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6章
馬場にて
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朝食が終わり、自室で着替え鍛錬へ向かう。
馬場に着くと既にレイフォードは待ち構えていた。
「シルヴィア。」
右手を上げ、シルヴィアをこちらへ招く。
シルヴィアは駆け足でレイフォードの元へ行く。
「旦那様。」
レイフォードはシルヴィアの服装を確認する。
そして、ソニアへ怒りの視線を向ける。
「・・・聞いてないぞ。シルヴィアの恰好!!」
シルヴィアは自分の服装を見る。
「旦那様、私何か変ですか?」
「い、いや変では無い。変では無いのだが・・・。」
シルヴィアは鍛錬のしやすい様にと、ミシェルとソニアが仕立てた服装を着ている。
今日はフリル等を排除したシンプルなブラウスと、動きやすさを重視したパンツ姿。
どちらも少しタイトな出で立ちで、体のラインが良く分かる。
(またこんな姿をして・・・!自分の姿に何でこうも無頓着なんだ、シルヴィアは。)
「この姿が鍛錬に向いているのです。スカート姿でなんて逆に危ないでしょう?」
ソニアは当然だという様に言い切る。
「しかしだな・・・、」
もごもごと口籠るレイフォード。
「そのような目で見ているのはご当主だけですよ。」
ソニアの指摘にレイフォードはびくりと肩が震える。
「お、俺は別に!」
レイフォードが反論しようとする。
「そのような目って何ですか?」
シルヴィアはレイフォードに尋ねる。
「い、いや、違うぞ?俺はそんな目でシルヴィアを見ていないからな!
ただ、他の男がシルヴィアをそんな目で見るのが気に入らないだけで。」
「???」
首を傾げるシルヴィアを見て、ソニアはにっこりと笑う。
「そんな目とは、シルヴィア様にいかがわしい事をしようと思っている目の事です。」
「え!!」
「おい!!」
シルヴィアはボッと顔が赤くなる。
レイフォードは必死に弁明する。
「違うぞ!!シルヴィア!!俺は断じてそんな目で見ていないからな!!
お前をそんな風に思ってなど全くいないからな!!」
レイフォードが余りにも強く否定するのに、少し胸が軋んだ。
(やっぱり、レイフォード様は私の事、何とも思っていないのよね。
そんなに否定しなくても、分かっているのに・・・。)
「大丈夫です。旦那様。私の事を誰もそんな目で見ないですから。」
平然を装ってシルヴィアは微笑む。
「いや、そんな事は無い。お前は自分の事を分かっていない。
あの夜会の時だって、どれだけの男がお前を見ていたか。」
シルヴィアの両肩を掴み、レイフォードがシルヴィアに言い募る。
シルヴィアはまた顔を赤くしてレイフォードを見つめる。
「旦那様?」
「お前のあの姿に男達がどんな思いを抱いていたか、想像しただけで腹が立つ・・・。」
レイフォードはあの夜会のシルヴィアを思い出す。
すらりとした肢体に陶器のように滑らかな白い肌。
嫌でも目が行くその胸元に男達がどのような妄想をしたか、容易く想像できる。
(俺のシルヴィアに指一つでも触れさせるものか。
この美しい肌に触れる事が出来るのは、俺だけ。俺ただ一人。)
困惑の表情で自分を見つめるシルヴィアの瞳ですら、自分だけの物にしたい。
好きだと認めた途端、湧き出るのは恐ろしい程の執着と醜い独占欲。
幸いな事に自分達は夫婦。
どちらかが離縁を申し出ない限り、裂かれる事は無い。
絶対に手放しはしない。
例えシルヴィアが離れようとしても、許さない。
「・・・そろそろ、鍛錬を始めても良いですかね?」
ソニアの声に二人はバッと離れる。
「え、ええ!ソニア!お願いします!」
ソニアの元へ走るシルヴィアをレイフォードは目で追う。
「シルヴィアが離れるというのなら、お前を。」
