。
**********************
「おはよっ」
朝起きると、和多流くんがニコニコしながらコーヒーを淹れていた。いつもよりも早い時間。そんなに、そんなに楽しみだったのか!
あんまり話題に出すと暴走しそうだから敢えて何も言わずに普通の会話だけして仕事に向かった。お弁当袋に昨日作ったチョコレートを入れて職場の冷蔵庫に保管する。これで怪しまれない。
この職場はバレンタインを行わないのでとても気が楽だ。お返しも考えなくていいし。たまーーに生徒から義理ね、と渡されるくらい。基本持ち込みは禁止だから。
意外にも、おれはバレンタインというイベントごとに縁がない。とーっても楽。
あ、そういえば!
「あの、おめでとうございます」
昼休憩中、成瀬さんに声をかけると驚いた顔をした。
「言ったことあったか?」
「はい」
「まぁ、うん、ありがとう」
「これどーぞ」
ココアを渡すと少し表情が和らいだ。気がする。あんまり表情が変わらないから分からない。
かと思ったら、深いため息をついた。
「どうかしました?」
「いや、・・・あいつがエプロンを新調していたから、嫌な予感がする」
「は?」
「・・・バレンタイン、まともに作れたことが数回しかないからな」
「・・・た、例えばどんなものを・・・?」
「炭」
「炭!?」
「炭が出来上がったことがある」
「・・・」
「あとは察しろ」
あまり話したくないのだろうか。無言で大きなおにぎりにかぶりついた。
おれもおにぎりを口に入れる。
炭、かぁ・・・。
申し訳ないけど、自分の作った不格好なトリュフの方が、若干マシかもしれない、と思ってしまった。
夜になると和多流くんがなぜか電車で迎えにやってきた。
ワックスで髪を整えて、トレンチコートを着ている。中は薄手のセーター、細身のチノパンにブーツ。マフラーを巻いてニコニコとしていた。
え、お、おしゃれ・・・。おれ、いつものスーツにピーコートなんですけど・・・。あ、でもネクタイは和多流くんにもらったやつだ。でもリュックがデカいんだ。完全な仕事帰りだ。
「電車でくるの、珍しいね」
「ん?うん。食事しようと思って」
「食事?」
「予約できたんだ。ほら、前にも行ったホテルの最上階。窓際の席。おれからのバレンタインだよ」
う、う、うわぁ・・・!出し辛い・・・!どうしよう、豪華なチョコレートとか想像してたら、どうしよう。
プレッシャー、どころの、話じゃない!!
「子供が来られる時間と場所じゃないだろうから、ゆっくりできると思って。でも念のため、別々で行こうか。おれが先に行くね。待ってるね」
ヒラヒラと手を振って、和多流くんが背中を向けた。
違う。いや、そりゃ、生徒がいたら困るとは思ったけど、そっちじゃなくて、おれが今持っているお弁当袋の方の話だ。
背中に変な汗をかく。
どうしよう、どうしよう。今からチョコ、買い足す?いやでもそれこそ人に見られたら困るし、ていうか多分、もう、売り切れどころかホワイトデーの準備とかに入ってるだろうし、うぅっ・・・!せ、せめて、せめてレストランの話は教えておいて欲しかったなぁ・・・!!
もっとおしゃれなスーツとか、着てこられたのに・・・!
トボトボ歩きながらホテルへ向かう。
大きな扉のエレベーターに乗って最上階へ向かうと、入り口でお店の人にコートを脱がされた。
わー!わー!こんなの、初めてなんですけどーー!?絶対コース料理だよねここ!!
緊張しながら席に案内される。和多流くんが立ち上がって小さく手を振った。椅子に腰掛けると、ワインを頼んでおれを見た。
「料理楽しみだね」
「う、うん、」
「コース料理とか、慣れてないんだけど・・・カッコつけちゃった」
「・・・」
チラッと周りを見る。満席。恐る恐る尋ねる。
「予約、いつしたの・・・?」
「もー。野暮。内緒だよ」
絶対に1ヶ月以上かかってるよね!?
そ、そんなに前から準備してくれていたのに、おれってば・・・!
料理が運ばれてきてちまちま食べたけど、味が分からなかった。ずーっと料理を見てしまう。和多流くんの方、見られない。
おれのチョコを見てがっかりするかも。これだけ?って思うかも。
「美味しい?」
「あ、は、はいっ」
「緊張してるねぇ」
「あ、う、」
「こっち見て」
恐る恐る顔を挙げると、和多流くんは頬杖をついていた。微笑んで、やっぱり可愛いね、と呟く。
「緊張して肩が上がってる」
「え!?」
「周りは誰も見てないよ。男2人でも変じゃないよ。明らかに不倫でしょって2人もいたし」
「そ、そうなの?」
「あとはパパ活?ふふっ。だからね、緊張しなくていいよ」
違う違う!緊張してるのはこの後のことだってば!
