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3章 都大会(1年目)
53話 二つ名持ちの同窓会
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「お水をどうぞ! はい、どうぞ!」
陽子が蒼とのバトン合わせを終えゴール地点に戻ってくると、腕章を着けたスタッフ達がペットボトルの水を配っていた。
世界大会などではよく見る光景だが、国内の、それも高校生の都大会では珍しい。
他の地区から来た選手達は皆驚きつつも、ありがたく受け取っている。
「はい、どうぞですわ~! あら? そのジャージ……夏の森の方ですのね! わたくし、大ファンですのよ~! あ、もしかして200m、400mの日向陽子さんですの? 都大会ではリレー走るんですのね、応援していますわ~!」
「えっ? あっ、ありがとうございます!」
陽子も不思議なお嬢様口調のスタッフから水を受け取る。
南地区以外での突然のファン宣言と、やけに選手情報に詳しいことに驚きつつも、笑顔でお礼を言う。
秋を思わせる色合いで上品なブラウンのジャージ、秋の川の部員のようだ。
西地区の強豪、秋の川女子学園が大会運営を主導していると聞いたのを思い出す。
しっかりとロールのかかった艶のある髪を揺らし、彼女は楽しそうに語る。
「地区大会の動画はアーカイブで観ましたのよ。立身大付属との対決、結果を知っていても思わず手に汗を握ってしまうほどの熱戦で、わたくし感動しましたわ! 今大会もぜひ頑張ってくださいまし!」
「ありがとうございます、がんばります!」
やけにフレンドリーな少女にお礼を言ってから、水を持って壁際へ行く。
壁にもたれて給水しつつ、ぼんやりとトラックの様子を眺めていると、トラブルのような光景が視界に入る。
(なんか、揉めてる……?)
どうやら、マネージャーがスタッフに注意されて口論になっているようだ。
「バトン合わせのチェックと、付き添いだっての! すぐ終わるって!」
「朝の人が多い時間帯に、こんな大人数でトラック周辺に立ち止まってたら迷惑でしょう!」
注意されている側は、胸元に校章の雪の結晶が銀糸で刺繍されている純白のジャージ、冬の谷女子学院のサポートチームだ。
注意している側は秋の川の部員で、腕章を着けたスタッフだった。
やや幼い見た目から、どちらも中等部の部員のようで、高等部の選手のサポートに来ているのだろう。
口論をしている2人はお互いに面識はあるようだが、仲はあまりよろしくないのか、ややヒートアップしている。
(完全に部外者だけど、これは止めに行った方がいいかなぁ……)
陽子がそんな風に思ってペットボトルのキャップを締めようとしていると、後ろから「なにごとですのー!」という声とともに、先ほどのスタッフの少女が走ってきた。
「運営主任の一条志保ですわ。 六角、そして冬の谷のあなた、何があったか聞かせてくださる?」
「一条……っ! いえ、もう終わりましたので退散しますよ」
どうやら冬の谷のリレーチームのバトン合わせは終わって、用は済んだようだ。
面倒事は避けたいといった風に、冬の谷のメンバーは立ち去ろうとする。
「ちょっと、針山! 話はまだ終わってないんだけど!」
口論をしていた秋の川のスタッフ、六角と呼ばれた少女が声を上げるが、冬の谷の針山と呼ばれた少女は無視して配下のメンバーに撤収命令をしていた。
しかし、やや離れた場所から別の選手が歩いてきて、志歩達に声をかけた。
「たまたま見ていた者だが、マナー違反はよくない。よくないと思うぞ! 冬の谷のサポートチームは、場所を占有し過ぎだな、もう少し配慮すべきと思うが?」
「あら、これは『怪鳥』浜野かもめさん。第三者のご意見ありがたいですわ」
青いジャージを着て現れた選手は、浜野かもめ。
東地区の強豪、海の風の選手にして混成7種競技の選手だ。
中学時代は混成4種競技で関東制覇を果たし『怪鳥』の二つ名を持つ、陽子もよく知る有名選手だ。
「一条に『怪鳥』まで……姐さん達にバレる前にさっさと退散するが吉だな」
「おいおーい、誰にバレる前にだって?」
他校の名のある選手も現れて分が悪いと踏んだのか、針山は退散しようとするが背後からの声に固まる。
そして冬の谷の選手達は針山も含め、条件反射のように、その場で道を開けて跪いた。
「志歩お嬢様、運営スタッフには助かってるぜ~。で、もしかして、うちのモンが迷惑かけてる?」
現れたのは、2人の冬の谷の選手。
純白のジャージと銀の刺繍、そこまでは他と変わらないが、追加で胸元に数字が、それぞれ1、2と刺繍されている。
冬の谷のリレーメンバーは、実力の序列がジャージに示される。
つまり2人は、冬の谷の序列1位と2位ということだ。
(『絶対女王』と『白銀皇帝』!!!)
