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第五章 アトルの街編
第二話 妹よ、俺は今友達の家に遊びに来ています。
しおりを挟む「よく来てくれた、トキオ君。さあ、入って、入って」
週末、約束していたマジックアイテムの整理をするためオスカーと一緒にオリバーさんの屋敷を訪れると、玄関の前で家令のラウさんと二人満面の笑みで出迎えてくれた。
「ト、トキオ君!叔父上、いくら何でもその呼び方は・・」
「オスカーの言う通りです。俺のことはトキオでいいですよ」
「そういう意味ではありません!」
何をカリカリしているんだ、オスカーの奴。俺の方が年下なのだから当然だろ。
「オリバーさん。これ、お土産です」
「そんなに気を遣わなくても、私の方が手伝ってもらうのに・・・」
「たいしたものではありません。ここへ来る前に買ってきた、みたらし団子とほうじ茶です」
「ほお、珍しい組み合わせだねぇ」
この世界でほうじ茶はあまり飲まれていない。お茶といえば基本は紅茶で、おにぎりだろうがみたらし団子だろうが紅茶と一緒に頂くのが普通だ。
「みたらし団子とほうじ茶は最高の相性です。オリバーさんとラウさんにも知っていただきたくて買ってきました。騙されたと思って、是非一度試してみてください」
「トキオ君にそう言われると試してみたくなる。ラウ、早速頂こう」
「畏まりました。では、準備してまいります。トキオ様、オスカー様、屋敷の中でお待ちください」
ラウさんは俺から袋を受け取ると、美しく一礼して先に屋敷の中へ入っていった。
「先生はほうじ茶がお好きなのですか?」
「いいや、別段好きでも嫌いでもない。ただ、みたらし団子を食べるなら紅茶より断然ほうじ茶だ。オスカーも試してみればわかる」
「叔父上ではありませんが、先生にそこまで言われると試してみたくなりますね」
そんな会話をしながらオリバーさんの書斎に到着すると、既にラウさんがお茶の準備を終えていた。しかもカップではなく、ちゃんと湯飲みである。できる家令は仕事も早い。
「では、早速。んっ、これは!」
「どうなのですか、叔父上?」
「美味い!みたらし団子だけでなく、ほうじ茶まで美味く感じる。オスカー、お前も食べてみるといい」
気に入ってくれたようだ。人種や世界が違っても、人間の味覚は同じでよかった。この世界にほうじ茶を普及させたのも上田誠(仮)だと俺は睨んでいる。元日本人としては毎日紅茶ばかりだと日本茶が恋しくなるものだ。店にはほうじ茶だけでなく、番茶や高級な緑茶もあった。お茶だけ飲むのなら俺も緑茶の方が好きだが、おやつと一緒ならほうじ茶がいい。上田誠(仮)の奴、なかなかわかっているじゃないか。
「本当だ、これは美味い!」
パクパクと競うようにみたらし団子を口に運んではお茶を啜るオリバーさんとオスカー。貴族が「美味い!」を連呼しながらほうじ茶を啜る姿は少し滑稽だが、貴族らしくない二人らしくもある。
「ラウさんもどうぞ。執事の厳しい舌で味見してみてください」
「それでは、お言葉に甘えて・・・これは!なるほど・・・」
うん、うん、と頷きながら、ラウさんは美しい姿勢でみたらし団子とほうじ茶を交互に口へ運ぶ。先に食べた二人に比べて、実に品がある。どっちが貴族だとツッコミたくなるところだが、おやつなんてものは好きに食べればいい。
「早く食べないと、先生の分が無くなってしまいますよ」
「これはオリバーさん達への土産だぞ。俺の分はいいが、オスカーは少し遠慮しろよ」
俺もみたらし団子を一口食べてほうじ茶を啜る。うん、やっぱりこれだ。もう直ぐ夏だし、今度は子供達の為に麦茶でも探してみるかな。
おやつタイムの後は、本来の目的であるマジックアイテムの整理。あらかじめ大きな部屋に並べてもらったマジックアイテムを一つ一つ「鑑定」でチェックしていく。危険性の無い物はそのまま蔵へ、危険な物、使い方によっては危険性を孕むものは「創造」で作ったダミーを蔵へ戻し、本物は俺がプレゼントしたオリバーさんのマジックバッグで保管。
流れ作業のごとく次々に「鑑定」しながら思う。派手なだけでマジックアイテムとしての効果が殆どない物、それどころかマジックアイテムである必要すらない物が多すぎる。くだらない物でも製作者がセイジョウデンであれば、なぜこんなアイテムを作ったのか考察する必要はあるが、残念ながら事前に知っていたミラーボールと箱買いした隠蔽の指輪以外でセイジョウデンが作ったマジックアイテムはなかった。
「トキオ君・・・どうかな、私のコレクションは?」
「単刀直入に言いますね。・・・ほぼ、ガラクタです」
「だはっ!」
拳銃で撃たれたかのようなリアクションをするオリバーさんを見て、ラウさんの肩をバシバシ叩きながらオスカーが腹を抱えて笑っている。よく見れば、ラウさんも必死に笑いをかみ殺していた。言い方間違えたかなぁ・・・
「お、お前ら、人の不幸を笑いおって!」
「すみません、叔父上・・・しかし・・・今まで散々自慢話を聞かされてきたマジックアイテムが・・・ほぼ、ガラクタって・・・駄目だ・・・プッ!」
おい、オスカー、笑い過ぎだ。やめとけ!
