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和栗

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「うん。ん・・・でもそれはお前が間違ってると思うよ。その考え方で一緒に仕事するって考えると、おれはきついかな」
和多流くんが部屋で電話をしていた。
聞き耳を立ててしまう。
「・・・あの人の言い方を真に受けたらダメだよ。お前さ、もうチーフだろ?・・・だから、戻らないって。うん。おれがいたって変わらないよ。・・・ありがと。うん、まだ話したいことあんだろ?いーよ。時間あるから」
なんか、おれに対する話し方と全然違う。
頼れる上司って感じだ。なんか、なんか、かっこいいかも。
おれも、お前って、言われてみたいかも・・・。
やっぱりマゾなのかな。
いやいや、ちょっと興味あるだけっていうか。他の人にお前とか言われたらそりゃー嫌だけど、和多流くんにはちょっと、言われてみたいかもなー、なんて・・・。
「涼くんごめーん。電話長くなっちゃった」
しばらくしてヒョイっとリビングに顔を出した。首を横に振ると隣に腰掛け、倒れかかってくる。ソファがギシ、と軋んだ。
「人の愚痴聞くの疲れるー」
「大丈夫?」
「前の会社の後輩からだったんだけどさ、人の上に立つと悩みが増えるのは仕方ないけど・・・ワンマンプレーみたいになっちゃってて、組織としてどーなのよって話だよ」
「大変だね」
「涼くんの愚痴ならいくらでも聞けるんだけどさ・・・」
何が違うんだろう。
不思議だ。
耳をマッサージすると目がトロンとして、ゆっくり瞼を閉じる。初めはあんなに嫌がっていたのに、最近は身を委ねてくれるんだよね。舐めると抵抗するけど。
「涼くん~・・・。オムライス食べたーい・・・」
「いいよ。半熟?」
「うん。とろとろの・・・ケチャップいっぱい」
「和多流くんは甘えん坊さんだね」
「涼くんもおれに甘えて」
「いいの?」
「もちろんだよ」
ニコニコしておれを見る。今頼んだらいいよって言ってくれるかな。大したことじゃないし、すぐ言ってくれるかも。
「あの、じゃぁね」
「うん。なぁに?」
「お前って、言われてみたい」
「・・・はい?」
「さっき電話で言ってたでしょ?お前って。おれもちょっと言われてみたくなっちゃった」
「言わないよ?」
「なんで?」
「なんでも。絶対に言わないよ。普通お前って言われたい人、いないよ?」
「・・・でもクマさんとか朝多流さんには言うじゃん」
「それは、昔から言ってるし・・・癖みたいな、」
「一回だけでいいから。言われてみたい」
和多流くんはプイッと顔を背けた。
何度かねだってみたけど、和多流くんはその話をすると無視をしてきた。
甘えていいよって言ったくせに!


