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2章 デビュー戦

2章 登場人物・用語解説(夏の森)

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~登場人物~
【夏の森女子高校】
 東京都南部にある、いたって普通の女子高。
 部活動が活発で、進学実績も良好かつ制服が可愛いということで陽子が入学を決めた。
 陸上部は僅か10人の規模ながら少数精鋭と言うに相応しい実力を誇り、立身大付属と並んで東京南地区で最強のチームとされる。
 みんな楽しく。をモットーに掲げ、走ること自体を楽しむ選手が在籍している。
 約10年前に四継、マイルで全国制覇を果たしている。
 
【日向 陽子(ひなた ようこ)】
 主人公。
 夏の森の1年生でロングスプリンター。
 中学時代に東京南地区でそれなりに名が通った選手だったが、瑠那への敗北により一時は陸上を捨てる。
 高校入学により偶然、瑠那と再会したことで陸上部に入部することになった。
 目標は「瑠那に並び立つこと」で、マイルのエースとなってから、いずれ200mで競うことを願っている。
 中学時代の無謀とも言える走り込みにより、1年生とは思えないほどの体力を誇る。
 恵まれた体格と基礎身体能力を活かしきれていなかったが、ライバル達との戦いの中で成長を見せる。
 小麦色に焼けた健康的な肌と、バレンタインデーにチョコを捧げられてきた王子顔の持ち主。
 常識人だが、瑠那に対しては想いが強くなりがち。
・200m:25秒95(地区7位で都大会出場)
・400m:61秒11(地区9位で都大会出場)
 
【湖上 瑠那(こじょう るな)】
 関東6強の一角にして『磁器人形ビスクドール』の二つ名を持つ天才スプリンター。
 夏の森の1年生でショートスプリンター。
 中学時代は陸上部のない学校に通っており、特例で大会出場を果たすものの孤独に走っていた。
 3年生のときに突如陸上界に現れ、100mで関東3位の成績を残し全国大会にも出場した。
 このときに陽子の陸上引退のキッカケとなっているが本人は覚えていない。
 仲間を求めて『みんな楽しく』を掲げる夏の森陸上部に入部した。
 身体の制御に長け、二つ名の通り精巧なフォームを武器にする。
 紫外線アレルギーで日差しは苦手なため、遮光ゴーグルをかけている。
 真っ白な肌と人形のように整った顔立ち、やや華奢な体格で、一見、強豪スプリンターには見えない。
 無表情で感情を読み取りづらいが、仲間想いで少し寂しがりやな一面も。
・100m:12秒15(地区1位で都大会出場)
・200m:24秒75(地区1位で都大会出場)

【水野 伊緒(みずの いお)】
 夏の森の1年生でスプリンター兼マネージャー志望。
 陸上オタクを自称し、豊富な知識を持ち時事情報にも通じる。
 少し走りを見ただけで、おおよその100mのタイムを判定できる特技を持つ。
 自身の身体能力の低さからマネージャーを志望していたが、自分の本当の願望を見つめ直したことで、選手としても活動することになる。
 スター選手を前にすると興奮気味になるが、普段は落ち着いた優しい性格で、陽子からの信頼も厚い。
・400m:69秒61
 
【祭田 花火(さいだ はなび)】
 夏の森の1年生でショートスプリンター。
 同級生相手でも敬語で話す礼儀正しさを持つが、言動的にはちょっとアホの子。
 部活対抗リレーで自分自身に負けて本気を出し切れなかったことを悔やみ、強くなるために陸上部に入部する。
 瑠那が認めるほどのスタートダッシュの速さを武器とするが、持久力には課題あり。
 陸上に関しては完全な素人だが、妙に着眼点が良かったり、勘が鋭いという一面も見せる。
・100m:13秒82

【皆川 蒼(みながわ あお)】
 夏の森の3年生でハイジャンパー。
 部長にしてマイルのエースを務める頼れる存在。
 生徒会長でもあり、ゲリラフェスタや部活対抗リレーなどのイベントも企画する。
 元々は400mの選手で、1年生のときに新人戦の関東大会で3位の成績を残したことがある。
 現在は走高跳の選手で、全国レベルの実力の持ち主。
 『蒼炎そうえん』の二つ名で恐れられる存在だが、心臓に爆弾を抱えている。
 再燃焼推進アフターバーナーという技を習得しているが、心臓へのダメージが大き過ぎるため、現在は封印中。
 常に枷を嵌められた状態でしかレースを走れないことを憂いているが、仲間と走るリレーに心を燃やす。
 速く見えないのに速いという不思議なフォームで走るが、これは長身と跳躍力によって生み出されるストライドの長さによるもの。
 加速した状態であれば、麻矢よりも100mのタイムが速い。
 走高跳は最小限の試技で勝利を決めるなど、常に静かで冷静、効率的な試合運びに定評がある。
 非常に長身で、アンダーフレームの眼鏡と冷静な敬語口調がトレードマーク。
・走高跳:???(地区1位で都大会出場)
 
