122 / 143
<縁>
しおりを挟むまだ脱出出来た訳ではないが、ガオンの声を聴いて不思議と安心している自分が居る。
仲間と云うには少し変わった関係ばかりの変わり者達だが、何れも悪い奴ではないし。
思い返せば、彼等と出会ってからのエミリは良く笑っていた。
隠してるつもりでも解る、異常な骸骨好きのネズ
主で在る魔王と戦いたがる、明るい戦闘狂のガオン
命懸けで働く社畜のゴブド
本当に仲間なのか謎過ぎる参謀
あの変わり者達の中で笑えるという、エミリも在る意味不安だが…… 。
特にマオーと居る時のエミリは優しさに溢れていて、まるで恋でもしているようだった。
勿論。骸骨姿に成れる人間なんかと恋人に成るなんて、父親として認めないが。
エミリに父親とバレたのが判明したのだから、そろそろ言ってやらねば。
あんな変な姿の奴は止めておけと、そんな事を考えている時だった。
突如、バリバリと聞こえてくる不気味な剥離音。
音のする方向。
つぼみでは内部から覗く手が、硬い外皮の葉を破り。
出て来たのは、あの因縁深きセトだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる