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第一章
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朝来た教えられた通りの道、大きなカプセルのようなのバスに乗る。それほど早くないスピードで浮遊するそれには数人の先客がいたが、やっぱりみんなどこか動物を模している。オードリーやリューのようにある一種の動物そのものをしている事も珍しいようだ。
オードリーに渡されているチケットをバスの機械に飲み込ませると目的の場所の真ん前まで連れて行ってくれる。なんて便利なんだろう。
そっとイスに座って、流れる景色を見て時間を過ごす。異世界に来ている事も帰る方法が分からないことも実感も理解もしているけど、こうやって通学していることは向こうでもこっちでも変わらない。楽しいと思ってしまう僕はやはり少し変なのかもしれない。
オードリー宅へと帰ると、テーブルの上にはしっかりと夕食が盛りつけられていた。
けれどその光景はいつもと違う。
この一週間、帰ってからパパさんの夕食作りを手伝っていたのに、どういう訳か今日はいつも遅い帰宅のママさんまでも仕事から帰っていて、すでにテーブルについていた。
「ただいま。今日は早いですねー」
「お帰りなさい、今日はちょっとお話があるから早めに夕食にしちゃおうと思って」
そう言ってニコっと笑いかけてくれたのはママさんだ。オードリーやパパと比べると二回りくらい小さいペンギンだけど彼女がこの家の大黒柱だったりする。
そしてパパの方は、カウンターキッチンの中でせっせとフライパンを磨いてて、オードリーと言えば奥のソファーでふて腐れている。
実はオードリーは今思春期まっただ中だという。親という存在がよっぽど鬱陶しいらしい。二人でいるときはあんなに男らしいのに、家にいるときは始終ムスッと顔をしかめている。
僕自身、思春期を未体験のためその感じを上手くつかめない。だからなのかオードリーを見てるとちょっと気恥ずかしいような不思議な気分になる。普段親が身近にいないからちょっと羨ましいとすら思ってしまうのは、この年頃の少年としては不衛生なんじゃないかと思わず自分を疑ってしまった。
カバンを部屋に置いて手を洗ってから席に着くと、いただきますと食事が始まった。
嫌がっていても食事を一緒にしているんだから不思議なもんだ。
「そういや、ノサとリューが指導担当なんだってな」
向こうにいては決して口に入れないような色をした物体をフォークで突き刺しながら相槌を打って、いつも通りオードリーとの会話が始まる。
「知り合い?」
「腐れ縁ってやつだな。入学したのが同じくらいの時期で歳も近かったから、何かと授業が一緒だったんだ」
「ふーん、じゃあ前からあんな感じ?」
「あんなってどんなだ?」
「ケンカしてた」
「ケンカ? ほとんど口も聞かない二人だぞ。二人各々は知ってるが三人で一緒なんてのは闘術の授業だけだからな」
「闘術? そういえば明日その授業だ。何の授業?」
「あぁ、それはな――」
そこでいつもなら笑って聞いているだけのパパとママが話に入ってきた。
「明日の授業のことなんだけど、明日はオードリーと一緒に行って欲しいの」
「オードリーと?」
「ちょっと待てよ、俺とアオイじゃクラスが違いすぎるだろ」
オードリーの口調がきつくなる。しかし気にせずパパは冷静に話を先に進めていく。
「アオイ君の場合ちょっと特殊なんだよ、だからオードリーと一緒のクラスで受けてもらうんだ」
「特殊…ですか?」
「つまりどこから来たかわからねぇーからってことだろ。でもそんくらいの奴だったらこれまでにだっていただろう」
「それだけじゃないんだよ」
「どういう事だよ」
思春期の反発力というのはすごい。僕が聞く前にオードリーの方が先にパパの言葉に反応してしまう。
