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第一章
第三幕 トウコウ1
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「ツル?」
受付で言われた部屋で指定された机の前に立った時、思わず聞いてしまった。
「サギです」
そこに待っていたのは足が長くて白い翼の大型の鳥。鶴かと思ったけど鷺らしい。
「ああー、…………サギね」
「ホントにわかってる?」
そのサギさんは読んでる本から視線を移すことなく、冷たい声を出す。
その反応に、ちょっと連想させる知り合いがいた。親しみを感じてしまうくらいの人物だが、それを悟られるのは、本人でないとしてもシャクなので自然と平静を装う。
もう人間以外の生き物がいることには慣れたから、なんてことない。
「まぁ、なんとなく」
僕がそう言いつつイスに腰掛けると、その僕の顔を訝しそうに見つめるサギさん。
「ホントに?」
「うーーん、ツルの親戚みたいなぁ」
なんだか語尾が上がっちゃった。だって実物見たことないし。
この世界の困ったことは、動物の種類がどうもマニアックな気がすることだ。象とかキリンとかライオンとか、もっとメジャーな生き物なら良いのに、アルマジロだのワラビーぐらいは辛うじてって感じだったけど、後はもう一目で名前が分からないのが多すぎる。こんなことなら遠足で行った動物園でもっと真面目に観察しとけばよかった。
そしてまた一人、クチバシも足も細長い白い鳥が自分の品種を訴えている。
「……あんな赤頭と血縁関係はない」
「赤頭って……辛口ですねー」
ツルとサギは違う種類なの!? って感じだよ。おかげでどうやら第一印象は最悪なものとなってしまった。これから彼から社会の授業を受けないとなんないのに、いきなり不機嫌そうだ。
「勉強しに来てるだよね、する気あるのか?」
「ありますよー、やる気満々」
「なんか信用できないのだけど」
そう言いながらも翼で器用に教科書をめくりだした。
僕もリュックからノートとペンケースを出しながら周りを見渡した。ちなみに道具一式はオードリーから借りたもの。
まわりにはここと同じ丸いテーブルに3、4人が集まって勉強している。黙々とやっているグループもあれば、楽しそうに雑談しているようなグループもある。そんなグループでもテーブルにはしっかり資料のようなものが広げられてるから、ただ談笑している訳でもなさそうだ。
なんと言ってもここは社会科室。そういうだけあって、でっかい地図とか、妙に古そうな農機具やら武器やらが展示してあったり、膨大な書物が部屋の半分を占めている。
もとの世界でもそんな教室あったけど、実際にその部屋を使って勉強するのは初めてだな。でもあの独特の雰囲気は先生に頼まれて資料をとりに行ったときのものそのまま。ヒトが溢れている分、こっちの方が生き生きとしてるような感じはする。
こうやって毎日いろいろなことを観察するのがすでに習慣になった。
この世界に来て一週間が過ぎているが、思っていた以上に機能はあっちの世界と変わらない。目にするものは不思議なものばっかりだったけど、見慣れてしまえばそっちの方が当たり前になった。
ただ一週間もの間何をしていたかと言えば、朝から晩までテストを受けさせられていた。学校に行くためにはどうしても必要だと言うので仕方がない。
それはもう朝から晩まで、国数理社、体育に美術に料理に裁縫、武術に演劇までさせられた。ついでに適正検査と身体測定もした。
ほとんど問題なくできたんだけど、唯一さっぱりできない科目があった。
それが社会。
