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不倫は心の殺人・そして彼は妻を殺した
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私と夫とは貴族には珍しく大恋愛の末に結ばれた。私は幼い頃から夫だけを見つめて夫も私だけを見てくれた。
横槍が入ろうとも一途に夫だけを信じて愛してきた。きっと結婚しても二人の想いは絶対に変わらないと信じていた。
あの時までは……
『……あっ、ローランド様ぁっ!イイっ!…あぁっ!』
「まただわ…」
今夜も夫の寝室から女の下品な喘ぎ声が漏れ聞こえる。いつからか夫は私を抱かなくなり寝室も別にした。
そして娼婦や街で引っ掛けた女を引っ張り込み私に隠す事もせず情事に耽るようになった。
初めて夫の浮気を目にした時はあまりのショックに私は狂ったように泣き叫び激しく夫を責めた。
夫は心底嬉しそうな顔をして私を抱き締めて愛しているのは君だけだもう他の女など抱かないと約束した。しかし舌の根の乾かぬうちにまた夫は女を引っ張り込んだ。
そんな事を何度も繰り返すうちに段々と私は疲れてきた。大好きだった優しくて誠実だった夫はもう居ない。
そんな酷い浮気男なんか早く離婚すれば良いのにと友人に散々言われた。私もそう思う。
バカだと思うけれど私はまだ夫を愛しているし他の女になど死んでも渡したくないのだ。
悶々とした日々が続くある時酒に酔った夫が気まぐれに私に言った。
「君は正妻なんだからたかが浮気くらいで騒ぐなよ。あんなのはただの遊びなんだから気にするな。男なら誰でもやってる事だし細かい事に目くじらを立てず公爵家の妻としてもっと大きく構えていろ。」
_たかが浮気。ただの遊び。
貴方はそう思っていても私は違う。愛している夫が毎晩他の女を抱いているのに気にするな?
もし私が同じ事をしても貴方はその言葉を言うの?
貴方は何て残酷なのだろう。そんなの割り切れるはずが無い私は貴方を愛しているのよ。
私の心は声にならない叫び声をあげた。
でも……貴方がそう言うのなら言う通りにしてあげる。
貴方がどれだけ浮気をしようが誰を抱こうが
もう
悲しまない。嫉妬しない。騒がない。
気にしないわ…
さようなら私が愛した貴方。
「あっ…もっと!……あぁっ!ローランド様ぁ!ああん!」
今夜も夫はお盛んだ。好きなだけ楽しめばいい。
私はもう怒りも悲しみも醜い嫉妬も何ひとつ感じない。
女と寝室から出てきた夫が訝しげに私の顔を見る。何かうるさく喚いているけど私は夫を無視して自室へ入り鍵をかけた。
ドンドン扉を叩かれたけど放っておいたら諦めたらしい。
「はぁ…とっても清々しい気持ちだわ。こんなに心が軽いのは何年ぶりかしら?もっと早くすればこう良かった!」
感情を無くすとこんなにも楽になるとは知らなかった。完全に心が壊れる前に私は禁忌に手を出した。
街のはずれに住む魔女と噂されている呪術師の老婆の元を訪ねた私は夫への気持ちを全て消して貰ったのだ。
子供の頃からずっとずっと好きだった夫への愛や執着心や2人の思い出は綺麗サッパリ無くなった。
思い出そうとしても初めから何も無かったように真っ白だ。
数ヶ月経ちふと気付けばあんなに毎日違う女を引っ張り込んでいた夫がぱったりと女遊びをやめてしまった。
私は気にしないから好きにすれば良いのに。
『うわああぁーーーーーー!!!』
執事から私が街のはずれの呪術師を訪ねた事を聞いた夫が呪術師の元を訪ねて話を聞いてきたらしい。
私が実行した禁忌は2度と元には戻せない。禁忌の代償は依頼主の命だ。
私はあと少ししたら死ぬだろう。
帰ってきた夫は奇声をあげながらしばらく屋敷の中で暴れていた。そして夫は私の腰にしがみつきずっと涙を流している。
何か悲しい事でもあったのかしら?