「アオイ君。入学テストで脚力と剣術のテストがあったのを覚えているかな?」
オードリーの訝しげな表情を感じながら、僕は頷いて見せた。あまりのテスト量だったから記憶としては朧気だったけど、ちょっと変わってたから数あるテストの中ではわりと鮮明に覚えているものだった。
「その2つのテストでね、結構な高評価がついてるんだ」
「それのどこに問題があるんだ」
オードリーが返事をするため一瞬パパの言葉が止まりそうになるが、何とか気にせず続けてくれる。
「調査書の方には未経験だと記入してあったから、そこが問題になったんだよ」
調査書というのは、事前アンケートのようなもので設問に答える簡単なものだった。
「問題ですか。嘘を付いてるとか、怪しい奴だとか思われちゃったわけですね」
「簡単に言ってしまうと、そう言うことになるね」
「何だそれ、じゃなんで学校に通わせてるんだ。捕まえて話付けた方が早いだろう!」
オードリーは今にも掴み掛かりそうな勢いで、ギュッとフォークを握りしめていた。
それを見てママさんが少し困った顔をする。それがどこか切なそうに見えたせいで、僕の中の小さい頃の記憶がすっと心を掠めていく。
危うくその痛みのような痺れのような感情に呑まれそうになるのを堪えて、言葉を繋ぐママさんの顔から目を向ける。
「そういう訳にはいかない事情があるの、ヤクショでもいろいろ会議を開いて決まったことだから――」
「事情ってなんだよっ! ちょっとテストの成績が良かったからって、いきなり危ない目に会わせて何が目的だッ」
「オードリー、少し静かにしていなさい。父さん達だって――」
「何もわかんない奴は黙っとけっていうのか!? だったらアオイはもっと何も分からねぇんだぞッ、どんだけ危険かも分からん奴に理由すら言わねぇで怪我してこい言うのか!」
「そういう事じゃない、ちゃんと考えがあっての結論なんだよ」
「何だよ! 考えてれば何したっていいのかよ!」
「そうじゃない、危険がないと分かってるから行ってもらうんだ」
「シミュレーターだから大丈夫だなんて言わせねぇぞ、あんなテストで――」
「オードリー、話の途中で悪いんだけど僕の聞きたいこと聞かせてもらってもいい?」
「アオイ…」
オードリーを止めるつもりはなかったのに、そろそろ僕も本気で帰る手段を考えないといけない時期が来ているのだと悟ってしまった。
「あのですね、今日授業でこの国には戦争の歴史がない事を知ったんですが、何と戦うために訓練するんですか?」
「それはな、いつ何が攻めてくるか分からんから備えてるんだ」
答えてくれたのはオードリーだった。
「だったら海の向こうを調べるのも一緒にやるべきですよね。でもそれをしてない」
「何言ってんだ? 海の先に何があろうが攻めて来た時に倒せれば問題ないだろ」
「オードリーは不思議に思ったことないのか? この大陸に未開の地はほとんどないんだろ、それなのに海の外に調査範囲を広げないのはおかし過ぎる。何か意図的に調べさせないようにしてる感じまでする」
ここの世界に来て、ここの事を知れば知るほど時折違和感に襲われていた。自分の探究心が強すぎるのかもしれないが、曖昧な事が多かった。
曖昧なものをそのままで受け入れることが出来るからこそ、魔法もどきも発展をしてこれたんだろうけど、そういう大衆感情を利用して何かを隠してる気配がする。
「組織的に調べさせないようにしてるんじゃないのかな?」
不思議な事にオードリーは何の反応も示さなかった。キョトンとしてこっちを見ている。
さっきまでの威勢の良さなら、何か言いそうなものなのに、まるで僕の言葉が理解できないみたいに不思議そうな表情だ。
言ってる意味伝わらなかったのかな。
「アオイ君、海の外には何も無いんだよ」
パパさんはいつもの笑顔だった。
