水色と恋

和栗

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教室に入ると、挨拶をされた。
返して席へ着くと、真喜雄が入ってきた。
目をくりくりにさせながら隣に座る。
「おはよう」
「・・・はよ」
チラチラとこちらを見て、そわそわし始めた。
こちらへ振り向いて口を開いた瞬間、田所くんが振り返った。
「水出髪切ったのな。似合うじゃん」
顔には出さないが、真喜雄から不穏な空気が漂ってきた。
きっと、同じことを言おうとしたのだろう。タイミングが悪かった。
「おれが言おうとしたのに」
「被ったね」
「・・・教えてくれてもいいだろ」
ブスッとして、パンにかじりついた。
可愛いなぁ。ヤキモチ妬いてる。
ついニヤニヤしてしまうと、刈り上げた襟足を撫でられた。
「前から見るとそんな変わらないけど、後ろすごい切ったな」
「うん。だいぶ伸びてたから。今少し、寒いよ」
「・・・次切ったら絶対すぐ教えて。写真も欲しい」
「写真は無理だけど連絡はするよ」
「・・・なんか、可愛いな。幼い」
うなじを撫でられる。少し鳥肌がたった。
暖かな手が気持ちよくて目を細めると、うっとりするようなキスをしてくれた。
真喜雄の整った顔がゆっくり近づいてくるのが好きだった。
何度も角度を変えながらキスをすると、ぐぐっと押された。押し返そうとするとさらに力を込められる。肘を折って体が倒れると、真喜雄は覆いかぶさってきた。
「もー、」
「だって可愛いから。これ以上しないから、もう少し」
しょりしょりと刈り上げを撫でられた。
同じように撫でてあげると、啄ばむようなキスを繰り返す。時々唇を舐められたり、甘く噛みつかれたり。
少し寒い首元を温めるように、大きな手のひらがそっと添えられた。




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