マイティガード -赤毛の令嬢の絶対の盾-

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episode1【My guard】

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 小さい頃、一度だけあたしは白馬の王子様に憧れた。
 寝る前に読み聞かせて貰った絵本。そこに描かれていた、お姫様と王子様のロマンチックな物語。年相応にあたしも、そんな王子様が現れてくれたらと夢を抱いた。

『そんなものは信じてはいけません。“王子様”なんてどこにもいないのですよ』

 読み聞かせてくれた本人の言葉によって、あたしの理想は崩れ去ったけど。
 しょせんは妄想が作り出したお伽話。そう教えてくれたのは、あたしの唯一の従者……パーシバルだけだった。

 あれから8年。パーシバルの言葉通りに、あたしは空想を抱えず生きることになる。
 だって、目先の現実があまりに過酷で、目を逸らしてる暇なんてないんだもの。


 ***


 沸いたばかりのお湯が、メイドの手でゆっくりと少女の身体にかけられる。

「……っ、少し熱いんだけど……」

 そう言いつつも少女は大人しくバスタブに浸かっていた。
 腰まである長い赤毛が水面に広がり、年頃の白く綺麗な柔肌をうまく隠す。

「申し訳ありません、アネリお嬢様。ただいまぬるめますわ」

 メイドの淡々とした口調にも慣れた様子で、アネリは気晴らしに窓の外に目をやる。
 広々とした浴室にメイドと猫足バスタブとガラス張りのいくつもの窓。中世の貴族の暮らしを思わせるけれど、あいにくアネリは流行にも電子機器にも慣れきった現代っ子。
 彼女は、山奥に建てた別荘で、使用人達と一緒に1週間の短い休暇を取っていた。

 アネリ・ウォーロックはいわゆる社長令嬢だ。
 彼女の父ルロイ・ウォーロックが経営する会社は、社会的に多大な貢献と業績を成している。
 しかし忙しさのあまり、我が子と触れ合う時間は1ヶ月に10分取れればいいところ。妻はアネリが幼い頃に亡くなってしまい、今やアネリを構うのは金で雇われた“旦那様に仕える”使用人達。つまりアネリはおまけ扱いだ。

「ねえバネッサ」
「はい、お嬢様」

 だから時々、アネリはこんな皮肉を口にする。

「せっかくの“パパの世話をしなくていい日”なんだから、仕事を忘れてのんびりなさいよ。今のあたしに媚び売ってもお給料は上がらないわよ」

 馬鹿にしたような口調のアネリに、メイドのバネッサは手を止める。
 アネリが言ったことは図星のようだ。バネッサはバスタブに濡れないようにタオルを掛けると、さっさと浴室を後にしてしまった。
 去り際、

「ええ、お嬢様はもう13歳。旦那様の人形を卒業なさっていい頃ですものね」

 そんな皮肉をぶつけてきた。
 バネッサがとったのは敵対的な態度。しかしアネリは癇癪を起こすそぶりも見せず、むしろ予想通りすぎてつまらないといいたげに「ふん」と一言。
 バタン、とドアが閉まるのを確認してから、もう一度窓の外を見る。
 背の高い木々と湖が1枚の絵のように切り抜かれている。早朝6時のもやを纏った森は、慌ただしく嫌な日常なんて無いものと思わせてくれる。
 実家の屋敷を出てこの別荘で暮らしてしまおうか……。ここ最近ずっと、そんなことを考えてしまう。

 ――丁度いいじゃない。屋敷の使用人達は皆あたしのことを嫌ってるし……あたしもあんな家にいたら息が詰まっちゃうもの。

 表向きは従順な使用人達も、裏ではアネリのことを何と呼んでいるか知っている。“思い上がりのお荷物”。“旦那様の人形”。到底、敬う気持ちなんて皆無だ。

「……ふん、別にいいけど。下手に皆から使われるの頭にくるし」

 蚊の鳴くような声で呟き、水面に広がる髪に口元を埋める。
 ふと、アネリの両耳を誰かの指が撫でた。

「っ!」

 同時に、聞き慣れた低い声が降ってくる。

「またアネリお嬢様はお強がりを。そのに、私を含んでいらっしゃらないのでしょう?」

 嬉しさを含む、優しい男の声。
 アネリは耳がじんわりと熱くなるのを感じながら、ゆっくり後ろを振り返る。

「……ええ、そうね。あなたは違うわね、パーシバル」

 照れ隠しに仏頂面をするアネリの目先には、唯一の使用人。灰色の髪をした“パーシバル”という青年が立っていた。
 小柄なアネリに対し、パーシバルは180cmを軽く越える長身。身体をほんの少し屈めてアネリに触れる様子はまるで、動物の親子のようで微笑ましい。
 けれど立場はアネリが上で、パーシバルは彼女に従順に仕える身。
 この時も、わざわざ入浴中に主人に会いに来たのは、彼の果たさねばならないお役目のためだった。

