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<ドラマチック>

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コイツは確か毒を使う奴だったはず、という事はさっきのは毒霧か。

以前の戦いで勝利した俺は[魔王らしきもの]になり、強毒耐性を得ているから効かないようだが。

ガオンが勝手に決めた展開に乗せられ、考えが追い付かず失敗してしまった。

敵がコイツだと解った時点で、俺だけが戦うべきだった。

戦闘が始まったのだから、此れはもう生き死にの戦い。

勝った負けただけで決着が着く、子供の喧嘩では無いのだ。

ニヤついたセトが見下ろす仲間達は、苦しそうに這いつくばっている。

どうすれば良い、回復手段は俺には無い。

倒れた仲間の中には、頼れる強者ガオンまでもが含まれている。

彼のガオンですら、毒でやられてしまったのか…… 。

コイツと戦い倒してから、街で回復方法を得る。

もう今にも死にそうなゴブド達を見ると、そんな時間が在る様には思えない。

止まらぬ俺の後悔を味わう様に、セトはニヤニヤと俺を眺めている。

其の時だった。

突如、巻き起こる強風が辺りの毒霧を晴らす。

「……グッ。 ガハハ~、毒とは中々やるな~!! 」

強風は立ち上がり笑い声を上げる、ガオンの戦斧が巻き起こしたものだった。

強気な笑い声とは裏腹に、ガオンの立ち姿はふらつき。

今にも倒れそうだが、セトに立ち塞がる。

「……大丈夫なのかガオン? 」
「ガハハお任せ下さい魔王様、強者と戦うは戦士の誉れ!」

ガオンは真っ向からセトに駆け寄り、戦斧を降り下ろし。

守ろうとしてセトが繰り出した腕の触手ごと、セトを両断。

セトの緑色で大量の返り血を浴び、そのままガオンは倒れるのだった。

「ガオン-!! 」

悲痛な俺の叫び声が響く中、不気味に嘲笑う声が聞こえ。

分断された身体からセトは、再び再生され。

ドラマチックだったでしょと云わんばかりに、ニヤついた表情でガオンを見下ろすのだった。
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