こおにの手紙

箕面四季

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みえちゃん その2

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 境内に入ったみえちゃんは、いつものように、ちょうどよく平べったい石の上に、こしをかけました。

 それから、ななめがけにしていた真っ赤なポシェットのボタンをぱちんと開いて、黄色いミニタオルでからだじゅうの汗をぬぐいます。


「そうだった。これ、これ。おこめね!」

 冷たくなったミニタオルはキュロットのポケットにつっこんで、もう一度ポシェットを開きます。
 中からちりめんの小ぶくろを取り出すと、からからのお米を五、六つぶ、ぎゅっと右の手の平ににぎりしめました。



「よしっと! いくか」



 用意ができると、みえちゃんは、おさいせん箱の方へずんずん歩き出します。
 木わくのすみっこにお米を置いたらおまいりの始まりです。



 ガンガラン

(すずをならして、にれい、にはくしゅ)



 心の中でつぶやいて、みえちゃんは、しんみょうにことを進めていきました。それから、いつものお願いごとをとなえます。





「どうか、みえちゃんに、おんなのあかちゃんができますように」


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