「何もないって、この星にはこの大陸しかないって事ですか?」
「いいや、本当に何も無いんだよ。観測しないものは確定できない。幾つもの可能性を持っているだけで、どうなっているか決める事はできないんだ」
突然難しい話に…みなみちゃんも以前似たようなこと言ってたけど、箱を開けるまではどうのこうのって、よく分かんない話。ここでも聞くことになろうとは。
「でもね、アオイ君。海の向こうに何も無い。可能性はいくらでも広がっているけど、今は本当に何も無いんだよ。真っ白なんだ」
「真っ白…?」
「そう」
「じゃあ何かが攻めてくるなんて事ないですよね。戦う技術は何のために?」
それに答えたのはママさんだった。
「それを今教えることは出来ないの。でもすぐに解ってくるはずよ、だから明日はオードリーと一緒に行って。あなたの思ったと通りに行動すれば大丈夫だから」
大丈夫か……。
この二人は確実に何か知っている。そして相変わらずの自分の勘だけど、隠している事に悪意はないと思う。目的も事情もしっかりある上で敢えて教えないでいる、そんな感じ。
「分かりました。僕もちょっと思うところがあるので、今は疑問は疑問のままにしておきます」
そう言うと、二人ともやさしい笑顔で頷いた。
するとさっきのままボーっとしていたオードリーが突然立ち上がった。
「何?」
「明日アオイは連れて行く。でもな、何かあったら親父たちのこと一生許さねぇからな!」
それだけ叫ぶと再びドカッとイスに座り、不機嫌に食事を再開させた。
「あらあら、うふふふ」
ママさんは嬉しそうに笑うと、「アオイ君ももっと食べて」と僕の皿に料理をよそってくれた。
そこからはいつも通りの夕食で、オードリーは相変わらず僕とだけ会話し、パパもママも笑顔でそれを聞いて和やかに夜は過ぎていった。
あれほど怒っているくせに、食卓から離れないオードリーに苦笑しながら、眠る寸前、あれは僕のためだったかもしれないと突然思った。申し訳なさもあったが、その優しさへのこそばゆい感情のおかげで、幸せな夢をみていたらしく朝起きたとき妙に温かい気持ちでいた。
でも、夢の内容は全く覚えていなかった。
オードリーに渡されているチケットをバスの機械に飲み込ませると目的の場所の真ん前まで連れて行ってくれる。なんて便利なんだろう。
そっとイスに座って、流れる景色を見て時間を過ごす。異世界に来ている事も帰る方法が分からないことも実感も理解もしているけど、こうやって通学していることは向こうでもこっちでも変わらない。楽しいと思ってしまう僕はやはり少し変なのかもしれない。
オードリー宅へと帰ると、テーブルの上にはしっかりと夕食が盛りつけられていた。
けれどその光景はいつもと違う。
この一週間、帰ってからパパさんの夕食作りを手伝っていたのに、どういう訳か今日はいつも遅い帰宅のママさんまでも仕事から帰っていて、すでにテーブルについていた。
「ただいま。今日は早いですねー」
「お帰りなさい、今日はちょっとお話があるから早めに夕食にしちゃおうと思って」
そう言ってニコっと笑いかけてくれたのはママさんだ。オードリーやパパと比べると二回りくらい小さいペンギンだけど彼女がこの家の大黒柱だったりする。
そしてパパの方は、カウンターキッチンの中でせっせとフライパンを磨いてて、オードリーと言えば奥のソファーでふて腐れている。
実はオードリーは今思春期まっただ中だという。親という存在がよっぽど鬱陶しいらしい。二人でいるときはあんなに男らしいのに、家にいるときは始終ムスッと顔をしかめている。
僕自身、思春期を未体験のためその感じを上手くつかめない。だからなのかオードリーを見てるとちょっと気恥ずかしいような不思議な気分になる。普段親が身近にいないからちょっと羨ましいとすら思ってしまうのは、この年頃の少年としては不衛生なんじゃないかと思わず自分を疑ってしまった。