レイフォードの呟きは空気の中へ溶けていく。
シルヴィアが鍛錬をすると聞いて、屋敷の使用人達も集まってくる。
夜会の誘拐事件の後だっただけに、心配で駆けつけて来た者が多く、
シルヴィアの元気な姿を確認して安堵した。
レイフォードは周りの使用人達の多さに啞然とする。
一旦休憩を取る事になり、レイフォードがシルヴィアの元へ行こうとすると、
「シルヴィア様ああああ!ご無事本当に良かったですうううう!」
テーゼがシルヴィアに物凄い勢いで駆け寄る。
「テーゼ!ありがとう。心配かけてごめんなさい。」
テーゼの手を優しく包み込むように握る。
テーゼは頬を見る見るうちに赤く染める。
「シ、シルヴィアさまあああ!!て、手・・・。」
「あ!ごめんなさい。私、まだ手を洗っていなかったから、汚いわよね。」
ぱっと手を離すシルヴィア。
「あ・・・。」
残念そうな顔のテーゼ。
「テーゼ。あなたまた進行していない?」
「アン!」
怪訝な顔でテーゼを見るアンにシルヴィアは笑顔を向ける。
「シルヴィア様、ご無事で何よりです。
お怪我をされたと伺いましたが、大丈夫でしょうか?」
アンは心配そうにシルヴィアに尋ねる。
「大丈夫よ。大した怪我じゃないわ。塗り薬を塗れば、直ぐに治るの。
ありがとう。心配してくれて。」
シルヴィアは穏やかに微笑む。
「アンさん、進行したってどういう意味ですか!」
テーゼがむっと頬を膨らませてアンに詰め寄る。
「そのままの意味よ。シルヴィア様の前で言ってもいいの?」
アンがしれっと言う。
「!!駄目です!駄目です!!シルヴィア様に嫌われたくないですう!!」
「ええ!私がテーゼの事嫌いになる訳無いじゃない!」
テーゼが涙目でシルヴィアに抱き着く。
「ジルビアざまあああああ!だいしゅきでしゅううううう!!」
「きゃあ!テーゼったら。ふふふ。私もテーゼが大好きよ。」
シルヴィアは嬉しそうに告げる。
「シルヴィア様の匂い、すんすん・・。うへへへ。」
「・・・!!!おい!お前!どさくさに紛れて、シルヴィアに何をしてる!!」
テーゼの不穏な気配をレイフォードが察知して、シルヴィアからテーゼを引き剥がす。
「旦那様?一体どうされたのですか?」
レイフォードが明らかに怒っている。
何故怒っているのかシルヴィアには分からない。
「・・・シルヴィア。お前はもっと、警戒心を持て。」
「警戒心ですか・・・。」
シルヴィアは考えた。
確かに、よく攫われてしまうのは自分の警戒心が低いせいだろう。
(攫われるのは自分の責任。体を鍛える前に、未然に防ぐ対策を立てるべきだと、
レイフォード様は言っているのね!)
シルヴィアは大きく頷く。
「はい!分かりました!これからは、警戒心を持って攫われないようにします!!」
「・・・・何故そうなる・・・。」
レイフォードは脱力する。
話が噛み合っていない。
攫われ無い様になるのは良いのだが、今自分が言っているのはそうではない。
「もっと直接的に言わないと、シルヴィア様には通じませんよ。」
ソニアがレイフォードに近づいて囁く。
「最も、ご当主が直接的に言っても、今までの事があるのでそう簡単には伝わらないでしょうけれど。」
「・・・・・。」
図星を突かれて、二の句が継げぬレイフォードはただ沈黙するのみ。
構わずソニアは続ける。
「で、どうです?シルヴィア様の剣の鍛錬は。」
「服装には言いたい事はあるが、内容としては別に文句は無い。」
シルヴィアの顔がぱあっと明るくなる。
「じ、じゃあ・・・!」
「ああ、続けても良い。だが、もっと体の線が分かりにくい服装で、ならだ。」
「・・・!!ありがとうございます!!」
「かわ・・・!!」
シルヴィアの弾けんばかりの笑顔に、レイフォードは思わず声が漏れる。
口元を手で押さえ、顔を横に向ける。
(あああ!!もう!警戒心を持てと言った傍から!)
