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知らぬ間に外堀を埋められる
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翌日の昼過ぎにエレナはリチャードに馬車に乗せられやっと自宅へ帰って来た。だが当たり前のようにリチャードが屋敷の中まで着いてきた。両親はリチャードの来訪を大歓迎しエレナは自分の家なのに何だか居心地悪い。
知らぬ間にリチャードはエレナの両親を自分の味方につけていた。両親はすっかりリチャードに心酔している。父も母も「リチャード君にべた惚れのエレナが我儘ばかりで申し訳ない」とエレナの方がリチャードに熱を上げていると受け取れる物言いをする。リチャードもリチャードでそれを否定せず笑顔で両親に微笑んでいる。
応接室に入るとリチャードは当然と言う風にエレナの隣にぴったり並んで座り彼女の腰に手を回した。向かい側のソファにはエレナの両親が座っている。リチャードは開口一番に爆弾を投下した。
「お義父上…その、非常に言いにくいのですが実はエレナが僕に『リチャードと離れたくないの。寂しいからお家に泊まって私の部屋で一緒に寝て』と先程からせがまれまして……僕が駄目だと言い聞かせてもエレナは嫌だと言って聞かないんですよ」
「っ!?!な、リチャードッ!!わ、私そんな事言ってないっ!」
とんでもない虚言をほざくリチャードに顔を真っ赤にして抗議の声をあげるエレナ。だが父親はあろう事か上機嫌で快諾した。
「昨日といい今日といい…エレナはリチャード君に甘えっぱなしのようだ。我儘を言って困らせて本当に申し訳ない。けれど…もしリチャード君さえ良ければエレナの望むようにしてやってくれないか?ああ…親バカだとリチャード君には笑われるだろうが…」
「ええ私も賛成よ!是非泊まっていって頂戴な!こんなにもエレナを大切にして下さっているリチャード様ですもの!私達は貴方を信用しているわ。本当にエレナは幸せ者ね!羨ましいわっ」
「おっ、お父様っ、、お母様っ、ちがっ…」
「いやぁそれにしてもリチャード君には世話になりっぱなしだ。エレナもだが兄のマイケルまで!」
エレナの言葉を遮るように口を開いた父がニコニコ嬉しそうにリチャードを見る。エレナは不思議に思い父に問いかける。
「お兄様もって……何が?」
するとリチャードはエレナの腰をグッと引き寄せて彼女の頬にチュッと口付けして微笑んだ。
「マイケル義兄上にうちの従兄妹のガーランド侯爵家の長女シャーロットを紹介したんだ。2人は年も近いしシャーロットは前々からマイケル義兄上に興味を持っていたからね。顔合わせの場を設けたら意気投合したようで先日2人は正式に婚約したんだよ。あぁ…まだエレナには話して無かったよね?」
「…そんなの私は聞いてないっ!お父様もお母様もお兄様も…私に何も言ってくれなかった!」
エレナは大好きな両親と兄に自分を除け者にされたような疎外感を感じた。しかしこれも実はブラコン気味のエレナをシスコン気味のマイケルから引き離す為にリチャードが意図的に仕組んだ事だった。
もっと言えばエレナの身近にリチャードの息のかかった身内を置いて部外者やエレナに危害を加える恐れのある存在から彼女を守る為でもあった。
この日マイケルは朝からガーランド侯爵家へ出掛けていて不在だった。エレナの両親はリチャードが公爵家と同じく名家のガーランド侯爵家との縁談を結んでくれた事に大層感謝していた。
それこそリチャードに足を向けて寝られないほどに。
「あぁ…ごめんよエレナ。後でちゃんと話してあげるからね?じゃあ…部屋に行こうか」
「っ!!や、おっ、お父様、お母様っ」
エレナが助けを求めるように両親に向かって伸ばした手はリチャードにがっちり掴まれた。そしてリチャードはエレナを軽々とお姫様抱っこして立ち上がるとエレナの両親に挨拶して部屋を出た。
両親に生暖かい目で見送られたエレナはそのままリチャードに部屋へ運ばれてすぐにベッドに押し倒された。
「はぁぁー!久しぶりにエレナの部屋に来たけどエレナの匂いが充満してる。ふふっ…今夜はエレナのベッドでも普段エレナが使ってるお風呂でも沢山エッチしてあげるね?もう君のご両親も公認しているから心配要らないよ」
「両親にっ、あっ、あんな事っ、酷いわリチャード!きっと…わ、私がふしだらな娘だと誤解してるわ!それにお兄様の事もっ!誰も教えてくれなかったっ、もうやだぁ!ふぇぇっ……」
「ああもう…君はすぐ泣く。まぁ僕が泣かしてるんだけど。ふふっ……ご両親がそんな事を思う訳無いじゃないか。エレナは僕だけを求めて僕だけを愛しているんだから…ふふっ。マイケル義兄上とシャーロットはとても仲良くしているよ?僕の従兄妹も君と家族になるから凄く嬉しい。ねぇエレナそんなに泣かないでよ。ほんっとに可愛いなぁ。はー可愛い!僕のエレナ」
「んっ!やっ…、んぅぅ!!」
「はむっ、んん~、んふ……」
クチュクチュ唾液を絡めながらリチャードはしつこくエレナの口内を舌で掻き回す。逃げ惑うエレナの舌を捕らえヂュウヂュウ痛いほど吸い上げた。
「はぁっ…しばらくの間この部屋には誰も来ないように人払いを頼んでおいたよ。メイドも来ないからエレナのお世話は僕がしてあげるからね。夕飯まで時間はたっぷりあるし…ドレス脱ぎ脱ぎしよっか?」
