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1章 入部
2話 高校入学
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陽子が走ることをやめ、翌年の4月。
私立夏の森女子高校。
東京都南部にある、いたって普通の女子高である。
進学校ほどでないにしろ進学実績はなかなかのもので、それを支える熱心な教師陣は評判も高い。
部活動で特待生は取らない方針ながら、部活動の活動も活発。
ほぼ全ての生徒が何かしらの部活に打ち込んでいるからか、大会で活躍する生徒も多数在籍している。
ちなみに女子高と言っても中等部はなく、挨拶がごきげんようであったり、黒塗りの車で登下校というわけでもない。
特色と言えば、生徒の自由を尊重した校風と……制服が可愛いところ!
要するに、憧れのスクールライフを送るのに適した普通の女子高である。
「お母さん! 私、夏の森女子に行く!」
家から近いということもあって両親も特に反対せず、陽子は宣言通りに受験。そして合格した。
そして入学式を終え、数日が経ったところから物語は始まる。
「明日からついに体験入部期間になります。我が校では部活動への参加は強制ではありませんが、ほぼ全ての生徒が何かしらの活動をしており、貴重な経験や思い出を得て卒業していきます。とっても大事なイベントですので、皆さんも自分の青春を何に捧げるのか、体験入部を通して、よーく考えてみてくださいね!」
一通りのガイダンスや自己紹介が終わり、クラスメイトの顔もおぼろげながらようやく覚えてきたところ。
見計らったかのように体験入部期間が始まることになっていた。
生徒同様に、先生達も何かしらの部活に顧問として所属しており、その熱量たるや生徒に引けを取らない。
どのクラスも、入学初日から担任の先生に「ちなみに私は○○部の顧問なので、興味があればぜひうちに!」と宣伝されているようだ。
ちなみに陽子のクラス、1年2組の担任は新聞部顧問の榊文子先生である。
自身も夏の森女子のOGで、学生時代から手帳とペンは肌身離さず持ち歩いていたという。
仕事は教師、心は記者! の自称プロ新聞部顧問だ。
主な取材対象である部活動の記事を書くにあたり、この時期は将来有望なルーキーを発掘するべく情報集に勤しんでいるとのこと。
「最近失恋したから休日も取材しまくりよ!」と鼻息荒いが、彼氏のSNSをネトストしていたところ、魔境のごとき裏垢を発掘してしまった結果の失恋だというのだから救えない。
情報収集能力の高さは人生にとって幸か不幸か……。
「ああそれから、明日から体育の授業が始まりますので、皆さん体操着と運動靴を忘れないように」
楽しみだと言わんばかりに榊先生はにっこりと笑って、HRを終えた。
「最初の体育の授業……噂によれば、スポーツテストの練習らしいね」
「色んな運動部が注目していて、スカウトの材料になるって先輩から聞いたよ」
出来たばかりの友人と噂話の情報交換をしつつ、クラスメイト達はそれぞれ教室を後にしていく。
「なるほどそういうことね」
「先生も先輩も、みんな本気で凄いよね。陽子はもう入部先の候補は決めた?」
思わず口にした陽子に、隣から声が掛かる。
柔らかそうな髪をふわりとさせてこちらを向いたのは水野伊緒だ。
席が隣ということもあって、入学して最初にできた友達である。
出会って数日ながら、落ち着いた性格と明るい口調は陽子にとって居心地のよいものだった。
「いやーまだまだ全然。一応、運動部がいいと思ってるんだけど体験入部してみてから考えようかなって」
「そっかー。明日、頑張ればスカウトがくるかもしれないし、そしたら大物ルーキーで入部、なんて! そんなに甘くないかな?」
はははと笑う伊緒は、陸上部のマネージャー志望だった。
彼女の小枝のように華奢な身体が、およそ運動には向いていないことは制服の上からでも十分に分かる。
最初に趣味の話をしたときから陸上競技オタクを自称する彼女が、選手として活躍する自分を想像したことはきっと一度や二度ではないのだろう。
それでも、彼女は活躍する選手のために尽くすマネージャーになりたいと言っていた。
