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致唐太平頌
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「こんなもので如何か」
女王は自作の詩を自ら刺繍した絹布を法敏に見せた。
「はい、素晴らしいです。ただ‥」
「分かっておる」
女王は法敏の言葉を遮った。
法敏は近日、大唐の皇帝のもとへ行く。その手土産の一つとして皇帝の治世を慶祝した詩を献上するのである。阿諛追従な内容であることは十分承知している。だが、高句麗、百済との戦いに勝ち抜いていくためには唐の力が必要なのである。悔しいが新羅だけでは心許ない。当然なことだが、唐はその見返りを求めるだろう。
「その時、我が国に不利益をもたらせぬようにするのが我々の務めではないか」
「仰せの通りにございます」
法敏は女王の言葉に自身の任務を再確認した。
女王は自作の詩を自ら刺繍した絹布を法敏に見せた。
「はい、素晴らしいです。ただ‥」
「分かっておる」
女王は法敏の言葉を遮った。
法敏は近日、大唐の皇帝のもとへ行く。その手土産の一つとして皇帝の治世を慶祝した詩を献上するのである。阿諛追従な内容であることは十分承知している。だが、高句麗、百済との戦いに勝ち抜いていくためには唐の力が必要なのである。悔しいが新羅だけでは心許ない。当然なことだが、唐はその見返りを求めるだろう。
「その時、我が国に不利益をもたらせぬようにするのが我々の務めではないか」
「仰せの通りにございます」
法敏は女王の言葉に自身の任務を再確認した。
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