「うぅっ……リチャード、許してっ…、もう…やだっ…もう、嫌っ」
リチャードは聞こえていないようにスルーしてエレナを抱き起こし慣れた手付きでドレスを脱がせた。
知らぬ間にリチャードはエレナの両親を自分の味方につけていた。両親はすっかりリチャードに心酔している。父も母も「リチャード君にべた惚れのエレナが我儘ばかりで申し訳ない」とエレナの方がリチャードに熱を上げていると受け取れる物言いをする。リチャードもリチャードでそれを否定せず笑顔で両親に微笑んでいる。
応接室に入るとリチャードは当然と言う風にエレナの隣にぴったり並んで座り彼女の腰に手を回した。向かい側のソファにはエレナの両親が座っている。リチャードは開口一番に爆弾を投下した。
「お義父上…その、非常に言いにくいのですが実はエレナが僕に『リチャードと離れたくないの。寂しいからお家に泊まって私の部屋で一緒に寝て』と先程からせがまれまして……僕が駄目だと言い聞かせてもエレナは嫌だと言って聞かないんですよ」
「っ!?!な、リチャードッ!!わ、私そんな事言ってないっ!」
とんでもない虚言をほざくリチャードに顔を真っ赤にして抗議の声をあげるエレナ。だが父親はあろう事か上機嫌で快諾した。
「昨日といい今日といい…エレナはリチャード君に甘えっぱなしのようだ。我儘を言って困らせて本当に申し訳ない。けれど…もしリチャード君さえ良ければエレナの望むようにしてやってくれないか?ああ…親バカだとリチャード君には笑われるだろうが…」
「ええ私も賛成よ!是非泊まっていって頂戴な!こんなにもエレナを大切にして下さっているリチャード様ですもの!私達は貴方を信用しているわ。本当にエレナは幸せ者ね!羨ましいわっ」
「おっ、お父様っ、、お母様っ、ちがっ…」
「いやぁそれにしてもリチャード君には世話になりっぱなしだ。エレナもだが兄のマイケルまで!」
エレナの言葉を遮るように口を開いた父がニコニコ嬉しそうにリチャードを見る。エレナは不思議に思い父に問いかける。
「お兄様もって……何が?」
するとリチャードはエレナの腰をグッと引き寄せて彼女の頬にチュッと口付けして微笑んだ。
「マイケル義兄上にうちの従兄妹のガーランド侯爵家の長女シャーロットを紹介したんだ。2人は年も近いしシャーロットは前々からマイケル義兄上に興味を持っていたからね。顔合わせの場を設けたら意気投合したようで先日2人は正式に婚約したんだよ。あぁ…まだエレナには話して無かったよね?」
「…そんなの私は聞いてないっ!お父様もお母様もお兄様も…私に何も言ってくれなかった!」
エレナは大好きな両親と兄に自分を除け者にされたような疎外感を感じた。しかしこれも実はブラコン気味のエレナをシスコン気味のマイケルから引き離す為にリチャードが意図的に仕組んだ事だった。
もっと言えばエレナの身近にリチャードの息のかかった身内を置いて部外者やエレナに危害を加える恐れのある存在から彼女を守る為でもあった。
この日マイケルは朝からガーランド侯爵家へ出掛けていて不在だった。エレナの両親はリチャードが公爵家と同じく名家のガーランド侯爵家との縁談を結んでくれた事に大層感謝していた。
それこそリチャードに足を向けて寝られないほどに。
「あぁ…ごめんよエレナ。後でちゃんと話してあげるからね?じゃあ…部屋に行こうか」
「っ!!や、おっ、お父様、お母様っ」
エレナが助けを求めるように両親に向かって伸ばした手はリチャードにがっちり掴まれた。そしてリチャードはエレナを軽々とお姫様抱っこして立ち上がるとエレナの両親に挨拶して部屋を出た。
両親に生暖かい目で見送られたエレナはそのままリチャードに部屋へ運ばれてすぐにベッドに押し倒された。
「はぁぁー!久しぶりにエレナの部屋に来たけどエレナの匂いが充満してる。ふふっ…今夜はエレナのベッドでも普段エレナが使ってるお風呂でも沢山エッチしてあげるね?もう君のご両親も公認しているから心配要らないよ」
「両親にっ、あっ、あんな事っ、酷いわリチャード!きっと…わ、私がふしだらな娘だと誤解してるわ!それにお兄様の事もっ!誰も教えてくれなかったっ、もうやだぁ!ふぇぇっ……」
「ああもう…君はすぐ泣く。まぁ僕が泣かしてるんだけど。ふふっ……ご両親がそんな事を思う訳無いじゃないか。エレナは僕だけを求めて僕だけを愛しているんだから…ふふっ。マイケル義兄上とシャーロットはとても仲良くしているよ?僕の従兄妹も君と家族になるから凄く嬉しい。ねぇエレナそんなに泣かないでよ。ほんっとに可愛いなぁ。はー可愛い!僕のエレナ」
「んっ!やっ…、んぅぅ!!」
「はむっ、んん~、んふ……」
クチュクチュ唾液を絡めながらリチャードはしつこくエレナの口内を舌で掻き回す。逃げ惑うエレナの舌を捕らえヂュウヂュウ痛いほど吸い上げた。
「はぁっ…しばらくの間この部屋には誰も来ないように人払いを頼んでおいたよ。メイドも来ないからエレナのお世話は僕がしてあげるからね。夕飯まで時間はたっぷりあるし…ドレス脱ぎ脱ぎしよっか?」
「うぅっ……リチャード、許してっ…、もう…やだっ…もう、嫌っ」
リチャードは聞こえていないようにスルーしてエレナを抱き起こし慣れた手付きでドレスを脱がせた。
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