韓劇♡三百字シアター

鶏林書笈

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万波息笛

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 昨夜までとはうって変わって良い天気になった。
 王は船に乗ると目的の島に向かった。そこに行けば、龍となって国を守っている父・文武大王と故金庾信将軍が国を守る宝物を下さるというのである。
島に着くと王一行は亀の頭のような形の山に入って行った。まもなく、龍が現れ、黒い玉帯を献上した。そして次のように言った。
「ここにある竹は昼間は二本ですが夜になると一本に合わさります。これで笛を作って吹けば天下は平和になるでしょう」
 王は龍の言葉通りに笛を作らせた。果たして、この笛を吹くと、敵は退き、病は癒え、日照りには雨が降り、暴風雨は収まるのだった。
 王はこの笛を「万波息笛」と名付け、国の宝としたのだった。
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