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第二章 教会編
第九話 妹よ、俺は今街を散策しています。
しおりを挟むマザーループと今後の計画を打ち合わせた後、大量のノートと筆記用具をシスターパトリに渡して今日はお開きとなった。
庭の隅に出した丸太小屋に入り、念のため結界を施してコタローに話を聞く。
「話は聞いていたな、最低でもここの倍ぐらいは広さのある土地がいい」
「はい、少し中心街からは外れますがここなどどうでしょう」
どこから持ってきたのかコタローがマジックボックスから取り出した地図を嘴で突っつく。
「おお、広いな」
「これでも地価はここの半分程度です」
コタローが示した場所はここの四倍以上ある土地。今後のことを考えると広いに越したことはない。
「イレイズ銀行の動きは?」
「一週間後、教会に来ます」
「そうか、やっておきたいことは沢山あるが、とりあえず土地を見ておきたい。これから行こうか」
「お供いたします」
俺達は「隠密」で気配を消し夜の街を学校建設予定地に向かって疾走した。
♢ ♢ ♢
翌朝、最近さぼり気味だった刀の素振りをしながら慈悲の女神チセセラの加護で変化した身体を確認する。ゆっくり、時間にして一分程かけて刀を振り下ろす。これが案外難しいのだ。剣筋は早く振った方が真っ直ぐ綺麗に出る。重い刀をゆっくりとブレずに振り下ろすには腕力や握力は勿論、強靭な下半身と身体バランス、さらには高い集中力を必要とする。
この世界には大きく分けて三つの力がある。身体能力、魔法、スキルだ。この三つは密接に繋がっており、どれか一つを伸ばせばいいというものではない。それでも優先順位をつけるならスキル、身体能力、魔法の順だろう。
一見万能に思える魔法だがそんなことはない。魔法には属性ごとに弱点がある。火は水に弱く、水は土に弱く、土は風に弱く、風は火に弱い。また環境にも左右されやすく、雨が降れば火属性の威力は弱まるし、空中戦で土属性は何の役にも立たない。三つの力の中で魔法は最も対策を取りやすい力なのだ。逆に身体能力を使った攻撃には魔法を付与することが出来る。自分で付与できなくても魔法を付与した武器や防具を使うことも出来る。同じレベルの魔法使いと剣士が戦えば圧倒的に剣士の方が有利だ。
それに対しスキルは二つの力を凌駕する。例えば俺の持つ「双剣」のスキルだが、別に持っていなくても二本の剣を同時に使う事は出来る。だが「双剣」のスキルを持っていない者がどんなに良い武器を使おうが、どんなに魔法を武器や身体に付与しようが、どんなに身体能力が高かろうが、決して「双剣」スキルを持つ俺には届かない。出力が比べ物にならないからだ。前世で人間がどんなに訓練を積もうと自動車より速く走れないのと同じだ。そこには絶対に覆せない圧倒的な差がある。
現状、俺が持つ戦闘系スキルでカンストしているものはない。カンストした戦闘スキルを持つ者と戦うことになった場合後れを取る可能性がある。「鑑定」レベル10を持つ者が居る以上、戦闘系スキルレベル10を持つ者も居ると考えるのが自然だ。
勿論、戦いは一つのスキルだけで勝負が決まるものではない。俺には常人が到達することのできない高い基本ステータス、この世界で今は俺しか使うことのできない魔法、戦闘系以外のスキルがある。人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で縦横無尽に駆け回ることが出来たことを考えても強者であるのは間違いない。コタローもいることを考えると、例え勝てない相手と出会っても戦闘を回避するのは可能だ。世界最強を目指している訳でもないのでこれまではそれでいいと思っていた。
だが、これからはそうもいかない。俺には守るものが出来た。強化できることはとことんまで強化する。少なくとも獲得できたスキルは出来る限りカンストしておきたい。
「ふー、今日はこれくらいにしておくか」
「トキオ先生、おはようございます」
「はい、おはようございます」
挨拶をしてくれたのはミル。居ることはわかっていたが俺の訓練が終わるまで声を掛けなかったのには感心だ。
「トキオ先生は剣も使えるの?」
「ああ、一応冒険者だからね」
「凄い、かっこいい!」
「ありがとう。ミルも勉強だけじゃなくて運動もしないとダメだよ。健康な体じゃないと何をするにも全力を出せないからね」
「はーい。ところでこの丸太小屋はなに?」
「ああ、しばらくここで厄介になることになったから、昨日建てたんだ」