【文月 麻矢(ふみづき まや)】
 夏の森の3年生でショートスプリンター。
 四継のエースを務めるワイルドな先輩。
 100mを専門とするが、マイルリレーまで走れるスタミナもある。
 昨年の新人戦では100mで都大会のベスト8入りをした実力。
 つま先の先まで使った引っ掻きによる猛獣の如き加速と、常にベストパフォーマンスを発揮できる心の強さを武器とする。
 トドメの跳躍フィニッシュジャンプという技を習得しており、競り合いにも強い。
 ジャンクフードをこよなく愛し、練習前には袋麺、試合当日はハンバーガーという食生活をしている。
 涙もろく面倒見の良い性格で、ヘアピンを使って雑にアップにしたワイルドな髪型がトレードマーク。
・100m:12秒40(地区2位で都大会出場)
 
【葉山 美咲(はやま みさき)】
 夏の森の3年生でマルチスプリンター。
 努力を重ねた技巧派の実力者で、あらゆる状況をシミュレーションして練習してきたことによる技術と対応力が武器。
 自身を凡才と自覚するものの、環境を上手く味方につけ、格上相手の勝利も多い。
 麻矢の言動に小言やツッコミを入れることが多く、走りは信頼しているものの私生活は信頼していない。
 麻矢の技を真似た贋作がんさくトドメの跳躍フィニッシュジャンプを習得している。
 ツンとしたお姉さんといった口調だが、後輩や努力に励む者には親切。
 サイドテールがトレードマーク。
・100m:12秒7台
・200m:25秒35(地区3位で都大会出場)
 
【長江 香織(ながえ かおり)】
 夏の森の3年生でマネージャー。
 チームを支えるお母さん的な存在だが、リレーではオペレーターとして共に戦う。
 選手としての活動はないが、3年間ともに練習に参加し続けたことで競技、選手への理解も深い。
 ドリル系の動きに関しては1年生の選手達よりもきれいな動きでこなすほど。
 常に優しい笑顔で包容力があり、ロリ先生を含めチームメイトからの信頼度は抜群。
 おっとりとしたお姉さん口調がトレードマーク。

【田丸 歌(たまる うた)】
 夏の森の2年生でロングスプリンター・2ラップランナー。
 次期部長で、先輩達のように頼られる存在になりたいと思っている。
 専門は400mだが中学時代は800mに出場しており、綾乃とはライバル関係だった。
 その名残で今も800mにエントリーしている。
 普段やや気弱な性格ながら、レースやインタビューなど、やるべきときにはやるタイプ。
 自分よりも才能に溢れる陽子、瑠那を気に掛けている。
・400m:60秒28(6位で都大会出場)
・800m:2分23秒台(都大会出場)

【中村 綾乃(なかむら あやの)】
 夏の森の2年生で中距離選手。
 部内唯一の中距離選手だが、マイルでは400mも走るなどスピードもある。
 歌を永遠にして最高のライバルと認めており、1,500mを専門としつつ800mにも出場している。
 マイルのリザーバーを務めており、決勝で走る選手の体力温存に一役買っている。
 地区予選では美咲の体力を温存させつつ、800mで自ら風除けになることで歌の体力も温存させるなど、仲間想い。
 ギャルメイクとしっかりとセットされた金髪がトレードマーク。
・800m:2分23秒台(都大会出場)
・1,500m:???(地区7位で都大会出場)

【口里 かのん(こうざと かのん)】
 夏の森の教師で陸上部監督。
 優れた観察眼と指導知識を持った名監督。
 僅か147cmの身長に年齢不詳の童顔、名字も相まってロリ先生と呼ばれている。
 自身も夏の森陸上部OGで、かつての部長。
 夏の森の全盛期にして四継、マイルで2冠達成を果たした『歴代最強の世代』の1人。
 昔から「みんな楽しく」がモットーと語り、生徒を信頼しつつ適切に導く器の大きさを見せる。
 一人では居酒屋に入店できないため、榊先生と一緒に飲みに行っている。

【多聞 真記(たもん まき)】
 夏の森の1年生で新聞部の陸上部取材担当。
 自身を小生と言い、やや変わった口調で話す学生記者。
 陸上については素人だったが、部活対抗リレーを見て担当記者に立候補した。
 取材熱心で、普段はキツい練習の日に現れては倒れている花火の写真を撮っている。
 ロリ先生に依頼され、立身大付属の実情を調査した。
 
【榊 文子(さかき あやこ)】
 夏の森の教師で新聞部顧問。
 陽子と伊緒の担任でもある先生。
 根っからの記者で、情報収集が得意なあまり、彼氏の裏アカを見つけてしまったことがある。
 自身も夏の森陸上部OGで、ロリ先生の同級生かつ、新聞部の陸上部取材担当だった。
 夏の森の全盛期に『歴代最強の世代』を取材していた。
 ロリ先生とは今も飲み友達で、年齢確認されがちなロリ先生の居酒屋通いに付き添ってあげている。
 ロリ先生に依頼され、立身大付属の実情を調査した。
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