カバンを部屋に置いて手を洗ってから席に着くと、いただきますと食事が始まった。
嫌がっていても食事を一緒にしているんだから不思議なもんだ。
「そういや、ノサとリューが指導担当なんだってな」
向こうにいては決して口に入れないような色をした物体をフォークで突き刺しながら相槌を打って、いつも通りオードリーとの会話が始まる。
「知り合い?」
「腐れ縁ってやつだな。入学したのが同じくらいの時期で歳も近かったから、何かと授業が一緒だったんだ」
「ふーん、じゃあ前からあんな感じ?」
「あんなってどんなだ?」
「ケンカしてた」
「ケンカ? ほとんど口も聞かない二人だぞ。二人各々は知ってるが三人で一緒なんてのは闘術の授業だけだからな」
「闘術? そういえば明日その授業だ。何の授業?」
「あぁ、それはな――」
そこでいつもなら笑って聞いているだけのパパとママが話に入ってきた。
「明日の授業のことなんだけど、明日はオードリーと一緒に行って欲しいの」
「オードリーと?」
「ちょっと待てよ、俺とアオイじゃクラスが違いすぎるだろ」
オードリーの口調がきつくなる。しかし気にせずパパは冷静に話を先に進めていく。
「アオイ君の場合ちょっと特殊なんだよ、だからオードリーと一緒のクラスで受けてもらうんだ」
「特殊…ですか?」
「つまりどこから来たかわからねぇーからってことだろ。でもそんくらいの奴だったらこれまでにだっていただろう」
「それだけじゃないんだよ」
「どういう事だよ」
思春期の反発力というのはすごい。僕が聞く前にオードリーの方が先にパパの言葉に反応してしまう。
「アオイ君。入学テストで脚力と剣術のテストがあったのを覚えているかな?」
オードリーの訝しげな表情を感じながら、僕は頷いて見せた。あまりのテスト量だったから記憶としては朧気だったけど、ちょっと変わってたから数あるテストの中ではわりと鮮明に覚えているものだった。
「その2つのテストでね、結構な高評価がついてるんだ」
「それのどこに問題があるんだ」
オードリーが返事をするため一瞬パパの言葉が止まりそうになるが、何とか気にせず続けてくれる。
「調査書の方には未経験だと記入してあったから、そこが問題になったんだよ」
調査書というのは、事前アンケートのようなもので設問に答える簡単なものだった。
「問題ですか。嘘を付いてるとか、怪しい奴だとか思われちゃったわけですね」
「簡単に言ってしまうと、そう言うことになるね」
「何だそれ、じゃなんで学校に通わせてるんだ。捕まえて話付けた方が早いだろう!」
オードリーは今にも掴み掛かりそうな勢いで、ギュッとフォークを握りしめていた。
それを見てママさんが少し困った顔をする。それがどこか切なそうに見えたせいで、僕の中の小さい頃の記憶がすっと心を掠めていく。
危うくその痛みのような痺れのような感情に呑まれそうになるのを堪えて、言葉を繋ぐママさんの顔から目を向ける。
「そういう訳にはいかない事情があるの、ヤクショでもいろいろ会議を開いて決まったことだから――」
「事情ってなんだよっ! ちょっとテストの成績が良かったからって、いきなり危ない目に会わせて何が目的だッ」
「オードリー、少し静かにしていなさい。父さん達だって――」
「何もわかんない奴は黙っとけっていうのか!? だったらアオイはもっと何も分からねぇんだぞッ、どんだけ危険かも分からん奴に理由すら言わねぇで怪我してこい言うのか!」
「そういう事じゃない、ちゃんと考えがあっての結論なんだよ」
「何だよ! 考えてれば何したっていいのかよ!」
「そうじゃない、危険がないと分かってるから行ってもらうんだ」
「シミュレーターだから大丈夫だなんて言わせねぇぞ、あんなテストで――」
「オードリー、話の途中で悪いんだけど僕の聞きたいこと聞かせてもらってもいい?」
「アオイ…」