シルヴィアの笑顔を自分に向けられるのは構わない。
寧ろもっと見せて欲しい。
だが、周りに見せたくない。
アンやテーゼたちがシルヴィアの笑顔に見惚れているのを見て、
レイフォードは思う。
(これは、早くシルヴィアに想いを伝えて、名実ともに夫婦とならなければ。)
そうすれば、シルヴィアは俺の傍に居てくれる。
この時点ではそう考えていた。
馬場に着くと既にレイフォードは待ち構えていた。
「シルヴィア。」
右手を上げ、シルヴィアをこちらへ招く。
シルヴィアは駆け足でレイフォードの元へ行く。
「旦那様。」
レイフォードはシルヴィアの服装を確認する。
そして、ソニアへ怒りの視線を向ける。
「・・・聞いてないぞ。シルヴィアの恰好!!」
シルヴィアは自分の服装を見る。
「旦那様、私何か変ですか?」
「い、いや変では無い。変では無いのだが・・・。」
シルヴィアは鍛錬のしやすい様にと、ミシェルとソニアが仕立てた服装を着ている。
今日はフリル等を排除したシンプルなブラウスと、動きやすさを重視したパンツ姿。
どちらも少しタイトな出で立ちで、体のラインが良く分かる。
(またこんな姿をして・・・!自分の姿に何でこうも無頓着なんだ、シルヴィアは。)
「この姿が鍛錬に向いているのです。スカート姿でなんて逆に危ないでしょう?」
ソニアは当然だという様に言い切る。
「しかしだな・・・、」
もごもごと口籠るレイフォード。
「そのような目で見ているのはご当主だけですよ。」
ソニアの指摘にレイフォードはびくりと肩が震える。
「お、俺は別に!」
レイフォードが反論しようとする。
「そのような目って何ですか?」
シルヴィアはレイフォードに尋ねる。
「い、いや、違うぞ?俺はそんな目でシルヴィアを見ていないからな!
ただ、他の男がシルヴィアをそんな目で見るのが気に入らないだけで。」
「???」
首を傾げるシルヴィアを見て、ソニアはにっこりと笑う。
「そんな目とは、シルヴィア様にいかがわしい事をしようと思っている目の事です。」
「え!!」
「おい!!」
シルヴィアはボッと顔が赤くなる。
レイフォードは必死に弁明する。
「違うぞ!!シルヴィア!!俺は断じてそんな目で見ていないからな!!
お前をそんな風に思ってなど全くいないからな!!」
レイフォードが余りにも強く否定するのに、少し胸が軋んだ。
(やっぱり、レイフォード様は私の事、何とも思っていないのよね。
そんなに否定しなくても、分かっているのに・・・。)
「大丈夫です。旦那様。私の事を誰もそんな目で見ないですから。」
平然を装ってシルヴィアは微笑む。
「いや、そんな事は無い。お前は自分の事を分かっていない。
あの夜会の時だって、どれだけの男がお前を見ていたか。」
シルヴィアの両肩を掴み、レイフォードがシルヴィアに言い募る。
シルヴィアはまた顔を赤くしてレイフォードを見つめる。
「旦那様?」
「お前のあの姿に男達がどんな思いを抱いていたか、想像しただけで腹が立つ・・・。」
レイフォードはあの夜会のシルヴィアを思い出す。
すらりとした肢体に陶器のように滑らかな白い肌。
嫌でも目が行くその胸元に男達がどのような妄想をしたか、容易く想像できる。
(俺のシルヴィアに指一つでも触れさせるものか。
この美しい肌に触れる事が出来るのは、俺だけ。俺ただ一人。)
困惑の表情で自分を見つめるシルヴィアの瞳ですら、自分だけの物にしたい。
好きだと認めた途端、湧き出るのは恐ろしい程の執着と醜い独占欲。
幸いな事に自分達は夫婦。
どちらかが離縁を申し出ない限り、裂かれる事は無い。
絶対に手放しはしない。
例えシルヴィアが離れようとしても、許さない。
「・・・そろそろ、鍛錬を始めても良いですかね?」
ソニアの声に二人はバッと離れる。
「え、ええ!ソニア!お願いします!」
ソニアの元へ走るシルヴィアをレイフォードは目で追う。
「シルヴィアが離れるというのなら、お前を。」
レイフォードの呟きは空気の中へ溶けていく。
シルヴィアが鍛錬をすると聞いて、屋敷の使用人達も集まってくる。
夜会の誘拐事件の後だっただけに、心配で駆けつけて来た者が多く、
