虫蟲アドベンチャー ~君の冒険物語~

 タソガレ時の図書室。
 窓から斜めに降り注ぐオレンジ色の夕陽を受けて、細かな埃の粒子が煌めいている。
 選ばれし者のみが見つけられる、特別な一冊。
 背表紙のラベルは『むし6464』
 その本は、図書室の本と本の間に紛れて、君が見つけるのを待っている。ひっそりと。
 そっと本棚から引き抜けば、鮮やかに光り輝くだろう。
 表紙のアンクレットは君の物だ。
 下から上へ、左から右へ。
 手をかざせ。
 さすれば君の色に変化する。
 いざ、出発せよ。
 小さきモノたちの棲む、壮大な冒険の世界へ――。

 オカルトマニアの間で「出るスポット」と言われているらしい鳥居公園で、深く考えずに「虫になりてぇ」と発言してしまった小学5年生の直太の頭に、―ならば招待してやろう。と不思議な声が響いた。
 なんやかんやでエツランシャに選ばれてしまった直太は、大事なことを忘れる癖のあるナミハンッミョウの半吉をリード虫に従え、お師匠様を救う冒険に出発するのだが……。
 ハチャメチャ楽しい冒険物語。
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