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神明神社
鳥居の先
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斜めに傾いたボロボロの鳥居をくぐった途端、まばゆい光がほたるの目に飛び込んできて、視界が真っ白に眩んだ。
少し目が慣れてきて、周囲を見渡したほたるは「え、なんで?」と思わず目を見開いてしまい、また眩しさにやられて、慌てて糸のようにすぼませる。
何に驚いたかって、その広さだ。
小学校の校庭を彷彿とさせる、ぽっかり開け空間が、そこには広がっていた。
どう考えても、あの鳥居の先にあるような広さではない。そのギャップにびっくりしたのだ。
再び眩しさに目が慣れてきて、さっきの碧ちゃんのようにおでこに手で傘を作って辺りを見渡すと、ちょっと先の方に、鮮やかな朱色の屋根の、小ぶりなお社っぽいものがいくつもあるのがわかった。
お守りを売る授与所のような大きな平屋の建物もある。
神明神社は思っていた以上に、いや、思っていたのとは正反対に、なかなか立派な神社だ。
(てゆーか、この日差し!)
やっぱりおかしい。
さっきまでの夕方の空とは明らかに違う、昼間のように明るく、うららかな春の日差しが頭上に燦々と降り注いでいる。
その中を、細かい金色の粒子がキラキラと浮遊し、満ちていた。
どうやら、この目の眩しさは、日差しに輝く金色の粒子のせいらしい。
いったい、これは何なの?
てゆーか、参道登ってた時は絶対夕方だったよね?
ハッとしておんぼろ鳥居を振り返ると、その先は、穴のような暗い森が広がっていた。
「なにこれ? どーゆーこと?」
ハテナだらけのほたるの耳元で、碧ちゃんの声がした。
「ほたるちゃん、僕ちょっとお花摘みに行ってくるねー」
「お花摘み?」
振り返った時には、もう碧ちゃんはいなかった。
お花摘みって、確か、トイレのことだっけ。
駿足でいなくなったってことは、かなりギリギリなのかな。
てゆーか、この神社トイレあるかなと心配していたら「ダメほたる、こっち来てみろよ」と、今度は優太君に呼ばれた。
金色の粒子が太陽の光を乱反射して、眩しすぎる。
ほたるは目を細めながら優太君の方へ向かった。
「ほら、これ見ろよ、すごくね……つか、ダメほたる、ザマスさまみたいな目になってっけど」
それって優太君の目って事にもなるけど、と思いつつ、細いつり目をぱっちり開いている優太君を見て驚く。
「優太君は眩しくないの? この金色の粒子」
「金色の粒子って?」
「ほら、空気中にたくさん飛散してて」
空を見上げて「あれ?」と、ほたるは目をぱちくりさせた。
空に充満していた金色の粒子が、きれいさっぱり消えている。
空は青く晴れ渡り、のほほんとした雲がポコポコと浮かんで見えた。
もう、わけがわからない。
「それより、このオブジェみたいなやつ見ろって。たぶんこの神社の狛犬的なもんなんだろうけど、形がさー」
興奮する優太君が顎で指し示した先には、高い台座に鎮座した鮮烈な黄緑色のオブジェがあった。
少し目が慣れてきて、周囲を見渡したほたるは「え、なんで?」と思わず目を見開いてしまい、また眩しさにやられて、慌てて糸のようにすぼませる。
何に驚いたかって、その広さだ。
小学校の校庭を彷彿とさせる、ぽっかり開け空間が、そこには広がっていた。
どう考えても、あの鳥居の先にあるような広さではない。そのギャップにびっくりしたのだ。
再び眩しさに目が慣れてきて、さっきの碧ちゃんのようにおでこに手で傘を作って辺りを見渡すと、ちょっと先の方に、鮮やかな朱色の屋根の、小ぶりなお社っぽいものがいくつもあるのがわかった。
お守りを売る授与所のような大きな平屋の建物もある。
神明神社は思っていた以上に、いや、思っていたのとは正反対に、なかなか立派な神社だ。
(てゆーか、この日差し!)
やっぱりおかしい。
さっきまでの夕方の空とは明らかに違う、昼間のように明るく、うららかな春の日差しが頭上に燦々と降り注いでいる。
その中を、細かい金色の粒子がキラキラと浮遊し、満ちていた。
どうやら、この目の眩しさは、日差しに輝く金色の粒子のせいらしい。
いったい、これは何なの?
てゆーか、参道登ってた時は絶対夕方だったよね?
ハッとしておんぼろ鳥居を振り返ると、その先は、穴のような暗い森が広がっていた。
「なにこれ? どーゆーこと?」
ハテナだらけのほたるの耳元で、碧ちゃんの声がした。
「ほたるちゃん、僕ちょっとお花摘みに行ってくるねー」
「お花摘み?」
振り返った時には、もう碧ちゃんはいなかった。
お花摘みって、確か、トイレのことだっけ。
駿足でいなくなったってことは、かなりギリギリなのかな。
てゆーか、この神社トイレあるかなと心配していたら「ダメほたる、こっち来てみろよ」と、今度は優太君に呼ばれた。
金色の粒子が太陽の光を乱反射して、眩しすぎる。
ほたるは目を細めながら優太君の方へ向かった。
「ほら、これ見ろよ、すごくね……つか、ダメほたる、ザマスさまみたいな目になってっけど」
それって優太君の目って事にもなるけど、と思いつつ、細いつり目をぱっちり開いている優太君を見て驚く。
「優太君は眩しくないの? この金色の粒子」
「金色の粒子って?」
「ほら、空気中にたくさん飛散してて」
空を見上げて「あれ?」と、ほたるは目をぱちくりさせた。
空に充満していた金色の粒子が、きれいさっぱり消えている。
空は青く晴れ渡り、のほほんとした雲がポコポコと浮かんで見えた。
もう、わけがわからない。
「それより、このオブジェみたいなやつ見ろって。たぶんこの神社の狛犬的なもんなんだろうけど、形がさー」
興奮する優太君が顎で指し示した先には、高い台座に鎮座した鮮烈な黄緑色のオブジェがあった。
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