優しい性格と、少し大人び過ぎてしまった性格は、悲しいことに無謀な夢を夢に留めるのに向いていた。
「伊緒もさ、陸上部入るならルーキー探しして勧誘の手助けしなきゃじゃない?」
「確かに! 明日は目をいっぱい見開くよー超視力上げていくよー」
それ、視力そんなに必要? とツッコミつつ教室を出る。
伊緒と別れ、自転車に乗って家まで20分。
ゆっくりと愛車のクロスバイクを漕ぎながら、陽子は考えをめぐらせていた。
伊緒は同じ南地区の出身。
陸上オタクを自称するほどだ、近所で開催される大会は観戦しに通っていただろう。
そうすれば必然的に、中学時代の陽子を知っている。
きっと、あの日のレースも観戦していたはずだ。
しかし入学以来、伊緒は一度もそのことに触れない。
伊緒の気遣いと優しさを、この数日で陽子はよく分かっていた。
(でも伊緒は本当は、私にも陸上部に入って欲しいんだろうな。でももう私は……ごめん伊緒)
今でもふと、中学時代の陸上部生活を思い返すことがある。
エースでキャプテン。シンプルに言えば、学内のスターである。
学校一の身体能力の持ち主で、運動会では常に1等賞、球技大会ではMVP。
緩やかにウェーブのかかった黒髪のショート、日に焼けた健康的な肌は、運動神経の良さも相まって人を惹きつけた。
バレンタインデーには、後輩女子から受け取ったチョコレートを食べ過ぎて口内炎ができたほどだ。
陸上を始めたのも、短距離を専門にしたのも気まぐれだったが、すぐに部内で1番になった。
100mとリレーを中心に大会で活躍し、都大会にも出場したこともある。
まさに、東京の南地区を代表する俊足の一人だった。
しかし、それ以上でもなかった。
中学3年生のあの日。
コンディションもよく、今の実力なら表彰台は確実と確信していた。
自信を持って挑んだ100mの準決勝、しかし陽子の辞書に初めて挫折の言葉が刻まれた。
その相手は、まるで気にも留めていなかった見知らぬ無名の少女。湖上瑠那。
惨敗を喫した裕子に対し、相手は余裕の走りで決勝進出。さらに良い記録で優勝した。
準決勝は本気の勝負ではなかったのだと、陽子は認めざるを得なかった。
後に彼女は全国大会まで出場したと聞いたが、その頃には陽子は陸上への熱を失っていた。
結果的に、瑠那が陽子の陸上競技人生に引導を渡したことになる。
しかし、きっと瑠那は陽子を覚えていないだろう。
井の中の蛙。鏡を見るたび、その言葉が胸を刺す。
自分はスターだ、そう思って走っていたものの、結局のところ、井戸の外へ出てみれば自分も凡人だったのだ。
陸上競技は過去の自分との闘いだ。生まれ持った才能や他者に関係なく、自分を見つて自己研鑽することこそ真髄だ。そう言う発言は、勝者か、競争を諦めた大人ほどよく発する。
しかし15歳の陽子には、そこまで達観した価値観を受け入れることはできなかった。
自分の身体能力は他人より優れた才能であり、競技を変えれば活躍できる。勝者になれる。そう信じたい気持ちが、まだ捨てられない。
この気持ち自体は、きっと悪いものではないのだろう。
一つの挫折に囚われず、自身の可能性を信じて新たなチャレンジをすることは、全く恥ずべきことではない。
しかし、それでも陽子の中では、陸上競技に対しての負い目と悔しさ、挫折の合わさった……前へ進もうと捨てようとしても、ふとした瞬間に胸に戻る、そんなもやもやとした感情が捨てきれないのだった。
その晩、陽子は軽く体を動かしてから布団に入った。
しかし彼女の知るウォーミングアップの動きはどれも、陸上部時代に教わった動きなのだ。
過去を振り切ろうと、前へ進もうと体を動かすほど、捨て去りたいはずの気持ちが溢れた。
陽子は仕方なく、その気持ちを抱えたまま眠りについた。
私立夏の森女子高校。
東京都南部にある、いたって普通の女子高である。
進学校ほどでないにしろ進学実績はなかなかのもので、それを支える熱心な教師陣は評判も高い。
部活動で特待生は取らない方針ながら、部活動の活動も活発。
ほぼ全ての生徒が何かしらの部活に打ち込んでいるからか、大会で活躍する生徒も多数在籍している。
ちなみに女子高と言っても中等部はなく、挨拶がごきげんようであったり、黒塗りの車で登下校というわけでもない。
特色と言えば、生徒の自由を尊重した校風と……制服が可愛いところ!