シルヴィアの元気な姿を確認して安堵した。
レイフォードは周りの使用人達の多さに啞然とする。
一旦休憩を取る事になり、レイフォードがシルヴィアの元へ行こうとすると、
「シルヴィア様ああああ!ご無事本当に良かったですうううう!」
テーゼがシルヴィアに物凄い勢いで駆け寄る。
「テーゼ!ありがとう。心配かけてごめんなさい。」
テーゼの手を優しく包み込むように握る。
テーゼは頬を見る見るうちに赤く染める。
「シ、シルヴィアさまあああ!!て、手・・・。」
「あ!ごめんなさい。私、まだ手を洗っていなかったから、汚いわよね。」
ぱっと手を離すシルヴィア。
「あ・・・。」
残念そうな顔のテーゼ。
「テーゼ。あなたまた進行していない?」
「アン!」
怪訝な顔でテーゼを見るアンにシルヴィアは笑顔を向ける。
「シルヴィア様、ご無事で何よりです。
お怪我をされたと伺いましたが、大丈夫でしょうか?」
アンは心配そうにシルヴィアに尋ねる。
「大丈夫よ。大した怪我じゃないわ。塗り薬を塗れば、直ぐに治るの。
ありがとう。心配してくれて。」
シルヴィアは穏やかに微笑む。
「アンさん、進行したってどういう意味ですか!」
テーゼがむっと頬を膨らませてアンに詰め寄る。
「そのままの意味よ。シルヴィア様の前で言ってもいいの?」
アンがしれっと言う。
「!!駄目です!駄目です!!シルヴィア様に嫌われたくないですう!!」
「ええ!私がテーゼの事嫌いになる訳無いじゃない!」
テーゼが涙目でシルヴィアに抱き着く。
「ジルビアざまあああああ!だいしゅきでしゅううううう!!」
「きゃあ!テーゼったら。ふふふ。私もテーゼが大好きよ。」
シルヴィアは嬉しそうに告げる。
「シルヴィア様の匂い、すんすん・・。うへへへ。」
「・・・!!!おい!お前!どさくさに紛れて、シルヴィアに何をしてる!!」
テーゼの不穏な気配をレイフォードが察知して、シルヴィアからテーゼを引き剥がす。
「旦那様?一体どうされたのですか?」
レイフォードが明らかに怒っている。
何故怒っているのかシルヴィアには分からない。
「・・・シルヴィア。お前はもっと、警戒心を持て。」
「警戒心ですか・・・。」
シルヴィアは考えた。
確かに、よく攫われてしまうのは自分の警戒心が低いせいだろう。
(攫われるのは自分の責任。体を鍛える前に、未然に防ぐ対策を立てるべきだと、
レイフォード様は言っているのね!)
シルヴィアは大きく頷く。
「はい!分かりました!これからは、警戒心を持って攫われないようにします!!」
「・・・・何故そうなる・・・。」
レイフォードは脱力する。
話が噛み合っていない。
攫われ無い様になるのは良いのだが、今自分が言っているのはそうではない。
「もっと直接的に言わないと、シルヴィア様には通じませんよ。」
ソニアがレイフォードに近づいて囁く。
「最も、ご当主が直接的に言っても、今までの事があるのでそう簡単には伝わらないでしょうけれど。」
「・・・・・。」
図星を突かれて、二の句が継げぬレイフォードはただ沈黙するのみ。
構わずソニアは続ける。
「で、どうです?シルヴィア様の剣の鍛錬は。」
「服装には言いたい事はあるが、内容としては別に文句は無い。」
シルヴィアの顔がぱあっと明るくなる。
「じ、じゃあ・・・!」
「ああ、続けても良い。だが、もっと体の線が分かりにくい服装で、ならだ。」
「・・・!!ありがとうございます!!」
「かわ・・・!!」
シルヴィアの弾けんばかりの笑顔に、レイフォードは思わず声が漏れる。
口元を手で押さえ、顔を横に向ける。
(あああ!!もう!警戒心を持てと言った傍から!)
シルヴィアの笑顔を自分に向けられるのは構わない。
寧ろもっと見せて欲しい。
だが、周りに見せたくない。
アンやテーゼたちがシルヴィアの笑顔に見惚れているのを見て、
レイフォードは思う。
(これは、早くシルヴィアに想いを伝えて、名実ともに夫婦とならなければ。)
そうすれば、シルヴィアは俺の傍に居てくれる。
この時点ではそう考えていた。
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