オードリーを止めるつもりはなかったのに、そろそろ僕も本気で帰る手段を考えないといけない時期が来ているのだと悟ってしまった。
「あのですね、今日授業でこの国には戦争の歴史がない事を知ったんですが、何と戦うために訓練するんですか?」
「それはな、いつ何が攻めてくるか分からんから備えてるんだ」
答えてくれたのはオードリーだった。
「だったら海の向こうを調べるのも一緒にやるべきですよね。でもそれをしてない」
「何言ってんだ? 海の先に何があろうが攻めて来た時に倒せれば問題ないだろ」
「オードリーは不思議に思ったことないのか? この大陸に未開の地はほとんどないんだろ、それなのに海の外に調査範囲を広げないのはおかし過ぎる。何か意図的に調べさせないようにしてる感じまでする」
ここの世界に来て、ここの事を知れば知るほど時折違和感に襲われていた。自分の探究心が強すぎるのかもしれないが、曖昧な事が多かった。
曖昧なものをそのままで受け入れることが出来るからこそ、魔法もどきも発展をしてこれたんだろうけど、そういう大衆感情を利用して何かを隠してる気配がする。
「組織的に調べさせないようにしてるんじゃないのかな?」
不思議な事にオードリーは何の反応も示さなかった。キョトンとしてこっちを見ている。
さっきまでの威勢の良さなら、何か言いそうなものなのに、まるで僕の言葉が理解できないみたいに不思議そうな表情だ。
言ってる意味伝わらなかったのかな。
「アオイ君、海の外には何も無いんだよ」
パパさんはいつもの笑顔だった。
「何もないって、この星にはこの大陸しかないって事ですか?」
「いいや、本当に何も無いんだよ。観測しないものは確定できない。幾つもの可能性を持っているだけで、どうなっているか決める事はできないんだ」
突然難しい話に…みなみちゃんも以前似たようなこと言ってたけど、箱を開けるまではどうのこうのって、よく分かんない話。ここでも聞くことになろうとは。
「でもね、アオイ君。海の向こうに何も無い。可能性はいくらでも広がっているけど、今は本当に何も無いんだよ。真っ白なんだ」
「真っ白…?」
「そう」
「じゃあ何かが攻めてくるなんて事ないですよね。戦う技術は何のために?」
それに答えたのはママさんだった。
「それを今教えることは出来ないの。でもすぐに解ってくるはずよ、だから明日はオードリーと一緒に行って。あなたの思ったと通りに行動すれば大丈夫だから」
大丈夫か……。
この二人は確実に何か知っている。そして相変わらずの自分の勘だけど、隠している事に悪意はないと思う。目的も事情もしっかりある上で敢えて教えないでいる、そんな感じ。
「分かりました。僕もちょっと思うところがあるので、今は疑問は疑問のままにしておきます」
そう言うと、二人ともやさしい笑顔で頷いた。
するとさっきのままボーっとしていたオードリーが突然立ち上がった。
「何?」
「明日アオイは連れて行く。でもな、何かあったら親父たちのこと一生許さねぇからな!」
それだけ叫ぶと再びドカッとイスに座り、不機嫌に食事を再開させた。
「あらあら、うふふふ」
ママさんは嬉しそうに笑うと、「アオイ君ももっと食べて」と僕の皿に料理をよそってくれた。
そこからはいつも通りの夕食で、オードリーは相変わらず僕とだけ会話し、パパもママも笑顔でそれを聞いて和やかに夜は過ぎていった。
あれほど怒っているくせに、食卓から離れないオードリーに苦笑しながら、眠る寸前、あれは僕のためだったかもしれないと突然思った。申し訳なさもあったが、その優しさへのこそばゆい感情のおかげで、幸せな夢をみていたらしく朝起きたとき妙に温かい気持ちでいた。
でも、夢の内容は全く覚えていなかった。
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