っていうか分かる訳ないつーに。この世界の歴史も知らなければ社会情勢も分からない。テストの問題から、王制をとっているのを知ったくらいで、それを名前やら何代目やら知るよしもなく、9代目の王が成した偉業も72代目がめとった妃がどこの偉い貴族様なのかも分かるかーーーいってなもんだった。それでも問題文でも情報だと思い、しっかり熟読したし、試験の鉄則として解らなくても勘で回答欄を埋めたやった。
おかげで暇をもて余すようなこともなく、山のようなテストをこなすことで余計な事を考えずに済んだ。毎日テストを受けて、オードリーの家に帰って、ご飯を食べて風呂に入って寝るだけの生活。
帰る方法を探すのが先決かもしれないけど、正直なところ何も思いつかなかったのだから仕方ない。けれど代わりにオードリーが色々と調べてくれていた。オードリーも学校に通っているのに、暇を見つけてはあれこれとやってくれている。
それでも結局一週間経った今も何も分かっていない。それでも焦る気持ちはほとんど生まれなかった。どうしてだか分からないけど、このまま行けば何か起こる気がする。
僕の勘はほぼ100%当たる。人に言ったことは無いけど、思ったことは必ず起こるから、今回もきっと元の世界に戻れる。
ということで今、初授業でサギさんに出会ったところなのです。
「あの、サギさん? 一応説明は受けてきたので、先生はサギさんなんですよね?」
「……サギだけど、僕にだって名前くらいある」
ちょっと躊躇いがちにそう返事が返ってきた。そうそう、オードリーの時もそうだったように、まずは自分から名乗らなくては。
「じゃあ先に自己紹介しますね、僕は佐野碧。十五歳です。社会の知識は全くありませんので基礎の基礎から教えていただけると助かります」
「僕は……、リュー。十七だ」
「リューさん。これからよろしくお願いします」
「う、うん。よろしく」
そんなに悪い名前には思えなかったけど、どういう訳か、名前を言うのに躊躇いがあるようだ。
「それから、僕は先生じゃないから」
「あ、はい。聞いてます、学生さんなんですよね」
十年以上学習を積んでいて尚かつ優秀な生徒が、初歩の授業を行うのが恒例だと説明があった。ただ、先生役は二人一組だとも言っていた。間違った知識を教えないようにと言う配慮かららしい。
「もう1人の方は?」
「あいつは―――」
「やあ! リュー。今日から指導側なんだって? あたしに補助頼むなんて、なかなか見る目あるじゃない」
軽快な歩きで近づいてきて、はつらつと話し出したその人は、ダックスフントのような耳を生やした栗色ボブヘアーのメガネの女の子だった。
なぜ性別が分かるのかと言えば、耳以外は人の形をしているから。背が低くて、メガネを掛けているレンズの奥の目もクリッと丸くて可愛らしい。服装こそボーイッシュだけど、さすがに女の子だと分かる。
そして彼女はこっちを向くと、僕にも声を掛けていきた。
「ふーん、彼が噂の完全人型タイプのサノアオイくんって訳ね」
一週間もいれば、それなりに分かることもある。この世界では、純粋に人の形をしている方が稀だと言う事。全くいないわけじゃないとは聞いたけど、噂になるくらいには珍しいものみたいだ。
「どんな噂か教えてもらえますか?」
「いいわよ」
空いているイスに座りながら、あっさりと答えてくれた。
「天才かバカか全くわからん変わり者って聞いた」
「そうですか」
「何? そのあっさりした返しは? もっと何かないの!?」
「何かってどんなのがお望みですか?」
「そうね。バカやろう、オレはそんなんじゃねー。とかかな」
それじゃオードリーみたいだな。
「バカヤロウオレハソンナンジャネー」
「うざいぞ、そういうの」
そう言ったのはリューだった。またもほんの少しもこっちを見ずに、しれっとそんなこと言えてしまうなんて本当にあいつによく似てる。幼なじみのそいつであれば、ここは食って掛かるところだけど、初対面の相手にまでそう言うわけにはいかない。
そう思って黙っていると、犬耳の彼女が代わりに話し出した。
