韓劇♡三百字シアター

鶏林書笈

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祈雨祭

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 ある雨の少ない年のことである。
 太守は自ら祭主となって祈雨祭を始めた。数日間、昼夜祈り続けたが雨は全く降らなかった。
 この有り様をみた村の士人は次のような戯れ句を作った。
  太守親祈雨 精誠貫人骨
  夜半推窓看 明月
(大守さま自ら骨身を惜しまず誠意を尽くして雨乞いをなさっているが、夜半に窓を開けてみれば夜空に明月が浮かんでいる)
 いくら熱心に祈ったところで普段、善政を行わないのだから天の神様に願いが届くわけはないだろう。この句を聞いた村人たちは一様に苦笑した。
 これを知った太守は、士人を呼び付け笞打ちの刑に処した。
 士人はさっそく「十七字の句を詠んで二十八回笞打たれた」と詠じたのだった。
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