横槍が入ろうとも一途に夫だけを信じて愛してきた。きっと結婚しても二人の想いは絶対に変わらないと信じていた。
あの時までは……
『……あっ、ローランド様ぁっ!イイっ!…あぁっ!』
「まただわ…」
今夜も夫の寝室から女の下品な喘ぎ声が漏れ聞こえる。いつからか夫は私を抱かなくなり寝室も別にした。
そして娼婦や街で引っ掛けた女を引っ張り込み私に隠す事もせず情事に耽るようになった。
初めて夫の浮気を目にした時はあまりのショックに私は狂ったように泣き叫び激しく夫を責めた。
夫は心底嬉しそうな顔をして私を抱き締めて愛しているのは君だけだもう他の女など抱かないと約束した。しかし舌の根の乾かぬうちにまた夫は女を引っ張り込んだ。
そんな事を何度も繰り返すうちに段々と私は疲れてきた。大好きだった優しくて誠実だった夫はもう居ない。
そんな酷い浮気男なんか早く離婚すれば良いのにと友人に散々言われた。私もそう思う。
バカだと思うけれど私はまだ夫を愛しているし他の女になど死んでも渡したくないのだ。
悶々とした日々が続くある時酒に酔った夫が気まぐれに私に言った。
「君は正妻なんだからたかが浮気くらいで騒ぐなよ。あんなのはただの遊びなんだから気にするな。男なら誰でもやってる事だし細かい事に目くじらを立てず公爵家の妻としてもっと大きく構えていろ。」
_たかが浮気。ただの遊び。
貴方はそう思っていても私は違う。愛している夫が毎晩他の女を抱いているのに気にするな?
もし私が同じ事をしても貴方はその言葉を言うの?
貴方は何て残酷なのだろう。そんなの割り切れるはずが無い私は貴方を愛しているのよ。
私の心は声にならない叫び声をあげた。
でも……貴方がそう言うのなら言う通りにしてあげる。
貴方がどれだけ浮気をしようが誰を抱こうが
もう
悲しまない。嫉妬しない。騒がない。
気にしないわ…
さようなら私が愛した貴方。
「あっ…もっと!……あぁっ!ローランド様ぁ!ああん!」
今夜も夫はお盛んだ。好きなだけ楽しめばいい。
私はもう怒りも悲しみも醜い嫉妬も何ひとつ感じない。
女と寝室から出てきた夫が訝しげに私の顔を見る。何かうるさく喚いているけど私は夫を無視して自室へ入り鍵をかけた。
ドンドン扉を叩かれたけど放っておいたら諦めたらしい。
「はぁ…とっても清々しい気持ちだわ。こんなに心が軽いのは何年ぶりかしら?もっと早くすればこう良かった!」
感情を無くすとこんなにも楽になるとは知らなかった。完全に心が壊れる前に私は禁忌に手を出した。
街のはずれに住む魔女と噂されている呪術師の老婆の元を訪ねた私は夫への気持ちを全て消して貰ったのだ。
子供の頃からずっとずっと好きだった夫への愛や執着心や2人の思い出は綺麗サッパリ無くなった。
思い出そうとしても初めから何も無かったように真っ白だ。
数ヶ月経ちふと気付けばあんなに毎日違う女を引っ張り込んでいた夫がぱったりと女遊びをやめてしまった。
私は気にしないから好きにすれば良いのに。
『うわああぁーーーーーー!!!』
執事から私が街のはずれの呪術師を訪ねた事を聞いた夫が呪術師の元を訪ねて話を聞いてきたらしい。
私が実行した禁忌は2度と元には戻せない。禁忌の代償は依頼主の命だ。
私はあと少ししたら死ぬだろう。
帰ってきた夫は奇声をあげながらしばらく屋敷の中で暴れていた。そして夫は私の腰にしがみつきずっと涙を流している。
何か悲しい事でもあったのかしら?
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