韓劇♡三百字シアター

鶏林書笈

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或る靴屋の物語

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 我が家族が戦乱を避けてこの地にやって来てから八十年余の歳月が経ちました。
 生計を立てるため父がまずやったことは野菜を作り市場で売ることでした。そして雑役をしながら少しづつ金を貯めて商売を始めました。
 故国で祖父が靴職人をしていたため、父も靴屋を開業しました。
 紳士靴を始め様々な靴を扱いましたが、中でも大ヒットしたのが、この甲の部分に刺繍を施した中国風の婦人靴です。手作りなので母や妻、兄嫁他、家中の女たちが総出で作りました。それでも一ヶ月待ちのお客さんもいるほどでした。
 今もかつてほどの売り上げはありませんが、ほどほどに出ています。
 この靴作りの後継者は今のところいません。それが気がかりです。
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