水色と恋

和栗

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「欲しいもの、あるんだけど・・・」
駅で待ち合わせをして落ち合った時、真喜雄が恥ずかしそうに呟いた。
目をキョロキョロさせて挙動不審。
「え?うん・・・。あ、手持ちないの?貸そうか?」
「や、違う・・・。一緒に来て欲しい・・・」
「いいよ。どこ?」
「・・・ドラッグストア」
ぽっと頬が赤くなったように見えた。うん、と頷いて足を運ぶ。
真喜雄は入り口で少し足を止めて、ぐっと一歩踏み出して中に入っていった。
何を買うのか分からないのでぼーっと興味のないものを見ていると、くんっと袖を引かれた。
「・・・ごめん、こっちついてきて」
「え?うん」
そーっと足音を立てずに、真喜雄は衛生用品のところにやってきた。
見つめるのはコンドーム類。
「・・・え?」
「・・・これ」
指をさしたのはローション。
見るのは初めてじゃないけど、買いたいものってこれ?なんで?
「・・・真喜雄?」
「・・・ほしいんだけど、普通に買えるのかな・・・年齢確認されない?」
「や、うーんと・・・えーっと・・・」
「おれ、ジャージだからダメかな・・・」
「ネットで、買ったら?ていうか、なんでいきなり、」
「ちょと、話し、聞いて・・・いいなって」
「待って、なんの話?ちょっと、一回外出ようよ」
背中を押して外に出る。駐車場の植え込みに腰掛けて一息つく。
「で、何の話を聞いたの?」
「・・・んと、今日の体育で山田と橋本とチーム、一緒になって」
「あぁ、バスケだったね」
意外なことに真喜雄はバスケも得意なようだった。
ボーリングがあまりにも下手だったので、手が不器用なんだと思ってたけど・・・。
「試合ない時に最近どうって話になって・・・山田が惚気始めたからとりあえず聞いてたんだけど、ローションがヤバイって聞いて」
「生々しいね」
「ちょっとな・・・。でも橋本もいいよなーって言ってて、おれも透吾と使いたいなと思って・・・」
「あ、あー・・・。うーん・・・」
興味がないわけじゃないけど・・・。
あまりにも突然すぎるというか・・・。
「真喜雄って結構人の話に影響されるよね・・・」
「・・・自分でもそう、思う・・」
「えーっと、多分ドラッグストアではちょっと買えないと、思うんだけど・・・。どう見ても未成年だし・・・。ネットなら買えるんじゃない?」
「ネットで買い物したことないから、不自然かなって・・・」
「山田くんたちはどうやって買ったんだろうね」
「ドラッグストアって言ってた。年齢確認はされなかったって。橋本はネットらしい。山田、体大きいしパッと見る大人っぽいからな・・・中身子供だけど」
「ふぅん・・・。んっと、本当に欲しい?」
「うん」
「・・・じゃぁ、僕がネットで買っておくよ」
「えっ。いや、おれが・・・」
「僕時々本とか買うし・・・不自然にはならないから平気だよ」
「・・・ん」
真喜雄は少ししょぼんとしたけど、こくりと頷いた。
その場で2人で確認しながら購入し、届くまで静かに待った。
届いたのは2日後。学校から帰って母さんに箱を渡された。
商品名はなくて、ちょうど文庫本が入るような大きさの箱だったので、本を買ったとごまかしておいた。
部屋に入って箱を開ける。
写真を撮って真喜雄に送り、届いたよとメッセージを入れる。まだ部活中だろうから既読にはならなかった。さて、これはどこにしまっておくべきか。
そっと机の引き出しに入れて鍵をかける。
て、いうか、これいつ使おう。
家に誰もいなくて、真喜雄を自由に呼べる日って・・・もうほぼないけどな・・・。
しばらくすると返事が来た。
そっち行く、と有無を言わせない文面。
来てもいいけど、家族全員揃ってるから何もできないけど・・・。
家の外で待っていると、真喜雄が自転車を漕いでやってきた。
結構かっ飛ばして来たようで、息が上がっている。
ジャージ姿のまま僕の前に立つと、部屋上がっていい?と聞いてきた。
とりあえず晩ご飯を一緒に食べてから部屋に上がり、ローションを手渡す。
マジマジと見つめ、じっと僕を見た。
「使っていい?」
「ダメ。家族そろってる」
「ちょっとだけ」
「ちょっとで終わった試しがないよ」
「・・・いつなら平気かな」
「君、もうずっと部活じゃない。それに僕も塾だし・・・」
「合間見つけてくる」
「うーん・・・」
「1週間の予定わかったら連絡しあおう」
「・・・」