完全に出るタイミングを失って見守っていた陽子も、その存在にすぐに気付く。
中学時代に100m、200mでそれぞれ全国制覇を果たした王者、序列2位の大路大河、そして序列1位の最上理音だ。
「わたくしも完全には事情を聞けていないんですけれど、浜野さんの証言によれば通行の妨げに……」
「嵐! てめぇバカヤローが!」
「申し訳ございません!!」
志歩が言い終わらないうちに大河が針山嵐を𠮟りつけ、ノータイムで嵐も謝る。
他校には強気だが、自校の先輩には弱いらしい。
「針山、チームの品位を下げるな。王者たる自覚と責任をわきまえろ」
「そうだぞ、うちの選手のために行動するのはいい、だが同時に、よその選手も同様に尊重しろ」
理音と大河に叱られ、嵐は一気にしゅんとする。
「みんな、迷惑をかけて申し訳ない。中等部を動員したが、不慣れな者も多かったようで、うちの指導不足だ。部内で共有して再発防止に努めると同時に、運営へボランティアを提供させてくれないか」
「えぇ、普段と違う競技場ですし、勝手の分からない方も多いでしょう、全体にもアナウンスをかけますわ。そしてボランティアについては大歓迎ですのよ。では後ほど、そちらのマネジリーダーと詳細を会話させていただきますわ」
「かたじけねーなー。おい嵐、お前も運営スタッフのボランティアやってこい。これで済ましてもらって、うちの女王様と志歩お嬢様に感謝だな!」
「そ、そうですね姐さん……」
凄く嫌そうな顔をしているが、大人のトレードで大事にしないでもらった分、嵐は大人しく従うようだ。
「それでは、あとはうちの者に任せますわ。皆様方、また何かお困りごとがありましたら、わたくしたち運営スタッフまでお気軽にお申しつけくださいな。では五代、三田、行きますわよ。そろそろブリーフィングの時間ですわ」
「はいお嬢様」
「なんじゃ、揉め事じゃ思っちょったのに穏便解決してもーた。お嬢は有能過ぎるけぇ、暴れ足りないのー」
陽子の気付かないうちに、志歩の両脇には2人の秋の川の選手が並んでいた。
志歩を守るように両脇を固め、ともに帰っていく。
「志歩お嬢様……流石は秋の川の部長、同じ1年なのに堂々としてるぜ」
一条志保は、秋の川の部長だった。
両脇を固めるのは腹心にして同じ1年生、五代叶と三田鳴。
僅かな時間で場を収めてしまった理音と志歩の手腕に感心しつつ、周囲のメンバーの豪華さに陽子は驚きを隠せない。
(どんだけ豪華なメンバーだよ……出ていかなくて正解だった。私だけ面識ないし。ていうか、あの子が秋の川の部長だったのか……やけにうちに詳しいと思ったけど、情報収集力が高そうだな)
ふぅ。と緊張が解けて溜息をつく。
そんな陽子をさらに離れたところから見ていた人影が2つ。
「同窓会チックだったッスけど、出ていかなくて良かったんスか?」
「全然和やかな同窓会じゃなかったけどね。同期の二つ名持ちがあんなに集まって……面倒よ」
「そんなこと言ってー。乙姫も『竜宮童子』って呼ばれてるくせに」
「その二つ名、皮肉で付けられてる気がするから気に入ってないんだけど……昼寝こそ『眠れる森の美女』なんて呼ばれてるんだから。挨拶ついでに行って来ればよかったのに」
「自分もその二つ名、由来が皮肉なんで嫌なんスけどね……。あと自分も仲良かったわけじゃないんで、輪には入れないッスねー」
「なんだ、私達も所詮は地味キャラね。あそこの子みたいに」
「陽子さんッスか? アーカイブ見た感じだと、あんまり油断はできなさそうッスけどねー。まぁ、別に関係ないんスけど」
「そうそう、結局みんな倒すんだから。誰が相手でも同じよ」
「そんじゃまぁ、ちょいと轟かせるッスかねぇ。春の丘の名を」
東京都大会……中学時代に名を馳せた猛者達が、再び集結した最初の大会。
後に『抑制不能の超新星達』と呼ばれ恐れられる世代が、高校生として初めて戦い、暴れることとなる。
この大会、荒れないはずがない。
陽子が蒼とのバトン合わせを終えゴール地点に戻ってくると、腕章を着けたスタッフ達がペットボトルの水を配っていた。
世界大会などではよく見る光景だが、国内の、それも高校生の都大会では珍しい。
他の地区から来た選手達は皆驚きつつも、ありがたく受け取っている。