要するに、憧れのスクールライフを送るのに適した普通の女子高である。
「お母さん! 私、夏の森女子に行く!」
家から近いということもあって両親も特に反対せず、陽子は宣言通りに受験。そして合格した。
そして入学式を終え、数日が経ったところから物語は始まる。
「明日からついに体験入部期間になります。我が校では部活動への参加は強制ではありませんが、ほぼ全ての生徒が何かしらの活動をしており、貴重な経験や思い出を得て卒業していきます。とっても大事なイベントですので、皆さんも自分の青春を何に捧げるのか、体験入部を通して、よーく考えてみてくださいね!」
一通りのガイダンスや自己紹介が終わり、クラスメイトの顔もおぼろげながらようやく覚えてきたところ。
見計らったかのように体験入部期間が始まることになっていた。
生徒同様に、先生達も何かしらの部活に顧問として所属しており、その熱量たるや生徒に引けを取らない。
どのクラスも、入学初日から担任の先生に「ちなみに私は○○部の顧問なので、興味があればぜひうちに!」と宣伝されているようだ。
ちなみに陽子のクラス、1年2組の担任は新聞部顧問の榊文子先生である。
自身も夏の森女子のOGで、学生時代から手帳とペンは肌身離さず持ち歩いていたという。
仕事は教師、心は記者! の自称プロ新聞部顧問だ。
主な取材対象である部活動の記事を書くにあたり、この時期は将来有望なルーキーを発掘するべく情報集に勤しんでいるとのこと。
「最近失恋したから休日も取材しまくりよ!」と鼻息荒いが、彼氏のSNSをネトストしていたところ、魔境のごとき裏垢を発掘してしまった結果の失恋だというのだから救えない。
情報収集能力の高さは人生にとって幸か不幸か……。
「ああそれから、明日から体育の授業が始まりますので、皆さん体操着と運動靴を忘れないように」
楽しみだと言わんばかりに榊先生はにっこりと笑って、HRを終えた。
「最初の体育の授業……噂によれば、スポーツテストの練習らしいね」
「色んな運動部が注目していて、スカウトの材料になるって先輩から聞いたよ」
出来たばかりの友人と噂話の情報交換をしつつ、クラスメイト達はそれぞれ教室を後にしていく。
「なるほどそういうことね」
「先生も先輩も、みんな本気で凄いよね。陽子はもう入部先の候補は決めた?」
思わず口にした陽子に、隣から声が掛かる。
柔らかそうな髪をふわりとさせてこちらを向いたのは水野伊緒だ。
席が隣ということもあって、入学して最初にできた友達である。
出会って数日ながら、落ち着いた性格と明るい口調は陽子にとって居心地のよいものだった。
「いやーまだまだ全然。一応、運動部がいいと思ってるんだけど体験入部してみてから考えようかなって」
「そっかー。明日、頑張ればスカウトがくるかもしれないし、そしたら大物ルーキーで入部、なんて! そんなに甘くないかな?」
はははと笑う伊緒は、陸上部のマネージャー志望だった。
彼女の小枝のように華奢な身体が、およそ運動には向いていないことは制服の上からでも十分に分かる。
最初に趣味の話をしたときから陸上競技オタクを自称する彼女が、選手として活躍する自分を想像したことはきっと一度や二度ではないのだろう。
それでも、彼女は活躍する選手のために尽くすマネージャーになりたいと言っていた。
優しい性格と、少し大人び過ぎてしまった性格は、悲しいことに無謀な夢を夢に留めるのに向いていた。
「伊緒もさ、陸上部入るならルーキー探しして勧誘の手助けしなきゃじゃない?」