メインが来ても、デザートが来ても、やっぱり味が分からない。
どうしよう・・・食事、終わっちゃう。あれ?なんか、クラクラしてきた。
「涼くん、ワイン飲み過ぎじゃない?」
「え?」
「・・・もしかして水と間違えてた?水はこっちだよ」
「・・・え!?わ、わ、」
さっきから緊張して結構飲んでいたけど、アルコールも分からなくなるなんて!
慌てて水を飲むけど、もう遅い。
「ごめん、せめて白ワインにすれば良かった。大丈夫?」
「だ、大丈夫・・・!あ、あはは、た、高いワインだからかな、飲みやすくて、その、つい・・・」
「歩けそう?」
「うん!」
「・・・少し外で風に当たろうか」
おいで、と手を差し出される。
首を横に振ると、困ったように笑う。
「も、少し飲む、」
「だーめ」
「だって、和多流く、」
「歩けなくなっちゃうよ?反対側にテラスがあるからそこに行こう」
よろよろ立ち上がってテラスに向かう。
カバンは和多流くんが持ってくれた。
外に出ると冷たい風が吹いていた。
熱った体を包み込まれる。
「涼くん、座ろう」
「ん、」
「おいしかったね」
「うん・・・」
「お水くれたよ。飲みな?少し休んだら帰ろうか」
「・・・ごめんね、」
「何が?」
「スーツ、ヨレて、る・・・酔っちゃって、だから、」
「スーツ、いつもかっこいいよ。あとね、いくらでも酔っていいよ。おれが一緒だから、安心して」
「・・・うん。景色、綺麗だね」
「うん。綺麗。・・・こっち向いてごらん」
ゆっくり顔を上げると、唇が触れた。
気持ちいいなぁ・・・。
「可愛いね。大好き」
「おれも・・・」
「タクシー乗ろうか」
頷いてエレベーターに乗る。ペタ、とくっつくと腰を抱いてくれた。
フロントに降りてタクシーを呼んでもらい、乗り込んで帰宅する。あ、チョコ・・・どうしよう・・・。
玄関を開けて中に入ろうとする和多流くんのコートを掴む。
あんなに特別なことをしてもらったのに、おれ、何もできてない。
「どうしたの?気持ち悪い?」
「違う、」
「シャワー浴びて寝よう。目がトロンとしてる」
「あの、」
「うん?ほら、おいで」
肩を抱かれて寄りかかり、玄関が閉まる。
カバンが落ちた。
「ごめんね。もっと早いうちに止めれば良かった」
「ん・・・だいじょぶ、」
「・・・寝よっか」
額にキスをされた。少し、ほんの少しだけ、寂しそうに瞳が揺らいだのを見た。
ぼんやりしたまま革靴を脱いで、鞄を引きずって部屋に入る。
鞄を開けてお弁当袋を見る。・・・喜んでくれるのかなぁ・・・?
あんなに豪華な食事に、綺麗な景色。釣り合うはずがない。渡せない。渡したくない。もっと、もっと豪華で、綺麗で、格好のつくもの、作れば良かったよ・・・。
「涼くん?涼くん」
肩を揺らされた。いつの間にか鞄を抱いて眠っていたみたいだ。
顔を擦ると、シャワー浴びよう、と言われた。
「気持ち悪い?大丈夫?」
「・・・あの、せっくす、しよ?」
「え?どうしたの?」
「おれ、全部する・・・だから、だから、」
「・・・待った。なんか違うな。なんか・・・意図が違う。涼くん、酔うのは仕方ないことなんだから、罪滅ぼしとか考えないでいいんだからね」
「だ、だってぇ・・・」
「そーゆーのはあんまり嬉しくない」
「・・・ほ、ほかにできること、ないんだもん・・・!ホテルの、食事なんて、聞いてなかったし、だって、おれは、おれ・・・」
「待って待って。落ち着いて。ごめんね。サプライズと思ったんだけど・・・」
「だってぇ・・・!あんなこと、してもらって、こんなもの、渡せないよ・・・!」
お弁当袋を抱き抱える。和多流くんは目を見開くと、すごくすごく嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。
「そ、それ、昨日作ってくれた、やつ?」
「え、・・・そ、そう、」
「や、やったぁ・・・!やったぁー・・・!!」
小さくガッツポーズを作ったと思ったら、正座をして前のめりになり、おれを見つめた。
「お、おれだけ、だよね?」
「え?」
「他の人に、渡してないよね?」
「・・・渡すわけないよ。和多流くんにでさえ渡してないし、ていうか、他の人になんて、」
「涼くん~・・・!!焦らさないで・・・」
「え、」
「ずーっとずーっと、待ってたんだよ!朝はそのまま仕事行っちゃったし、食事中はそわそわしちゃったし、テラスに出た時だって人がいなかったから今かなとか、めちゃくちゃ緊張して・・・!」
「・・・え、あの、」
「もしかして、無いのかなって思い始めてたんだけど、そこに、あるんだよね?昨日作ってくれたやつだもんね?」
「・・・見た目悪いよ?」
「は?」
「き、綺麗に形作れなかった、」
「うん、で?」
「・・・ラッピングとか、凝ってない」
「・・・それが?」
「ご、豪華な食事に見合わない!」
「・・・えーっと、何言ってんのかさっぱり分からない」
「何でよ!」
「涼くんがおれのこと考えて作ってくれたんだよね?おれだけのために、作ってくれたんだよね?食事はお金払って作ってもらったから、おれは何もしてないよ」
「でも、・・・予約とか、」
「電話かネットで済むもん」
「・・・がっかりしないでね」
袋から箱を取り出して恐る恐る差し出す。和多流くんは驚いた顔をした。
「2つも!?」
「う、うん・・・」
「・・・どうしよう・・・泣きそう」
「なんで!?」
「だってさぁ・・・。あぁ、やばい、はぁ、感動してる・・・」
そ、そんなに・・・??
