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ナツキと春ちゃんと僕
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それからの春ちゃんとナツキは、僕の一挙手一投足にオロオロしっぱなしだった。
「ど、どうしよう、ナツキ! ギズモがお尻から……なんか出してる」
それ、ただの糞。
「春ちゃん、ギズモがキュッキュ言って小ジャンプしてるんだけど、どっか具合が悪いのかな」
いやいや、楽しいだけですよー。
「ギャー、ナツキ!! ギズモが自分のうんち食べてるー」
「春ちゃん、それは絶対マズい気がする! 近くでチンチラを見てくれる動物病院探すから全力で阻止して!」
僕らモルモットは食糞するんだってばー。
こんな感じで二人は大騒ぎ。
ネットで検索しようにも、僕のことをチンチラだと思っているから、出てくるのはネズミとウサギを足して二で割ったみたいな灰色の生き物で、二人は僕のことをとても珍しい品種のチンチラだと思い込んでいた。
結局、食糞を異常行動と勘違いした二人は動物病院を訪れ「可愛いモルちゃんですね。今日はどうしましたか?」と看護師さんに聞かれて、初めて僕がモルモットであると知ったのだ。
その後、お医者さんからモルモットの食糞は異常行動ではないよと教わり、二人はモルモットの飼い方という冊子を貰って帰ってきた。
その冊子には、モルモットの基本的な飼い方の他、モルモットの抱き方や鳴き声の聞き分け方、与えすぎちゃいけない生野菜のこと、病気のサインなど僕に関するいろんなことが書いてあり、春ちゃんとナツキはことあるごとにその冊子を開いて「へえ」「そうなんだ」と仲良く熟読していた。
寄り添う二人の膝のどちらかに抱かれる僕は幸せだった。
春ちゃんとナツキから優しい匂いがほわわんと漂う。
これが家族の温もりって奴かなって思った。
とろける安心感。
僕は二人の間でいつも楽しい夢を見た。
ねえナツキ、春ちゃん。僕は素敵な家族に巡り合えて良かったーって、幸せだったんだよ。
「ど、どうしよう、ナツキ! ギズモがお尻から……なんか出してる」
それ、ただの糞。
「春ちゃん、ギズモがキュッキュ言って小ジャンプしてるんだけど、どっか具合が悪いのかな」
いやいや、楽しいだけですよー。
「ギャー、ナツキ!! ギズモが自分のうんち食べてるー」
「春ちゃん、それは絶対マズい気がする! 近くでチンチラを見てくれる動物病院探すから全力で阻止して!」
僕らモルモットは食糞するんだってばー。
こんな感じで二人は大騒ぎ。
ネットで検索しようにも、僕のことをチンチラだと思っているから、出てくるのはネズミとウサギを足して二で割ったみたいな灰色の生き物で、二人は僕のことをとても珍しい品種のチンチラだと思い込んでいた。
結局、食糞を異常行動と勘違いした二人は動物病院を訪れ「可愛いモルちゃんですね。今日はどうしましたか?」と看護師さんに聞かれて、初めて僕がモルモットであると知ったのだ。
その後、お医者さんからモルモットの食糞は異常行動ではないよと教わり、二人はモルモットの飼い方という冊子を貰って帰ってきた。
その冊子には、モルモットの基本的な飼い方の他、モルモットの抱き方や鳴き声の聞き分け方、与えすぎちゃいけない生野菜のこと、病気のサインなど僕に関するいろんなことが書いてあり、春ちゃんとナツキはことあるごとにその冊子を開いて「へえ」「そうなんだ」と仲良く熟読していた。
寄り添う二人の膝のどちらかに抱かれる僕は幸せだった。
春ちゃんとナツキから優しい匂いがほわわんと漂う。
これが家族の温もりって奴かなって思った。
とろける安心感。
僕は二人の間でいつも楽しい夢を見た。
ねえナツキ、春ちゃん。僕は素敵な家族に巡り合えて良かったーって、幸せだったんだよ。
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