「確かに! 明日は目をいっぱい見開くよー超視力上げていくよー」
それ、視力そんなに必要? とツッコミつつ教室を出る。
伊緒と別れ、自転車に乗って家まで20分。
ゆっくりと愛車のクロスバイクを漕ぎながら、陽子は考えをめぐらせていた。
伊緒は同じ南地区の出身。
陸上オタクを自称するほどだ、近所で開催される大会は観戦しに通っていただろう。
そうすれば必然的に、中学時代の陽子を知っている。
きっと、あの日のレースも観戦していたはずだ。
しかし入学以来、伊緒は一度もそのことに触れない。
伊緒の気遣いと優しさを、この数日で陽子はよく分かっていた。
(でも伊緒は本当は、私にも陸上部に入って欲しいんだろうな。でももう私は……ごめん伊緒)
今でもふと、中学時代の陸上部生活を思い返すことがある。
エースでキャプテン。シンプルに言えば、学内のスターである。
学校一の身体能力の持ち主で、運動会では常に1等賞、球技大会ではMVP。
緩やかにウェーブのかかった黒髪のショート、日に焼けた健康的な肌は、運動神経の良さも相まって人を惹きつけた。
バレンタインデーには、後輩女子から受け取ったチョコレートを食べ過ぎて口内炎ができたほどだ。
陸上を始めたのも、短距離を専門にしたのも気まぐれだったが、すぐに部内で1番になった。
100mとリレーを中心に大会で活躍し、都大会にも出場したこともある。
まさに、東京の南地区を代表する俊足の一人だった。
しかし、それ以上でもなかった。
中学3年生のあの日。
コンディションもよく、今の実力なら表彰台は確実と確信していた。
自信を持って挑んだ100mの準決勝、しかし陽子の辞書に初めて挫折の言葉が刻まれた。
その相手は、まるで気にも留めていなかった見知らぬ無名の少女。湖上瑠那。
惨敗を喫した裕子に対し、相手は余裕の走りで決勝進出。さらに良い記録で優勝した。
準決勝は本気の勝負ではなかったのだと、陽子は認めざるを得なかった。
後に彼女は全国大会まで出場したと聞いたが、その頃には陽子は陸上への熱を失っていた。
結果的に、瑠那が陽子の陸上競技人生に引導を渡したことになる。
しかし、きっと瑠那は陽子を覚えていないだろう。
井の中の蛙。鏡を見るたび、その言葉が胸を刺す。
自分はスターだ、そう思って走っていたものの、結局のところ、井戸の外へ出てみれば自分も凡人だったのだ。
陸上競技は過去の自分との闘いだ。生まれ持った才能や他者に関係なく、自分を見つて自己研鑽することこそ真髄だ。そう言う発言は、勝者か、競争を諦めた大人ほどよく発する。
しかし15歳の陽子には、そこまで達観した価値観を受け入れることはできなかった。
自分の身体能力は他人より優れた才能であり、競技を変えれば活躍できる。勝者になれる。そう信じたい気持ちが、まだ捨てられない。
この気持ち自体は、きっと悪いものではないのだろう。
一つの挫折に囚われず、自身の可能性を信じて新たなチャレンジをすることは、全く恥ずべきことではない。
しかし、それでも陽子の中では、陸上競技に対しての負い目と悔しさ、挫折の合わさった……前へ進もうと捨てようとしても、ふとした瞬間に胸に戻る、そんなもやもやとした感情が捨てきれないのだった。
その晩、陽子は軽く体を動かしてから布団に入った。
しかし彼女の知るウォーミングアップの動きはどれも、陸上部時代に教わった動きなのだ。
過去を振り切ろうと、前へ進もうと体を動かすほど、捨て去りたいはずの気持ちが溢れた。
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