転生者だか魔王だか知らんが俺の娘はオマエにはやらん

雨実 和兎

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<続セト戦>

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「ルミニーさん!!」



ガルのメンバーを見たエミリも、安堵の表情を浮かべている。



「あれま、変な煙りが上がってると思って来たら、アンタ達だったのかい」



セトの動向を警戒しながら、三人は歩み寄る。



「盗賊では無さそうだけど女の子襲う位だから、悪党には変わりはなさそうだね……」



そう言ってセトを睨むルミニーは、静かに剣を構え。



ルドエルは呆れた様に呟く。



「もう斬撃飛ばしてるけどな……」



「溶かす毒を吐くから気を付けてくれ」



助言を聞いたルミニーは、辺りを見回し呟く。



「効果は桁違いだけど、ポイズントードの毒に似てるね……」



まだ液状を保っている毒液は、煙りを上げながら草木を溶かし続けている。



「リジョン足場を作りな」



ルミニーの指示で、リジョンは辺りの毒液に氷結魔法を掛けて足場を作りだす。



「へぇ~、スゴいね~。さっきの斬撃と今の魔法? 其れも奪えるのかな~」



まるで新しい獲物を見付けた獣の様に、セトはルミニーとリジョンを見据えている。



「気を付けてくれ、ソイツの攻撃が三回当たればスキルを奪えるらしい」



「スキルを奪うスキルね……、 滑るけど踏み場が無いよりはマシかな」



ルミニーは訝しげにセトを見据え呟き、足場の滑りを確認する。



「魔物のスキル使うなんて只の悪党じゃ無さそうだね、アンタ何者なんだい?」



「しいて言うなら商人かな、売っているのはこんな殺戮兵器だけどね」



そう言ってセトは大きく息を吸い込み、紫色で霧状の毒を吹き出す。



「吸い込むな毒だぞ!!」



自分の叫ぶ声と同時に、リジョンの魔法で旋風が巻き起こり。



視界を遮っていた毒霧が、あっという間に霧散していく。



「上手いこと逃げられたね……」



対面していたセトの姿は、もう其所には無いのだった。
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