「トキオ君、私にマジックアイテムの目利きの才能がないのは、よーくわかったよ」
「いいえ、必ずしもそうとは限りませんよ。よろしければ俺が良いマジックアイテムの選び方を教えましょうか?」
「本当か、是非お願いする。私はマジックアイテムが好きなのだ!」
その言葉がすべてだ。この世界は好きこそ物の上手なれ、興味を持つことや好きなことが上達しやすい世界。それがスキルに現れる。これ程マジックアイテムへ深い愛情を見せるオリバーさんに目利きの才能がまったく無いとは思えない。魔法の解釈と同じで、根本的な何かが欠けている。コツさえ掴めばオリバーさんは相当な目利きになるような気がする。経済や人を見る目に長けたオリバーさんがマジックアイテムだけ見る目がないのは違和感だらけだ。
「それでは、私の書斎に戻りましょう。ラウ、お茶の準備を」
「畏まりました」
即座に仕事モードとなったラウさんは、綺麗な一礼をして部屋を後にする。それに引きかえオスカーよ、いい加減笑うのをやめなさい。
マジックアイテムの善し悪しを説明するため数点アイテムを選んでから書斎へ戻ると、部屋の中は紅茶の良い香りで満たされていた。
「どうぞ、トキオ様」
「ありがとうございます。いい香りのお茶ですね」
「はい。当家主人が今日の為、厳選して取り寄せた紅茶です」
「それは楽しみだ。いただきます」
教会でシスターパトリが出してくれる紅茶もいい香りだが、この紅茶はそれ以上に香りが強い。早速一口頂く。
「美味い!これだけ強い香りを出しながら、口に入れると嫌な苦みが一切なく爽やかさすら感じる。こんな紅茶を飲んだのは初めてです」
本当に美味しいのもあるが、先程のマジックアイテム評から落ち込んでいるオリバーさんに元気を出してもらいたいので、少し大げさに褒めてみた。効果はあったようで、美味しそうに紅茶を口にする俺を見て口角が上がっている。
皆でしばらく紅茶を楽しんだ後、「鑑定」した部屋から持ってきた二つの指輪をテーブルに出す。マジックアイテム目利き講座の開始だ。
「この二つの指輪は、どちらも魔力を流すと光る効果があります」
一つはリングだけの指輪。もう一つはリングに宝石のイミテーションが付いた指輪だ。
「俺がこの指輪に価格をつけるとするなら、一方は金貨一枚以下。もう一方は金貨十枚以上です。オリバーさん、どちらが高価かわかりますか?」
しばらく見比べた後、オリバーさんが口を開く。
「今までの私なら、間違いなく宝石の付いた方を選んでいる」
「その理由は?」
「光を宿すことで、宝石がより一層輝くからだが・・・」
まあ、そうなるだろう。やはりオリバーさんはマジックアイテム選びの根本がわかっていない。
「不正解です。理由は後ほど。では、もう一問」
テーブルに二つの指輪を残したまま、今度は俺のマジックボックスから宝石の付いた指輪を出す。
「今俺が出した指輪と先程オリバーさんが選んだ指輪、どちらの価値が高いでしょうか?」
「手に取って見てもかまわんかね?」
「ええ。よく見てください」
オリバーさんはポケットからルーペを取り出すと、俺が出した指輪と先程選んだ指輪を隅々まで念入りに見比べる。
「こちらだ」
オリバーさんがスッと前に出したのは、俺がマジックボックスから出した指輪。
「正解です。理由は?」
「トキオ君が出した指輪に付いた宝石は本物のルビー。私が見たところ金貨数十枚、出す者なら百枚以上の可能性もある。それに対してマジックアイテムの方はルビーに似せたガラス玉、偽物だ」
「その通りです。偽物が光ったところで、偽物であることに変わりはありません。美しく価値の高い宝石を手に入れたいのであれば、本物の宝石を買えばいいのです」
本物の宝石が付いた指輪をマジックボックスにしまい、二つのマジックアイテムの指輪に戻る。
「マジックアイテムの効果について説明します。二つの指輪は魔力を流せば光るという効果を持つアイテムです。これは、ランプや松明の代わりになります。ならばランプや松明を使えばいいではないかと考える人もいるでしょうが、そうではありません。まず、ランプや松明は火が必要です。火の起こせない状況や雨などで使えない状況下であっても、この指輪は関係ありません」
明かりを求めるのならば、火より光の方が圧倒的に優れている。
「次に、ランプや松明には油が必要です。使用できる時間もそれ程長くありませんが、この指輪は魔力が続く限り使えます。人間は休めば魔力は自動で回復しますので、半永久的に使えるということです」
ほんの僅かな魔力で明かりを得られるという点でも、ランプや松明に比べ燃費が圧倒的に良い。
「最後に、ランプや松明は片手がふさがります。対して指輪は付けていても手を使うのに支障ありません。利便性が格段に上がります」