「お嬢様、ご無礼をお許しください。今すぐにバスタブからお上がりくださいませ」
「え?」

 一体なぜ? そう訊ねようとした時だ。

「………ッ」

 足にピリッと小さな痛みを感じた。何か、微弱な電気でも流れたような。
 そう思った直後だ。

「ッ!! ……あっ、ぁ、か、あッ!!」

 身体中を無数の針で刺されるような痺れに襲われた。
 それも痺れだけには留まらず、意思に反して身体はガクガクと震え、意識は朦朧とし、みるみる力が抜けていく。
 立ち上がることもできないアネリの身体は、徐々に水に沈んでいき………

「お嬢様、失礼いたします」

 寸でのところで、パーシバルに掬い上げられた。
 ザバッと水を掻き分け抱き上げる動作は一瞬。微かに腕に痺れを覚えたが、パーシバルは真顔でそれに耐える。
 そして壊れ物を扱う手つきで、アネリを床に寝かせた。

「……ぅ、ゲホッ、ゲホッ、ごほ!!」

 鼻や口から入った水を吐き出し、何度も何度も咳込むアネリ。その顔色はひどく青白かった。

「恐らく、湯に浸かり水面が丁度上昇する位置に、身体を麻痺させる毒が塗られていたのでしょう。目的はお嬢様を溺死させること。毒で直接死んだのでは、事故死に見せかけられませんから」

 震えるアネリの背中に優しく触れながら、パーシバルは淡々と分析する。

「……ゲホッ、えっ、ごほっ……!」

 激しく咳込むアネリ。しかし彼女も相当に肝が据わっているのか、少し呼吸を整えただけで、

「……ごほっ……、ひどいことするのねまったく……許せない……。犯人、捕まえるの手伝って。最悪も構わないから」

 目をきりっと吊り上げ、子どもが物をねだる時と同じ声色で、パーシバルに命令した。
 すると、今まで無表情だったパーシバルが、喜びでパッと顔を輝かせた。

「承知いたしました、お嬢様。ふふ……うまくいけば、久々に旦那様からご褒美をいただけるかもしれませんね」

 その言葉の意味は、ふたりにしか分からない。
 ただひとつ読み取れるのは、常に仏頂面のアネリがこの時ばかりは、とても生き生きとした表情を見せたこと。

「……くしゅん!」
「ああ、お身体が冷えてしまいますね。さあどうぞお嬢様」

 小さくくしゃみをしたアネリの肩に、パーシバルが優しくバスタオルを掛ける。
 彼女に代わり、タオルの上から身体をさすって暖を与えようとするのだが、

「……ねえ」
「はい」
「いくら相手がパーシバルでも、1枚のタオル越しに身体を触られるのは嫌だわ、あたし」

 アネリがぴしゃりと言うと、パーシバルはほんの少し顔を赤らめてすぐに手を離した。


 ***


 森に生える木の枝の上に、器用に身体を丸めて座る人物がいた。
 その手に持っているのは双眼鏡。それも軍人が使用するような、反射を抑える特殊加工がされた物だ。
 双眼鏡を覗く不審な人物。レンズの向こうにいるのは、九死に一生を得たアネリと、彼女を救ったパーシバルの姿。
 アネリの無事な顔を見たとたん、

「……ッ…………!」

 不審人物は、憎らしげに歯を食いしばった。
 ぎりぎりぎり……と聞くに堪えない音を立て、続いて薄く開いた唇から悪意のこもった呟きを漏らす。

「人殺しが。のうのうと生きやがって。贖罪しょくざいのチャンスを与えてやったというのに……」

 低く唸るような男の声。
 だがその声を聞き取った者はいなかった。ただ森に生える植物だけ。

 男の正体は、まだ分からない。


 ***


 朝の入浴を終えたアネリは、4階建ての別荘の最上階の隅……父ルロイが娘のために特別立派に造らせた部屋に戻り、身支度を整えていた。
 使用人を信用していない彼女らしく、着替えも自分ひとりで。髪を乾かすのも自分ひとりで。
 慣れた手つきでテキパキと身なりを整える姿は、社長令嬢の支度の風景とは程遠い。
 膝丈に広がる濃紺のワンピースが辛うじて令嬢らしさを留めているけれど、ムスッとした仏頂面は相変わらずだ。
 アネリは鏡に映る自分を見て、……正確には、そのニンジンのような赤毛を苦々しく見て、