「はい、どうぞですわ~! あら? そのジャージ……夏の森の方ですのね! わたくし、大ファンですのよ~! あ、もしかして200m、400mの日向陽子さんですの? 都大会ではリレー走るんですのね、応援していますわ~!」
「えっ? あっ、ありがとうございます!」
陽子も不思議なお嬢様口調のスタッフから水を受け取る。
南地区以外での突然のファン宣言と、やけに選手情報に詳しいことに驚きつつも、笑顔でお礼を言う。
秋を思わせる色合いで上品なブラウンのジャージ、秋の川の部員のようだ。
西地区の強豪、秋の川女子学園が大会運営を主導していると聞いたのを思い出す。
しっかりとロールのかかった艶のある髪を揺らし、彼女は楽しそうに語る。
「地区大会の動画はアーカイブで観ましたのよ。立身大付属との対決、結果を知っていても思わず手に汗を握ってしまうほどの熱戦で、わたくし感動しましたわ! 今大会もぜひ頑張ってくださいまし!」
「ありがとうございます、がんばります!」
やけにフレンドリーな少女にお礼を言ってから、水を持って壁際へ行く。
壁にもたれて給水しつつ、ぼんやりとトラックの様子を眺めていると、トラブルのような光景が視界に入る。
(なんか、揉めてる……?)
どうやら、マネージャーがスタッフに注意されて口論になっているようだ。
「バトン合わせのチェックと、付き添いだっての! すぐ終わるって!」
「朝の人が多い時間帯に、こんな大人数でトラック周辺に立ち止まってたら迷惑でしょう!」
注意されている側は、胸元に校章の雪の結晶が銀糸で刺繍されている純白のジャージ、冬の谷女子学院のサポートチームだ。
注意している側は秋の川の部員で、腕章を着けたスタッフだった。
やや幼い見た目から、どちらも中等部の部員のようで、高等部の選手のサポートに来ているのだろう。
口論をしている2人はお互いに面識はあるようだが、仲はあまりよろしくないのか、ややヒートアップしている。
(完全に部外者だけど、これは止めに行った方がいいかなぁ……)
陽子がそんな風に思ってペットボトルのキャップを締めようとしていると、後ろから「なにごとですのー!」という声とともに、先ほどのスタッフの少女が走ってきた。
「運営主任の一条志保ですわ。 六角、そして冬の谷のあなた、何があったか聞かせてくださる?」
「一条……っ! いえ、もう終わりましたので退散しますよ」
どうやら冬の谷のリレーチームのバトン合わせは終わって、用は済んだようだ。
面倒事は避けたいといった風に、冬の谷のメンバーは立ち去ろうとする。
「ちょっと、針山! 話はまだ終わってないんだけど!」
口論をしていた秋の川のスタッフ、六角と呼ばれた少女が声を上げるが、冬の谷の針山と呼ばれた少女は無視して配下のメンバーに撤収命令をしていた。
しかし、やや離れた場所から別の選手が歩いてきて、志歩達に声をかけた。
「たまたま見ていた者だが、マナー違反はよくない。よくないと思うぞ! 冬の谷のサポートチームは、場所を占有し過ぎだな、もう少し配慮すべきと思うが?」
「あら、これは『怪鳥』浜野かもめさん。第三者のご意見ありがたいですわ」
青いジャージを着て現れた選手は、浜野かもめ。
東地区の強豪、海の風の選手にして混成7種競技の選手だ。
中学時代は混成4種競技で関東制覇を果たし『怪鳥』の二つ名を持つ、陽子もよく知る有名選手だ。
「一条に『怪鳥』まで……姐さん達にバレる前にさっさと退散するが吉だな」
「おいおーい、誰にバレる前にだって?」
他校の名のある選手も現れて分が悪いと踏んだのか、針山は退散しようとするが背後からの声に固まる。
そして冬の谷の選手達は針山も含め、条件反射のように、その場で道を開けて跪いた。
「志歩お嬢様、運営スタッフには助かってるぜ~。で、もしかして、うちのモンが迷惑かけてる?」
現れたのは、2人の冬の谷の選手。
純白のジャージと銀の刺繍、そこまでは他と変わらないが、追加で胸元に数字が、それぞれ1、2と刺繍されている。
冬の谷のリレーメンバーは、実力の序列がジャージに示される。
つまり2人は、冬の谷の序列1位と2位ということだ。
(『絶対女王』と『白銀皇帝』!!!)