そっと差し出すと、優しく受け取ってぎゅーっと胸に抱いた。
「ありがとぉ」
「・・・た、食べてね?」
「もったいねぇ・・・!しばらく飾って、」
「今食べて!!」
人の手が加わってんだから!
和多流くんのしばらく、はかなり長いから慌てて開けさせる。
「わぁあー・・・これ何?」
「トリュフ・・・」
「へえー!これがトリュフか」
「食べたことないの?」
「多分。おれ、バレンタインとは縁遠かったからなー」
「え!?そうなの!?和多流くん、モテたんじゃないの!?」
「おれが!?モテないモテない!大人になってから義理で何個かもらうことはあったけどさ」
「いや、ぜーったい和多流くんのために渡してた人はいたはずだ!」
「悲しいくらい無いよ?クマに聞いてごらんよ。あいつも無いけどさ」
「・・・去年は、」
「去年はほら、手作りが欲しいとか言えなくて・・・ていうか、無駄に頑張らせるのも違うし、でも今年は涼くんが作ってくれるって言うからすげー嬉しくて・・・」
「・・・でも、」
「本当に本当に、ありがとう。嬉しい。大事に食べるから・・・来年も、また、」
「ら、来年は一緒に作ろ!ケーキとか!」
「うん。いいね。楽しみ。・・・あのホテル、さ?また行こうね。今度は泊まろう」
「え!?」
「前は景色とか見る余裕もなかったから・・・」
「あ、う、う、うん、」
「・・・すごくいいバレンタインだなぁ。今ひとつ食べていい?こっちは何?」
「チョコ、に、ビスケット混ぜて、ザクザクにしたやつ」
「うわぁ・・・これいいなぁ」
ラッピングを外して口に入れ、和多流くんはゆっくりと噛んだ。口元を緩ませて、美味しい、と笑う。
嬉しいものなんだな・・・。こんなに喜んでくれるんだ・・・。
来年はもっと、豪華なもの、作ろう。
「あの、食事、ありがとう。びっくりしたけど、マナーとか分からなかったけど、美味しかったよ」
「だいぶ酔いは覚めた?」
「うん。緊張してたから酔っちゃった。・・・あの、チョコね、食べてくれてありがとう」
「大事に食べるね。・・・シャワー浴びよ?」
手を引っ張られ、立ち上がる。
熱いシャワーに打たれたら、完全に酔いが覚めたみたいだ。やっぱり家って落ち着くな。
「和多流くん」
「んー?」
「・・・や、やっぱり、したいなーって・・・」
「・・・え、」
「ん、」
顔を包んでキスをすると、そっと腰を抱かれた。
お尻を撫でて、背中に登っていく。気持ちいい・・・。
「ぁぶっ!?ぷ、」
「はぁ、んーっ、すげーかわいー・・・!」
「むぐっ、う、う、!」
いきなりキスが激しくなって、頭がクラクラする。
口内を引っ掻き回されて舌を強く吸われた後、離れて行った。と思ったら指が突っ込まれた。
「ひゔっ!?あ、」
「すげーしたかった。したくてたまんなかった。大好き・・・」
「はふ、は、・・・らいしゅき、」
「ごめんね、ここで少し・・・」
そう言って、和多流くんはおれを抱き上げた。壁に押し付けられ、交わった。
すごくすごく甘やかしたくなって、必死に背中を撫でて、抱きしめた。
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