「やな色」

 そう悪態をつく。
 アネリはこの毛色の軽薄さが嫌いだった。父のように、西洋人らしい綺麗な金色だったら……と何度夢に見ただろう。

「そんなことはございませんよお嬢様。これほど情熱的で、それでいて愛らしい毛色は他にございません」

 アネリの呟きに素早く反応したのは、いつの間にか背後に待機していたパーシバルだった。
 鏡に映る彼は使用人らしくないラフなシャツとスラックスと、サスペンダー姿。彼だけはどこか、他の使用人達とは違い一線を越えているらしい。
 違いといえばもうひとつ。

「それが嫌なの。あたし自身は情熱的でもなければ愛らしくもないもの」
「何をおっしゃいますか! お嬢様は例えるならば、たおやかに野に咲くポピーの花。成熟しきらぬそのお姿もまた繊細で愛らしいのです」
「………………」

 とろけそうな笑顔でアネリお嬢様への愛を熱弁するその姿は、さっきまでの彼とはまったくの別人だ。
 バスルームでのパーシバルが忠犬ドーベルマンだとするなら、今のパーシバルは常に尻尾を振りまくる柴犬といったところ。それくらいに、雰囲気が別物だった。
 あまりの変化にアネリも思わず引いてしまうが、そんな彼とは産まれた時からの付き合いなのだから多少は慣れたもの。
 大袈裟なお世辞(恐らく彼は本気)については深く考えないようにしながら、アネリは自分の髪の毛を軽く摘む。

「パーシバル。髪、編んで」
「!」

 アネリからの髪結いのお願い。パーシバルが喜ばないわけがない。表情筋をホニャッと緩めて、

「喜んで。お嬢様」

 彼女の絹糸のような手触りの髪へ指を絡め、優しい手つきで三つ編みを始めた。
 長い髪を的確な角度で、程よい力加減で、しかし素早く編んでいく。
 片側を終えると束を白いリボンで結び、もう片方へ。両方を編み終えるのに、5分もかからなかった。
 そして出来上がったのは、

「ふふ……よくお似合いですよ」

 綺麗な三つ編みに、ワンピース姿の可愛らしいアネリ。
 児童文学の赤毛のアンを思わせる少女がそこにいた。

「………………………」

 非の打ち所のない完璧な容姿なのに、アネリ本人は嫌そうに眉を寄せている。

「……本当はこんな子どもっぽい格好嫌だけど、このほうがパパ喜んでくれるし、仕方ないわよね」

 本当は長い髪もスパッと切ってしまいたい。ヒラヒラの服も、動きやすい細身のパンツで充分だ。
 それができないのは、父にひとつでも多く自分を気に入ってもらいたいから。自分を気にかけてもらいたいから。

「お嬢様は本当に旦那様想いでいらっしゃいますね。私は従者として大変誇りに思います」
「……別に褒めてほしくて言ったんじゃない」

 パーシバルのいつもの賛辞も、センチメンタルに入ってしまったアネリにはスルーする余裕もない。
 いつも気丈なアネリが唯一不安定になる時。それは、触れ合いの少ない実父ルロイの話題だ。
 いくら強気に振る舞ってみたところで、彼女はまだ13歳の甘えたい盛りの子どもということなのだろう。

「あたしの命を狙う犯人を捕まえれば、パパがご褒美をくれる。あたしはね、この休暇中に出来るだけたくさん犯人捕まえて、そしてパパにお願いするの。“1日だけ一緒にいて”って。………だからパーシバル、手伝ってくれる?」

 さっきまでは命令だった。だが今は違う。
 アネリは純粋に、をしていた。パーシバルを信じて。
 アネリの大きな瞳と、パーシバルの陶酔した目がかちあう。パーシバルは思った。

 ――あぁ、お嬢様……。貴女様のお願いを私が断る理由がどこにありましょうか……。

 気持ちがとめどなく溢れ出てくる。だからせめてもの表現のつもりで、パーシバルはアネリの小さな手をそっと包み込むように握った。

「もちろんでございます、アネリお嬢様。貴女様のため、旦那様のため、このパーシバル……槍の雨の中、毒の火の中、身を粉にして尽力させていただきます」

 彼の得意な大袈裟な言い回しを、アネリは今回ばかりは受け流したりしなかった。
 編んでもらったばかりの髪を揺らし、言うのだった。

「頼もしいわパーシバル。不思議よね。あなたがいるだけであたし、不死にでもなったような気分になるわ」
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