「あんたってホント嫌みな奴だよね。あたしとかは慣れてるからいいけど、他の人にはもう少し優しくした方がいいよ。ただでさえ友達少ないんだから」
「余計なお世話だ」
「なに、それ。人がせっかく忠告してやってるんだから、もっと真面目に聞けないのか」
「それが余計だと言ってるんだよ」
「はぁ? あんたちゃんと耳付いてるの!? あたしの声聞こえてる? そういうのを止めた方が良いって言ってんの」
「耳ならちゃんとある」
「揚げ足でも取ろうっての? 大体鳥の耳なんてどこについてんのかわかんないですけど」
「そうだな。ノサのようにデカデカとは付いてないな」
「なっ…」
そこで一瞬言葉の往来はとまってしまった。
僕としては止めるつもりもなかったから、もらった教科書に目を通してたんだけど、ふと言葉が止んだ弾みで二人の方に目を向けると、犬耳の彼女の方が両手で自分の耳を握って目に涙を溜めていた。
どうも彼女は自分の耳にコンプレックスをもっているようだ。フワフワしてて可愛いのにな。
「あたしの耳は別にデカくないっ」
泣きそうにはなっているものの負けん気は強いらしくバトルは再開された。
「そうか? それ、犬の耳みたいだぞ」
「イ…ヌ、言ったな! あたしのはウサギだって何回も言ったじゃん!」
危なかったー、そう言えば耳の垂れた種類のウサギもいたなあ、僕も危うく泣かせちゃうとこだった。
そう本当はウサギの耳だった彼女はもうすっかり泣き出している。それでも口げんかを止めるつもりはないみたい。
「じぶっ、自分だってさあ、サギのくせして“ツルー”なんて名前してるくせにさあ、人のこと言えないでしょっ」
「お…まえ。言って良い事と悪いことがあるだろッ」
「あたしの耳は良くて、あんたの名前がダメなんて言わせないもん」
「僕の場合は親が再婚したせいだろ、最初からこんな名前だった訳じゃない。それに、ツルじゃない。ツ・リューだ!」
「そっちの方がもっと面白いもん…」
親の事情で振り回されるのはどこの世界でも変わらないんだな。鶴に対してあんなに嫌悪感を示したのは名前の事も大きいのかもしれない。
受付で言われた部屋で指定された机の前に立った時、思わず聞いてしまった。
「サギです」
そこに待っていたのは足が長くて白い翼の大型の鳥。鶴かと思ったけど鷺らしい。
「ああー、…………サギね」
「ホントにわかってる?」
そのサギさんは読んでる本から視線を移すことなく、冷たい声を出す。
その反応に、ちょっと連想させる知り合いがいた。親しみを感じてしまうくらいの人物だが、それを悟られるのは、本人でないとしてもシャクなので自然と平静を装う。
もう人間以外の生き物がいることには慣れたから、なんてことない。
「まぁ、なんとなく」
僕がそう言いつつイスに腰掛けると、その僕の顔を訝しそうに見つめるサギさん。
「ホントに?」
「うーーん、ツルの親戚みたいなぁ」
なんだか語尾が上がっちゃった。だって実物見たことないし。
この世界の困ったことは、動物の種類がどうもマニアックな気がすることだ。象とかキリンとかライオンとか、もっとメジャーな生き物なら良いのに、アルマジロだのワラビーぐらいは辛うじてって感じだったけど、後はもう一目で名前が分からないのが多すぎる。こんなことなら遠足で行った動物園でもっと真面目に観察しとけばよかった。
そしてまた一人、クチバシも足も細長い白い鳥が自分の品種を訴えている。
「……あんな赤頭と血縁関係はない」
「赤頭って……辛口ですねー」
ツルとサギは違う種類なの!? って感じだよ。おかげでどうやら第一印象は最悪なものとなってしまった。これから彼から社会の授業を受けないとなんないのに、いきなり不機嫌そうだ。
「勉強しに来てるだよね、する気あるのか?」
「ありますよー、やる気満々」
「なんか信用できないのだけど」
そう言いながらも翼で器用に教科書をめくりだした。
