剣と魔法の世界 酒場で声をかけられて

のん

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酒場のビール

4 ロウソクと魔法

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 酒場の扉を開いたのは暗くなってからすぐのことだった。

その日しばらく市場にいた僕は疲れ切って街をさまよい、噴水のある所まで来た。


市場と比べると人数が幾分かましになったので、しばらくそこで休んでいた。




思ったよりもすぐに日が沈む。


日本とは違い街灯というものがほとんどない為、辺りは真っ暗になる。灯りがあるのは石畳の敷かれた道くらいのものだ。

明かりの無い、という慣れない環境に耐えられず思わず入ったのが酒場だった。





 白い壁に囲まれた建物の中は、木造で出来ていた。丸太小屋がそのまま外の白い壁の中に収まったような。

 店内は大勢の男たちでにぎわっている。食器どうしのぶつかる音、笑い声。

2階もある。

雪弥はカウンターに1人腰掛けて、店内をめずらしそうに見渡した。


店員らしき人が近づいてきた。あわてて近くのテーブルに座っていた人の方を指差す。

"あれと同じものを"

店員はそちらに視線を向けると、うなずいてキッチンに下がって行った。




しばらくして戻ってきた店員が手に持っていたのは木製の容器に入れられた、ビールだった。持ってきた振動で少しこぼれているのさえ、こういう店っぽくて好感が持てる。



周りの男たちの、豪快な飲みっぷりに期待が膨らむ。昼ぐらいに手持ちのパンをかじっただけだったので、ビールの取っ手を持ち上げるまでが早かった。



ゴクッ.......ゴク

『っっはぁー。』

口に入ってきた途端と泡が出来てなくなるまでの間に

どんどん泡が溢れてくる。浮かれるような香りも良い。



店内に響き渡る笑い声をBGMにしばし、楽しんだのだった。











 そしてのんびりとビールを味わう雪弥には、来訪者がいた。




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