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<悲鳴>

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「さっき倒したゴーレムが、可愛く思える位の化物だね…… 」
そう言ってルミニーが見上げる先には、巨大なつぼみが立ちはだかり。

触手からの栄養を吸い集め、妖しく鼓動している。

「冗談言ってる場合じゃないですよ、一面毒が蔓延してます」

逸早く毒を察知したリジョンの表情に、余裕は無い。

リジョンとルミニーが話している間も、養分を求める触手はルドエルによって阻まれている。

「長期戦は望めなさそうだね…… 」

ルミニーに抱き抱えられ、目蓋を閉じたまま動かないトウを見つめルミニーは呟く。

そっとトウの遺体を床に降ろしたルミニーは、覚悟を決めた表情で視線を上げる。

「先ずはエミリの奪還だね、ルドエルは撹乱でフォロー。 其の隙にリジョンは、有りっ丈で特大のを頼むよ」

威勢良く返事を返した二人は、迅速に行動に移す。

更に前進したルドエルは、触手を切りつけ左右に誘導。

ルミニーは後方に下がったリジョンへの攻撃をカバーしながら、ルドエルとのタイミングを計り。

一瞬の隙を待ちわびる短い攻防に、其の時は来た。

「そろそろ御開きだね、仲間を返してもらうよ」

宣言通りルミニーが繰り出す横一線の飛剣で、エミリを取り込んでいた触手は崩れ。

透かさずルドエルが駆け出し、エミリを抱え助け出す。

まるで獣の様に雄叫びを上げ、つぼみは怒りを顕にする。

「随分エミリをお気に入りなんだね、しつこい男は嫌われるよ」
両腕を振り上げる様に、夥しい数の触手は天に伸びる。

「ルミニーさん、準備出来ました」

「待ってましただね、最高のタイミングだよ」

リジョンの声が響くと同時に、極大火炎魔法がつぼみに降り注ぎ。

振り上げた触手は、崩れ落ち。

炎に包まれたつぼみは、悲鳴の様な声を上げるのだった。
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