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ハルト君とココちゃん
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「次はちゃんとビデオ通話で実物を確認してから会うし、大丈夫だって」と春ちゃんは僕に言い訳をして、次のマッチングに進んだ。
ハルト君とペットのココちゃんとは、二回ほどビデオ通話をして、春ちゃん的に好印象だったので実際に会うこととなった。
ハルト君が指定したモルちゃんカフェは、春ちゃんと僕の住むマンションから電車で二駅の近場にあった。
「飼い主にもモルにも気配りできる人だね。今度こそアリかも」と、春ちゃんは乗り気だ。
モルちゃんカフェは、手前がカフェに住んでいるモルモットたちと戯れながらお茶が飲めるスペースで、奥はペットのモルモットと一緒にカフェが出来るスペースになっていた。
先に来ていたハルト君が「春ちゃんだよね」とソファから立ち上がって軽く手を上げた。
タクミと違ってスマート。
メス慣れしてそう。
顔も悪くない。
たぶんメスにモテる。
モルモット界の貴公子と異名を持つ(春ちゃんがよく言っている)僕が言うんだから間違いない。
僕らが近づくと、ハルト君はソファ席の下のモルケージにいたココちゃんをそっと抱きかかえた。
ココちゃんはシェルティという品種のモルモットで、ずんぐりした身体に沿って真っすぐ流れる長く真っ白い毛が美しい。
貴族みたいに上品なメスだった。
春ちゃんがお部屋を拭くハンディモップにもちょっと似ている。
「ココです。よろしくね」とハルト君がココちゃんを春ちゃんに見せながら爽やかに挨拶する。
春ちゃんもお出かけバッグの中の僕を抱きかかえて「ギズモだょ。よろしく」とお茶目に挨拶を返し僕をココちゃんに近づけた。
上品にすましたココちゃんからは成熟した大人のメス特有の、つんとした匂いが漂って、僕は思わず「きゅっ」と鳴いてしまった。
「春ちゃん、ごめん。二名でソファ席を予約したら、二人掛け用のソファだったんだ」と、ハルト君が申し訳なさそうに謝っている。
テーブルを挟んで向かい合うタクミの時とは違って、今回の席は大きなソファが一つきり。
並んでソファに座って目の前のテーブルに置いたドリンクを飲みながら、テーブルの下に設けられたモルモットケージのペットを眺めるスタイルだ。
「え、全然! てゆーかココちゃんとギズモの相性を二人で確認できてすごくいいよ」と春ちゃんが笑った。
春ちゃん、ちょっとほっぺが赤い気がする。
ハルト君とペットのココちゃんとは、二回ほどビデオ通話をして、春ちゃん的に好印象だったので実際に会うこととなった。
ハルト君が指定したモルちゃんカフェは、春ちゃんと僕の住むマンションから電車で二駅の近場にあった。
「飼い主にもモルにも気配りできる人だね。今度こそアリかも」と、春ちゃんは乗り気だ。
モルちゃんカフェは、手前がカフェに住んでいるモルモットたちと戯れながらお茶が飲めるスペースで、奥はペットのモルモットと一緒にカフェが出来るスペースになっていた。
先に来ていたハルト君が「春ちゃんだよね」とソファから立ち上がって軽く手を上げた。
タクミと違ってスマート。
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顔も悪くない。
たぶんメスにモテる。
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僕らが近づくと、ハルト君はソファ席の下のモルケージにいたココちゃんをそっと抱きかかえた。
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「春ちゃん、ごめん。二名でソファ席を予約したら、二人掛け用のソファだったんだ」と、ハルト君が申し訳なさそうに謝っている。
テーブルを挟んで向かい合うタクミの時とは違って、今回の席は大きなソファが一つきり。
並んでソファに座って目の前のテーブルに置いたドリンクを飲みながら、テーブルの下に設けられたモルモットケージのペットを眺めるスタイルだ。
「え、全然! てゆーかココちゃんとギズモの相性を二人で確認できてすごくいいよ」と春ちゃんが笑った。
春ちゃん、ちょっとほっぺが赤い気がする。
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