僕もリュックからノートとペンケースを出しながら周りを見渡した。ちなみに道具一式はオードリーから借りたもの。
まわりにはここと同じ丸いテーブルに3、4人が集まって勉強している。黙々とやっているグループもあれば、楽しそうに雑談しているようなグループもある。そんなグループでもテーブルにはしっかり資料のようなものが広げられてるから、ただ談笑している訳でもなさそうだ。
なんと言ってもここは社会科室。そういうだけあって、でっかい地図とか、妙に古そうな農機具やら武器やらが展示してあったり、膨大な書物が部屋の半分を占めている。
もとの世界でもそんな教室あったけど、実際にその部屋を使って勉強するのは初めてだな。でもあの独特の雰囲気は先生に頼まれて資料をとりに行ったときのものそのまま。ヒトが溢れている分、こっちの方が生き生きとしてるような感じはする。
こうやって毎日いろいろなことを観察するのがすでに習慣になった。
この世界に来て一週間が過ぎているが、思っていた以上に機能はあっちの世界と変わらない。目にするものは不思議なものばっかりだったけど、見慣れてしまえばそっちの方が当たり前になった。
ただ一週間もの間何をしていたかと言えば、朝から晩までテストを受けさせられていた。学校に行くためにはどうしても必要だと言うので仕方がない。
それはもう朝から晩まで、国数理社、体育に美術に料理に裁縫、武術に演劇までさせられた。ついでに適正検査と身体測定もした。
ほとんど問題なくできたんだけど、唯一さっぱりできない科目があった。
それが社会。
っていうか分かる訳ないつーに。この世界の歴史も知らなければ社会情勢も分からない。テストの問題から、王制をとっているのを知ったくらいで、それを名前やら何代目やら知るよしもなく、9代目の王が成した偉業も72代目がめとった妃がどこの偉い貴族様なのかも分かるかーーーいってなもんだった。それでも問題文でも情報だと思い、しっかり熟読したし、試験の鉄則として解らなくても勘で回答欄を埋めたやった。
おかげで暇をもて余すようなこともなく、山のようなテストをこなすことで余計な事を考えずに済んだ。毎日テストを受けて、オードリーの家に帰って、ご飯を食べて風呂に入って寝るだけの生活。
帰る方法を探すのが先決かもしれないけど、正直なところ何も思いつかなかったのだから仕方ない。けれど代わりにオードリーが色々と調べてくれていた。オードリーも学校に通っているのに、暇を見つけてはあれこれとやってくれている。
それでも結局一週間経った今も何も分かっていない。それでも焦る気持ちはほとんど生まれなかった。どうしてだか分からないけど、このまま行けば何か起こる気がする。
僕の勘はほぼ100%当たる。人に言ったことは無いけど、思ったことは必ず起こるから、今回もきっと元の世界に戻れる。
ということで今、初授業でサギさんに出会ったところなのです。
「あの、サギさん? 一応説明は受けてきたので、先生はサギさんなんですよね?」
「……サギだけど、僕にだって名前くらいある」
ちょっと躊躇いがちにそう返事が返ってきた。そうそう、オードリーの時もそうだったように、まずは自分から名乗らなくては。
「じゃあ先に自己紹介しますね、僕は佐野碧。十五歳です。社会の知識は全くありませんので基礎の基礎から教えていただけると助かります」
「僕は……、リュー。十七だ」
「リューさん。これからよろしくお願いします」
「う、うん。よろしく」
そんなに悪い名前には思えなかったけど、どういう訳か、名前を言うのに躊躇いがあるようだ。
「それから、僕は先生じゃないから」
「あ、はい。聞いてます、学生さんなんですよね」
十年以上学習を積んでいて尚かつ優秀な生徒が、初歩の授業を行うのが恒例だと説明があった。ただ、先生役は二人一組だとも言っていた。間違った知識を教えないようにと言う配慮かららしい。
