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エピソード3 混ぜる
しおりを挟む彼女を意識し始めたのはいつだっただろうか。
あの瞬間っていうのは覚えていないけれど、気が付けば彼女がほかの男の人と話している様子にもやもやしたり、言い放った言葉に〝もっと優しくすればよかった〟と後悔したり。
彼女ばかりの生活と日常風景。
俺の青春はそんな感じだ。
冬が来て、彼女の頬に触れる作戦は今のところ順調。
昔は寒い冬が大嫌いだったけど、今はむしろ大好きだ。
あの作戦のおかげで毎日〝おはよう〟も言えてる。
毎朝が楽しみで、でもちょっと緊張して、話せたあとはその日1日中幸せで。
そのせいで俺の心臓は激しく動きっぱなし。
心電図はきっとぐしゃぐしゃだろうな。
これでもし寿命が縮まってるなら責任もってずっと一緒に居てもらわなきゃ、なんて都合のいい解釈をしてしまうくらい彼女のことが好きで。
……好きなのに、よくわからなくなる。
どう思われてるんだろうとか、どうしたら好きになってもらえるかなとか、考えれば考えるほど自信のなさが不安になって。
幸せも不安も全部が混ざって、心の容量がある限り溢れてくる。
好きなのに苦しい。好きだから苦しい。
そんな青春が俺を混乱させているんだ。
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