完全に出るタイミングを失って見守っていた陽子も、その存在にすぐに気付く。
中学時代に100m、200mでそれぞれ全国制覇を果たした王者、序列2位の大路大河、そして序列1位の最上理音だ。
「わたくしも完全には事情を聞けていないんですけれど、浜野さんの証言によれば通行の妨げに……」
「嵐! てめぇバカヤローが!」
「申し訳ございません!!」
志歩が言い終わらないうちに大河が針山嵐を𠮟りつけ、ノータイムで嵐も謝る。
他校には強気だが、自校の先輩には弱いらしい。
「針山、チームの品位を下げるな。王者たる自覚と責任をわきまえろ」
「そうだぞ、うちの選手のために行動するのはいい、だが同時に、よその選手も同様に尊重しろ」
理音と大河に叱られ、嵐は一気にしゅんとする。
「みんな、迷惑をかけて申し訳ない。中等部を動員したが、不慣れな者も多かったようで、うちの指導不足だ。部内で共有して再発防止に努めると同時に、運営へボランティアを提供させてくれないか」
「えぇ、普段と違う競技場ですし、勝手の分からない方も多いでしょう、全体にもアナウンスをかけますわ。そしてボランティアについては大歓迎ですのよ。では後ほど、そちらのマネジリーダーと詳細を会話させていただきますわ」
「かたじけねーなー。おい嵐、お前も運営スタッフのボランティアやってこい。これで済ましてもらって、うちの女王様と志歩お嬢様に感謝だな!」
「そ、そうですね姐さん……」
凄く嫌そうな顔をしているが、大人のトレードで大事にしないでもらった分、嵐は大人しく従うようだ。
「それでは、あとはうちの者に任せますわ。皆様方、また何かお困りごとがありましたら、わたくしたち運営スタッフまでお気軽にお申しつけくださいな。では五代、三田、行きますわよ。そろそろブリーフィングの時間ですわ」
「はいお嬢様」
「なんじゃ、揉め事じゃ思っちょったのに穏便解決してもーた。お嬢は有能過ぎるけぇ、暴れ足りないのー」
陽子の気付かないうちに、志歩の両脇には2人の秋の川の選手が並んでいた。
志歩を守るように両脇を固め、ともに帰っていく。
「志歩お嬢様……流石は秋の川の部長、同じ1年なのに堂々としてるぜ」
一条志保は、秋の川の部長だった。
両脇を固めるのは腹心にして同じ1年生、五代叶と三田鳴。
僅かな時間で場を収めてしまった理音と志歩の手腕に感心しつつ、周囲のメンバーの豪華さに陽子は驚きを隠せない。
(どんだけ豪華なメンバーだよ……出ていかなくて正解だった。私だけ面識ないし。ていうか、あの子が秋の川の部長だったのか……やけにうちに詳しいと思ったけど、情報収集力が高そうだな)
ふぅ。と緊張が解けて溜息をつく。
そんな陽子をさらに離れたところから見ていた人影が2つ。
「同窓会チックだったッスけど、出ていかなくて良かったんスか?」
「全然和やかな同窓会じゃなかったけどね。同期の二つ名持ちがあんなに集まって……面倒よ」
「そんなこと言ってー。乙姫も『竜宮童子』って呼ばれてるくせに」
「その二つ名、皮肉で付けられてる気がするから気に入ってないんだけど……昼寝こそ『眠れる森の美女』なんて呼ばれてるんだから。挨拶ついでに行って来ればよかったのに」
「自分もその二つ名、由来が皮肉なんで嫌なんスけどね……。あと自分も仲良かったわけじゃないんで、輪には入れないッスねー」
「なんだ、私達も所詮は地味キャラね。あそこの子みたいに」
「陽子さんッスか? アーカイブ見た感じだと、あんまり油断はできなさそうッスけどねー。まぁ、別に関係ないんスけど」
「そうそう、結局みんな倒すんだから。誰が相手でも同じよ」
「そんじゃまぁ、ちょいと轟かせるッスかねぇ。春の丘の名を」
東京都大会……中学時代に名を馳せた猛者達が、再び集結した最初の大会。
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