「トキオ先生ここに住むの」
「そうだよ」
「やったー!」
喜んで小躍りするミルが可愛い。時間が許すならずっとかまってあげたいがそうもいかない。こんな時は・・・
「ミル、これから問題を出すよ」
「うん!出して、出して」
マジックボックスから同じ長さの枝を六本出す。
「六本の枝で三角形を四面作ってください。わかるかな?」
早速ミルは枝をあれこれ動かし始める。
「わからなかったら友達と相談してもいいよ。俺は出かけなきゃいけないから帰ってきたら回答を聞くからね」
「うん・・・」
凄い集中力。俺の出した問題に必死で生返事になっている。ミルみたいな子には問題を出してあげるのが一番だな。まあ、問題というよりクイズみたいなものだけど。
問題に没入したミルをその場に残して丸太小屋に戻る。イレイズ銀行の件と並行して俺がやらなければならないこと、それはこの世界に慣れることだ。街に繰り出して文化レベルや市場調査、食糧事情も知っておきたい。習うより慣れろ、兎に角街に出て色々な物に触れる必要がある。
準備を整えてコタローを肩に丸太小屋を出ると、ミルが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「トキオ先生、できました」
「えっ、もう」
「うん、こうやって下に三角を作って、残りの三本を・・」
マジか・・・正解だ。俺、大学生の時この問題出されて解けなかったのに・・・
「正解。それを三角すいって言うんだよ。ちなみに下の三角が四角だと四角すい、丸だと円すい」
ミルはうんうんと頷きながら昨日あげたノートに図形と名称を書き込んでいく。本当にこの子は賢い。子供騙しのなぞなぞやクイズじゃ数分しか持ちそうもないな。
「よい、じゃあ次の問題だ。少し難しいのを出すよ」
「うん。出して、出して」
「ミルは人間が呼吸をするのは知っている」
「うん」
「どうして呼吸が必要かは?」
「わかりません。教えて!」
はい、食いついた。
「人間だけじゃなくて生き物は空気の中にある酸素を吸収するために呼吸をするんだ。生物の生命維持に酸素は不可欠なんだよ」
ミルの鉛筆がノートを走る。この子、9歳だよね・・・
「あれ、でもそれだとおかしいよね。生き物みんなが空気中の酸素を取り込み続けたら・・」
「酸素がなくなっちゃう」
「でも酸素はなくならない、なぜでしょう。これが問題」
俺に酸素という言葉を聞くまでミルには酸素の概念すらなかった。さすがのミルでもこの問題は答えにたどり着けない。それでいい、大切なのは正解を導き出すよりも考えること。俺が今出した問題はミルの知識にまったく無かったものからの出題。0が1になったばかりのミルに10の答えを出すのは不可能に近いが、この天才少女にはこれくらいの問題でないと半日も持ちそうにない。
ミルのノートを覗き込むと、空気、酸素、呼吸、生物の生命維持に不可欠など、俺が出した問題からキーワードになりそうな単語が抜粋してある。どれも的を射ていて末恐ろしい。
「それじゃあ、俺は出かけてくるね。帰ってきたら答えが出ていなくても、どう考えたのかを聞かせて」
「うん・・・いってらっしゃい」
思考の海に飛び込んだミルからおざなりな「いってらっしゃい」が帰ってきた。大丈夫かな、知恵熱出さなきゃいいけど。
♢ ♢ ♢
街は朝から活気に溢れていた。この時間は商売人と冒険者が多くみられる。取りあえず朝食を物色しようと食べ物屋の屋台が並ぶエリアに向かった。
ラノベで異世界の屋台といえば串焼きが定番だがこの世界は少し違った。パンやサンドウィッチ、ハンバーガー、ホットドッグ、タコス、うどんのような麺類、おにぎり、団子やドーナツなどの甘味もあり、少しずつ買って食べてみるとどれも美味い。値段も銅貨二三枚、日本円にして二三百円程度。トロンの街が特別なのかもしれないが食事事情はかなり良い。
なんだか拍子抜けだ。これまた異世界物の定番、やわらかいパンやプリンで一儲けとはいかないな。
朝食の後は日用品のチェック。初めに食器や鍋などを並べる店に入ったが、食器類は豊富で急須や湯飲みまであり価格は前世の俺が持つ感覚と大差ない。次に洋服店に入ってみると、こちらはこれぞ異世界といった品揃え。靴もスニーカーがあるなんてことはなく革や布がメインで価格も少しお高め。次は文房具店。インク、羽ペン、万年筆といった異世界の定番だけでなく鉛筆やノートも売っていた。だが品質は悪く値段も高い。鉛筆一本銀貨一枚、日本円にして千円。ノートは一冊銀貨三枚、日本円にして三千円。ミルがお貴族様みたいと言っていたのがわかる。
