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<希望>
しおりを挟むウスロスへの仕返し、そんなくだらない事を俺がしていた時。
「マオーさん……。 皆が…… 皆が…… 」
暴虐の限りを尽くし、暴れていたセトが居なくなった安心感からか。
倒れたルミニー達を見つめ、其の場に膝から崩れたエミリは静かに涙を流していた。
魔法の在る世界だからな、そんな気休めを言ったが。
回復系のスキルは持っていないし、死者を甦らせる方法なんて知る訳も無かった。
掛ける言葉も見付からず、ただ隣に居る事しか出来ない。
其れでもエミリは諦めてはいなく、一人一人に回復魔法を掛け始ていく。
ルミニー・ルドエル・リジョン、其の誰もが眼を覚ます事は無く。
其れでもエミリは諦めず、泣きながら回復魔法を掛け続ける。
無駄だと解っていても、そうせずにはいられない様に。
ガオン・ウルル・ジトー・ネズ、順番に回復魔法を掛け続け。
全員に掛け終わる前に、エミリの魔力は限界を迎え。
フラフラとよろめき、意識を失いかける。
「エミリ、もう無理だ…… 」
「ゴブドさんが……、 ゴブドさんがまだなんです…… 」
そう言って、弱々しい回復魔法の光りを放ちながらエミリは倒れ。
仲間の死という受け入れられない結果を残し、セトとの戦闘は幕を閉じ。
そして其れを見越した様に、頭に機械的な声が響くのだった。
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