「もう1人の方は?」
「あいつは―――」
「やあ! リュー。今日から指導側なんだって? あたしに補助頼むなんて、なかなか見る目あるじゃない」
軽快な歩きで近づいてきて、はつらつと話し出したその人は、ダックスフントのような耳を生やした栗色ボブヘアーのメガネの女の子だった。
なぜ性別が分かるのかと言えば、耳以外は人の形をしているから。背が低くて、メガネを掛けているレンズの奥の目もクリッと丸くて可愛らしい。服装こそボーイッシュだけど、さすがに女の子だと分かる。
そして彼女はこっちを向くと、僕にも声を掛けていきた。
「ふーん、彼が噂の完全人型タイプのサノアオイくんって訳ね」
一週間もいれば、それなりに分かることもある。この世界では、純粋に人の形をしている方が稀だと言う事。全くいないわけじゃないとは聞いたけど、噂になるくらいには珍しいものみたいだ。
「どんな噂か教えてもらえますか?」
「いいわよ」
空いているイスに座りながら、あっさりと答えてくれた。
「天才かバカか全くわからん変わり者って聞いた」
「そうですか」
「何? そのあっさりした返しは? もっと何かないの!?」
「何かってどんなのがお望みですか?」
「そうね。バカやろう、オレはそんなんじゃねー。とかかな」
それじゃオードリーみたいだな。
「バカヤロウオレハソンナンジャネー」
「うざいぞ、そういうの」
そう言ったのはリューだった。またもほんの少しもこっちを見ずに、しれっとそんなこと言えてしまうなんて本当にあいつによく似てる。幼なじみのそいつであれば、ここは食って掛かるところだけど、初対面の相手にまでそう言うわけにはいかない。
そう思って黙っていると、犬耳の彼女が代わりに話し出した。
「あんたってホント嫌みな奴だよね。あたしとかは慣れてるからいいけど、他の人にはもう少し優しくした方がいいよ。ただでさえ友達少ないんだから」
「余計なお世話だ」
「なに、それ。人がせっかく忠告してやってるんだから、もっと真面目に聞けないのか」
「それが余計だと言ってるんだよ」
「はぁ? あんたちゃんと耳付いてるの!? あたしの声聞こえてる? そういうのを止めた方が良いって言ってんの」
「耳ならちゃんとある」
「揚げ足でも取ろうっての? 大体鳥の耳なんてどこについてんのかわかんないですけど」
「そうだな。ノサのようにデカデカとは付いてないな」
「なっ…」
そこで一瞬言葉の往来はとまってしまった。
僕としては止めるつもりもなかったから、もらった教科書に目を通してたんだけど、ふと言葉が止んだ弾みで二人の方に目を向けると、犬耳の彼女の方が両手で自分の耳を握って目に涙を溜めていた。
どうも彼女は自分の耳にコンプレックスをもっているようだ。フワフワしてて可愛いのにな。
「あたしの耳は別にデカくないっ」
泣きそうにはなっているものの負けん気は強いらしくバトルは再開された。
「そうか? それ、犬の耳みたいだぞ」
「イ…ヌ、言ったな! あたしのはウサギだって何回も言ったじゃん!」
危なかったー、そう言えば耳の垂れた種類のウサギもいたなあ、僕も危うく泣かせちゃうとこだった。
そう本当はウサギの耳だった彼女はもうすっかり泣き出している。それでも口げんかを止めるつもりはないみたい。
「じぶっ、自分だってさあ、サギのくせして“ツルー”なんて名前してるくせにさあ、人のこと言えないでしょっ」
「お…まえ。言って良い事と悪いことがあるだろッ」
「あたしの耳は良くて、あんたの名前がダメなんて言わせないもん」
「僕の場合は親が再婚したせいだろ、最初からこんな名前だった訳じゃない。それに、ツルじゃない。ツ・リューだ!」
「そっちの方がもっと面白いもん…」
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