昼を過ぎると街には主婦層が増えた。買い物籠を持つ主婦で賑わう食品店が立ち並ぶエリアには八百屋、果物店、惣菜店、精肉店、香辛料を扱う店もある。品揃えも豊富で異世界の定番、コショウが滅茶苦茶高いなんてこともない。驚くことに味噌や醤油まである。肉は魔獣の肉だけでなく牛肉と鶏肉も売っていた。チーズやバターを扱っている店もあったことからこの世界では普通に酪農がおこなわれているのがわかる。
お次は冒険者御用達の武器防具店。そこでとんでもない物を発見する。
『おい、忍者装束が売っているぞ!』
『こちらにはまきびしががあります!』
『しかし・・・なんだ、この説明文は』
忍者装束には「斥候用お洒落着」うん、これはまだ許せる。問題はまきびし「魔獣の目を狙って投げつけろ!目潰し一個銅貨一枚」用途が間違っている・・・
『トキオ様、買っていきましょう』
『買うか!こんな粗悪品』
俺が作ってコタローに渡したまきびしに比べるとかなり出来が悪い。銅貨一枚、日本円にして百円でも高いくらいだ。これを魔獣の目にぶつけて視界を奪えるのなら、その冒険者は相当な凄腕だ。ただ、それが出来る冒険者は粗悪品のまきびしではなく、落ちている石を投げると思うけど。
忍者装束もまきびしも用途が正しく伝わっていない。もしかしたら手裏剣などもあったのかもしれないが使い方がわからず商品棚から消えていった可能性もある。確実なのは、昔これらの武器を作った者がいたということだ。
最後に本屋を覘く。日用品や食料品に比べ品揃えが悪い。前世の本屋のように手に取って見ることは出来ず、ガラス張りの棚の中に並べられており値段も非常に高い。一番安い料理のレシピや小説で金貨二三枚、魔法書や剣術指南書などは金貨十枚以上。
中央公園のベンチに座り今日見て回ったものを頭に浮かべる。
「なんか・・・思っていたのと違う」
孤児院が自立するために何か商売でもと思っていたが難しい状況だ。何と言うか・・・すでに場が荒らされている。
ハンバーガーやドーナツ、急須や湯飲み、鉛筆とノート、酪農、忍者装束やまきびし、これらは転生者が普及したもので間違いないだろう。商品の価格が比較的安価なのを見ても数十年、下手をすると百年以上前に来た転生者の仕業だ。
「多分「忍者」のスキルもこいつが始祖なんじゃないか・・・」
『なっ!本物の忍者が居たのですか?』
「いや、俺と同じで忍者を知っているだけだと思うぞ」
残念だが本物の忍者なら鉛筆やノートは知らないだろうし、ハンバーガーやドーナツは食べた事が無い筈。一人の転生者だけが普及させた物ではない可能性もあるが、俺には同一人物に思えてならない。
この人物、仮に「忍者かぶれ」と名付けようか、プロファイリングするに俺と同じ現代の日本人で間違いない。急須やまきびしは勿論、「忍者かぶれ」が普及させたと考えられる食べ物は現代日本のコンビニに並ぶ物ばかり。鉛筆や紙製品は大量生産が出来ないため、どうしても価格が抑えられないのだろう。
俺の考えが正しければ、ただの日本人である「忍者かぶれ」が、本来この世界のものではない「忍者」スキルを生み出したことになる。それすなわち、俺にも「忍者」スキルを取得するのが可能どころか、新たなスキルを生み出すことすら可能だということ。
もっと「忍者かぶれ」を知る必要がある。否、知りたい。正直に言おう。スキル関係なく俺はすでに「忍者かぶれ」のファンだ。
ブルジエ王国第三の都市とはいえトロンの街は王都から離れた僻地。それでもこれだけの物が普及しているなら王都にはもっとあってもおかしくない。これだけの影響を与えた人物ならば、なんらかの痕跡は必ずある。
本来の目的であったこの世界に慣れるのにはもう少し時間が掛かりそうだ。それでも十分に成果はあった。なにより「忍者かぶれ」の足跡を追うという新たなライフワークを手に入れたのだ、充実した人生を送るという目的は大きく前進したんじゃないか。
『帰るか、コタロー』
『はい、その前にまきびしを買いませんか?』
『買いません!もっと良い物を自分で作れるのに買う必要ないだろ。無駄遣いはダメ』
『えー、トキオ様だって変な形の水差しとコップを買っていたじゃないですか』
『あ、あれは忍者を目指すのに必要な物だからだ』
『そうだったのですか!流石はトキオ様』
『・・・まあね』
急須と湯飲みがあるのだ、日本茶もある筈。見つけたらコタローにも飲ませてやろう。
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