戦闘時は勿論、机の下で探し物をするにも両手が使えるに越したことはない。ランプを持って戦うのは不可能に近いし、松明を持って机の下で探し物をするのは危険極まりない。
「以上のことから、この指輪はマジックアイテムである意味のある物だと言えます。それでは、もう一度質問します。オリバーさん、どちらの指輪がマジックアイテムとして価値が高いと思いますか?」
「リングだけの指輪だね。マジックアイテムとして考えれば、偽物の宝石など邪魔にしかならない。しかも、この宝石はガラス玉だ。強度も低い。目立つのもよくない。あらゆる面でリングだけの指輪の方がマジックアイテムとして優れている」
「大正解です。この指輪は良い物なので、是非使ってください」
そう言って、リングだけの指輪をオリバーさんに渡すと、嬉しそうに指にはめた。
「それにしても、なんとわかりやすい説明なのだ。ただ教えるだけでなく、私に判断させながら理解させていく。今回は指輪だったが、今日聞いた話は全てのマジックアイテムに共通する要点がまとめられていて大変勉強になったと同時に、聞いていて楽しかった。素晴らしい先生だ」
「誉めすぎですよ。オリバーさん」
「いいや、オスカーもそう感じただろ?」
「はい。今私も先生から魔法の講義を受けておりますが、絶対に先生は生徒をおいていきません。生徒が理解しているか、どの部分を理解していないのかを常に見ておいでです。その上で、今はどの順番でどこまで教えるかを生徒に合わせて判断してくれます。私は魔法と同時に、教師としての勉強もさせていただいています」
そんな風にオスカーが感じていてくれたなんて・・・少しだけ教師としての自信が高まったよ。
「ところで、トキオ君。オスカーから聞いたのだが、夏にアトルの街へ行くらしいね」
「はい。愛の女神カミリッカ様の教会が出来上がったら、挨拶に行くつもりです」
「先生、アトルはトロンと王都のほぼ中間です。セイジョウデンの制作したマジックアイテムもトロンよりあるのではないでしょうか」
「ああ。一週間から十日くらいは滞在して、色々見て回るつもりだ」
そうなのだ。アトルへ向かう第一の目的はカミリッカさんに「誓約」を解いてもらうこと。第二がセイジョウデンの痕跡を調べることだ。
「トキオ君はセイジョウデンについて研究しているのかい?」
「いいえ、研究と言うほどではありませんよ。単なる、一ファンです」
「早く言ってよ。だったら、これをあげるよ」
そう言ってオリバーさんがマジックバッグから取り出したのは、隠蔽の指輪一箱とミラーボール。どちらも制作者はセイジョウデンだ。
「ミラーボールはまだしも、隠蔽の指輪一箱は無償で貰うには高額すぎます。せめて、買い取らせてください」
隠蔽の指輪は一つ金貨五百枚。それが一箱、十二個となれば金貨六千枚だ。ミラーボールと合わせて、前世なら贈与税が掛かるレベル。いくら友達でも無償で貰っていい範疇を超えている。
「それをトキオ君が言っちゃ駄目だよ。私がトキオ君から貰ったマジックバッグは国宝級の一品だよ。金貨に換算したら数万枚、いや、数十万枚は下らない。逆にこの程度の恩返ししか出来なくて恥ずかしいくらいだ」
そうは言われても、俺はマジックバッグを簡単に作れるし・・・
「先生、貰ってやってください。叔父上は恩だけでなく、マジックアイテムは最も効果を発揮できる人物が持つべきだと考えているのです」
「オスカー、お前もトキオ君の教えを受けるようになって、少しは成長したようだな。そんなお前には、これをやろう」
渡したのはテーブルの上に残されたままだった、ガラス玉の付いた光る指輪。
「いりませんよ、こんなガラクタ!」
ぬぬっ!たしかにリングだけの指輪に比べれば価値は低いが、この指輪も無価値ではない。自分で言っていた時は何とも思わなかったが、人にガラクタと言われると気分が悪いな。すみませんでしたオリバーさん。今後言葉には気をつけます。
「オリバーさんはマジックアイテムが最も効果を発揮する人物が持つべきだと考えているんだろ。オスカーがその指輪の効果を最も発揮できる人物なんじゃないか?」
「そうだぞ。トキオ君の言う通り、この指輪の効果を最も発揮できるのはオスカーしかおらん・・・プッ!」
「あっ、今笑いましたね。やっぱり私にガラクタを押し付ける気だ!」
さっき笑い過ぎた仕返しだな。ここは大人しく受け取っておけよ、オスカー。
結局俺も、オリバーさんに押し切られてミラーボールと隠蔽の指輪一箱を貰うことになってしまった。貰った以上は有効活用していきたい。あざっす!
帰り道、日が沈みかけても寒さは感じない。直ぐに夏はやってくる。
少しは成長したところを見せに行くので、待っていてくださいカミリッカさん。あと、「誓約」の解除、お願いしますね。
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