「うち、結構おれ1人の時多くなると思うんだ」
「・・・すごくテキパキ話すけど、そんなに使いたいの?これ・・・」
「うんっ」
目を輝かせて、力強くうなずいた。それを見てつい笑ってしまう。
ローションを真喜雄の手から取って、セロハンを外してからキャップを外し、手に取り出す。
とろりとして少し冷たかったけど、すぐに体温と同じ温度になる。
予備動作なく真喜雄のジャージをずり下ろすと、慌てて手が伸びてきた。
「な、何すんの」
「ん?触ろうかなって。ほら、手、どかして」
「や、その・・・」
「したくないの?」
「おれがしたい」
「後でね」
後でも何もないけど。
真喜雄は少し迷いながらも、そっと手をどかした。
反応してないペニスをそっと包むと、ピクンと足が揺れた。
「どんな感じ?」
いつものように手を動かす。ニュル、とか、くちゃ、とか水音が可愛く響いた。
「・・・なんか、口の中、みたい・・・う、」
「へぇ・・・気持ちいい?」
「うぁっ、う、やっぱ、口・・・じゃ、ない、う、ん、・・・なんか、うー、」
「気持ちよさそうだね」
先端を擦ると、完全に勃起した。
真喜雄は口を押さえて声を殺す。
いつもよりペニスが大きく反応している気がする。
スライドしている手に強弱をつけると、小さく声が漏れた。
「くぅ、・・・っ、ん!」
「すごいね。乾きづらいからずっとぬるぬるのままだよ」
「んぐっ、・・・んんっ、」
恨めしげに見つめてくる。
でも抗えないみたいだ。ペニスは手の中で嬉しそうに跳ねているし、先走りだって溢れてる。
このままずーっと、手の中で温めてあげたいな。
「ね、オナニーホールって使ったことある?」
「な、い・・・あっ、」
「今度使ってみようよ。もっと気持ちいいかも」
「や、やだっ、・・・っん、うー、・・・!透吾、エロい・・・!」
「エロい?」
「手、手の、うご、あ、あ、あ、っ」
「・・・これ?」
「んふぅっ、」
亀頭を擦るように手の中で転がす。
鼻から声が抜けて、カクカクと腰が揺れ始めた。
もうイクのかな?まだまだ触り足りないな。
手を離すと、困惑した顔で僕を見つめた。
「透吾、」
「少し我慢ね」
「・・・こーゆーのやだってば・・・」
「焦らされるの嫌い?」
「ん・・・」
「でも長くできるよ」
「されるのは、やだ」
「わがまま」
つん、と先端を突くと、ペニスが大袈裟に跳ねた。
はー、はー、とゆっくり、深い呼吸が聞こえる。
それに合わせてスライドさせると、胸が大きく上下し、目元を腕で隠して大きく呼吸を繰り返していた。
「はーっ、はーっ、」
「イキそう?」
「あ、はっ、はぁあ・・・!はー、うー・・・!」
「イキたい?」
「い、く、」
「声、抑えてね」
手の動きを激しくする。
真喜雄は慌てたようにもう片方の腕を口に持っていき、ジャージを噛んだ。
ローションを足すとガクガクと腰が跳ねた。
「はぐっ、!んっ!ぐっ、!」
「真喜雄、可愛い・・・」
「ん゛んん゛んっ!」
濃くて、重たい精液が吐き出された。
手が熱くなる。
カタカタと小刻みに震える腰が艶やかで、見惚れてしまった。
僕のペニスも天井を指していたけれど、落ち着くまで触れることはしなかった。今触れてしまったら、我慢なんか利くはずがない。
ティッシュで拭き取り後処理をすると、のろのろと体が持ち上がった。
「・・・すげー気持ちよかった・・」
「本当?よかった。僕もすごく興奮した」
「すげー勃起してるな」
「うん。寝るときに思い出してしようかなって」
「え?次、おれだろ」
「時間見て、時間」
時計を指差すと、真喜雄はむすーっと唇を突き出した。
身なりを整えると、グッと顔を近づける。
「明日は?」
「塾だよ」
「明後日」
「塾。真喜雄だって部活、遅いでしょ?」
「ずるいぞ」
「ずるくないよ」
「いや、ずるい。おれが買うって言ったのに透吾が買うし、おれが使いたいって言ったのに先に使ったし」
「でも気持ちよかったでしょ?」
「・・・そ、れとこれとは、別だろ。これ、おれが持ってるから」
「えっ、何で?」
「絶対今週中に透吾、家に連れ込んで使ってやるんだからな」
吹き出して笑うと、おれは本気だからな、とのしかかられた。
ジタバタもがいても真喜雄はずっと覆いかぶさったまま、ガブリと耳に噛み付いてきた。
くすぐったくて身をよじるけど、真喜雄の気が済むまで耳をいじられた。

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