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ひげもじゃ神さまのおでかけ その2
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子おには両目をぐるんぐるんとこすって、眠たげにひげもじゃ神さまを見上げます。
「そうじゃ。実はじゃな、毎年秋にやっとる神さま集会を、今年は夏の始まりに行うことにしたのじゃ」
神さま集会とは、日本中の神さまが年に一度、秋の日に、西の方にある神社に集まって、一年のことを話し合う会合のことです。
「秋のるすばんは、どんぐりひろいにやってくるリスに頼むのじゃが、その実も青い今は、リスもおらんのじゃよ。もちろん、ただでるすばんをしろとは言わん」
ひげもじゃ神さまは、子おにのまあるい鼻先にお供え物の大福をぶらさげました。
大福はいかにもうまそうなにおいがします。
真っ白で、もっちりやわらかくて……。
食いしん坊の子おにはぱっと飛びつきました。
「むふもふ。ああ、この大福のつぶあんホクホクだぁ。これは、トメばあさんの大福だ」
「そうじゃ。もう六月も過ぎて、稲もすくすく育っとるからの。みんなうまい供え物を毎日持ってきてくれるわい」
「そうじゃ。実はじゃな、毎年秋にやっとる神さま集会を、今年は夏の始まりに行うことにしたのじゃ」
神さま集会とは、日本中の神さまが年に一度、秋の日に、西の方にある神社に集まって、一年のことを話し合う会合のことです。
「秋のるすばんは、どんぐりひろいにやってくるリスに頼むのじゃが、その実も青い今は、リスもおらんのじゃよ。もちろん、ただでるすばんをしろとは言わん」
ひげもじゃ神さまは、子おにのまあるい鼻先にお供え物の大福をぶらさげました。
大福はいかにもうまそうなにおいがします。
真っ白で、もっちりやわらかくて……。
食いしん坊の子おにはぱっと飛びつきました。
「むふもふ。ああ、この大福のつぶあんホクホクだぁ。これは、トメばあさんの大福だ」
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