*******************


「和多流くんの嘘つき。嘘つき」
バシ、バシ、と枕で和多流くんを叩く。
奪い取られ、腕を引っ張られた。
「わっ!」
「あのさ、シャワーも浴びてベッドにいるんだよ?枕で叩かないでよ」
「甘やかしてくれない」
「・・・はー、もう。やだよ。乱暴なこと言いたくないもん。涼くんって可愛い名前があるんだから」
「甘やかしてくれない。嘘つき」
「可愛いなーもう・・・。そんなこと言ってくれるの・・・」
腰を撫で、お尻に手が回る。ヒクッと反応する。
「和多流くん・・・」
「可愛い・・・。わがまま涼くん・・・。もっともっと、言って」
「あっ、」
シャツを脱がされ、乳首を弾かれた。
温かい舌が絡んで吸い付く。
「ふぁ、」
「可愛い・・・可愛いね・・・。そのまま膝で立ってて」
パンツが下ろされる。ペニスが飛び出た。お尻を掴んだまま口にペニスが包まれた。
「あ、いや!」
「ふふっ。フェラ、好きだよね?ほら、先っちょ」
ぢゅぽ、と鈍く音を立てて吸い付かれる。足も、腰も、ペニスも痺れる。
「んぅうっ!だめ、やだ!すぐ、」
「おいしい。可愛いね・・・。ほら、お尻も」
ヌルッとローションが垂れる。
指がするりと入って、トントンっと優しくノックした。
「あ゛!あぁあっ、こぇ、いくぅ、」
「はっ・・・!ん、」
「あ゛!あぅうっ、はぁ!あ、あ、あ!い、」
「いかせない」
口も指も外れた。カクンッと力が抜ける。ベッドに寝かされた。
ガシッと顔を掴まれた。じーっと見つめられ、目が離せない。
「ね、わがまま言って」
「え?ぅ・・・わがまま?」
「キスして欲しい?」
「うん、したい」
「どうしようかな」
「・・・意地悪は嫌。あの、キス、して?」
「うーん・・・」
「して。してよ・・・。早く、」
腰を押し付ける。パンツの上から撫でると、ピクンと反応した。
「和多流くん、早くっ!」
「うん。可愛い」
激しく音を立ててキスをされた。
ぐちゃぐちゃに口内を掻き回され、唾液が溢れる。必死にくらいつくと、ペチンっとペニスで足を叩かれた。
「ん゛ぅっ、」
和多流くんの手が伸びてコンドームを取った。器用にパウチを開けるとさっと被せて、押し付けた。
「ゔん゛ん!」
「痛い?」
「ん、ん!だい、じょーぶ・・・!早く、したい、・・・!おっきぃ・・・!」
「・・・涼くん」
「は、はひっ、あぅ、あ、いく、かもぉ・・・!さっき、寸止め、」
「ここ?」
ねっとりと押しつぶされる。ビクビクッと腰が跳ねた。
「んぉ゛っ!?あ、や、変な声、!」
「可愛いよ・・・!エッチすぎる・・・!」
「あ゛!いや゛!きもち、いぃ・・・!和多流く、」
「涼くん・・・これ、プレイだからね?」
「え?!へ?はぇ?・・・あ、止まっちゃ、」
腰の動きが止まる。いきたいのに・・・。
背中にしがみついて和多流くんを見つめる。わがまま、言えばいいのかな・・・。
「こ、擦って・・・和多流くんので・・・」
「・・・」
「和多流くん?あの・・・気持ちよく、して・・・?」
あれ?あれ?違った・・・?困惑していると、和多流くんが意地悪く笑った。
「涼」
「え?ぅ・・・」
「お前、本当に可愛いな」
ゴリっと奥に押し付けられた。
それと同時にお尻を思い切り叩かれた。
ビリビリと体から脳みそが痺れ、体がのけぞる。
「ひあ゛ぁあぁっ!?あ゛ー!?」
「ゔ・・・!すっげ、締まる・・・!」
「あ゛!?あ゛ぅん!!いく!いっ、いっ、いっ!!」
「お前いってんだよ、ずっと」
「んぉ゛ぉっ!?あ゛ーーー!いっでるぅ!」
「はぁっ!はっ、ゔ、くっ、」
ガシッと腰を掴んで、乱暴に腰を叩きつける。
ずっとずっと中が締まって、和多流くんのがはっきり分かって、気持ちいい。
「も゛!も゛ぉいや!いってる!いってるから、!止めてぇえ!」
「止めないよ。好きでしょ?行ってる最中に、ゴリゴリ、されるのっ」
「ごめんなさい!ごめんなさいぃ!ぎもぢいぃい・・・!」
「はー、はー・・・!」
「ゔあ゛ぁあ・・・!あ゛っ!あ゛ぁあん!」
「はぁっ・・・!お前、ずーっと、おれのどネコでいろよ・・・?な?」
耳もとで囁かれ、首筋に快感が走る。
だらしなく叫んで、深く深く達した。気持ち良すぎて何も考えられなかった。


******************


「・・・和多流くん、そんなに落ち込まないでよ」
背中から抱きしめられて、顔が見れない。だけど時々深いため息をついて唸っている。
「・・・おれ、すごく良かったよ」
「・・・」
「わ、わがまま聞いてくれて、ありがとぉ・・・。おれ、ずっと和多流くんのどネコでいるね」
「プレイ!!プレイだから!!真に受けなくていいから!!」
「え?そうなの?」
和多流くんが勢いよく起き上がったのでおれも飛び起きる。
プレイか。なんだ・・・。
「もう言わないからね!」
「・・・うん。分かった」
「結構頑張ったんだから・・・もう勘弁して」
「・・・どこまでがプレイだったの?」
「え?」
「どネコって・・・ずっと和多流くんに抱かれるってことだよね?それもプレイなの?」
「~・・・!」
「・・・おれが抱いていいってこと!?」
「違う!!!ずっとおれのどネコでいてください!!!」
叫んだ後、いきなり壁に頭を打ちつけた。
慌てて止めに入る。
「ちょ、ちょ、」
「おれこんなこと言いたくないのに・・・!」
「プ、プレイだもんね!ね!」
「・・・もうしないから」
「うん。これでおしまい。寝よ」
これ以上話をしたら和多流くんの情緒が危ない。
抱きしめて布団に潜り込んだけど、和多流くんはしばらく唸っていた。笑いを堪えるのに必死だった。
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